Aqours 6th LoveLive! KU-RU-KU-RU Rock'n Roll TOUR "WINDY STAGE(東京ドーム公演)" (2022/6/25-26) ~なんどだって始まる「輝き」~

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2022年6月25日及び26日、Aqours 6th LoveLive! KU-RU-KU-RU Rock'n Roll TOUR "WINDY STAGE" が東京ドームにて無事開催されました。2018年11月17日・18日に開催された4thライブ~Sailing to the Sunshine~以来3年7か月ぶり、日数にして1,315日ぶりで、Aqoursにとっては2度目の東京ドームでのライブとなりました。

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6thライブツアーの追加公演という位置づけだった本公演に合わせ、テーマソングとして「なんどだって約束!」がリリースされ、両日ともに「なんどだって約束!」でライブが開幕。先行する名古屋公演~Ocean Stage~や埼玉公演~Sunny Stage~は、「KU-RU-KU-RU Cruller‼」が最初の曲でしたが、今回は特別に用意されたテーマソングで始まるライブとなりました。次いで披露されたのが4thシングルの「未体験HORIZON」で、同じツアーの公演ながら、出だしから仕立てがかなり違うライブという趣がありました。「未体験HORIZON」は、2019年9月のリリース以来、Aqoursのワンマンライブでは初めて披露されたことになります。

昨年より順次リリースされている3rdソロ曲も初お披露目と相成りました。初日の「1STAR」は、あの「コットンキャンディえいえいおー!」とは全く逆テイストの曲。しかしながら、どちらも黒澤ルビィらしさが色濃く出た曲であり、どちらでもルビィらしいパフォーマンスを見せてくれた降幡愛さんの実力の高さを再認識しました。

9人で唯一津島善子だけが3rdソロ曲がリリースされていなかったものの、7月13日リリース予定の新曲「迷冥探偵ヨハネ」が、試聴動画すら公開されていないのにフルで披露。今回の目玉である超横長スクリーンいっぱいに広がった黒い羽根は、まさに「堕天使ヨハネが魔都東京に堕天降臨」したかのように思わせる演出でした。

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ライブ中盤はライブ初披露曲が目立ちました。2019年10月リリースの「KOKORO Magic “A to Z”」もその一つ。カップリング曲の「Wake up, Challenger!!」こそ昨年末の「DREAMY CONCERT」で披露されましたが、こちらはリリースから2年8か月が経つもののこれまで一度も披露されていませんでした。衣装のデザインはライブ用に大きくリアレンジされていました。

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ライブでのお披露目に合わせ、ラブライブの公式YouTubeチャンネルには、3DCGのアニメーションPVのフルバージョンがアップロードされました。「ライブのためにわざわざ映像を作ったんだ!」という話もTwitter上では聞かれましたが、2019年のリリース当初からこの映像自体は存在し、映像を収録したBDもしくはDVDがシングルに同梱されていました。3年近く経てばあり得そうな話ではありますが、個人的にはちょっと驚いた次第です。

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続く「GEMSTONE "DE-A-I"」も今回初披露。3月に発売されたBlu-ray BOXの特典録りずっと輝いてたい」という歌詞のように、アニメ2期以降のAqoursの楽曲に良くあるテイストの曲です。特典曲なのでサブスクリプションや配信等では解禁されておらず、音源だけの入手も今のところ不可能です。

今回のライブでの一番のツボが、ここからMCを挟んだ「Next SPARKLING!!」と「i-n-g, I TRY!」です。

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劇場版のエンディングであり、2019年6月の5thライブでは大トリだった「Next SPARKLING!!」ですが、今回はライブの中盤で登場。曲中全員で円陣を組むのではなく、1・2年生と3年生で別れるという演出は、アニメではなかったものではありつつ、不思議としっくりくるものになっていました。「Next SPARKLING!!」は「新しい輝きへと手を伸ばそう」という歌詞にあるように、「一つ一つの思い出たちも大事だけど、それでもいつまでも夢を見ていたい」と、未来志向の曲になっています。作中でも、善子が「始まりの歌を!」と言っているあたり、これが「物語の最後の曲」であるとは、決して言えないはずです。

ここから続くのが「i-n-g, I TRY!」だったというのが、劇場版までの一通りの展開を終えた(=3年生が卒業を迎えた)「今のAqours」を象徴する展開だったと感じています。「なつかしいなんて 後にしようよ だからまだ走ろう」という歌詞が、「残った6人でもAqoursを続けよう」と誓っていたのを思い起こさせるもの。「ずっと輝いていたい!」というAqoursの気持ちが表れているように感じられました。

終盤には楽曲投票上位曲を披露する生演奏パートが挟まりました。

初日に披露されたのは「Brightest Melody」。「ラブライブ!サンシャイン‼」単体でのライブでは5th以来でした。「最上級の輝き」と銘打った曲以上に東京ドームという舞台が似合う曲は考えられず、この曲は最初から東京ドームで披露することを考えて作られたのではないかと思ってしまうほど。しかも「浦の星交響楽団」の皆さんの演奏と一緒に聴けたというのは、この上なく豪華なパフォーマンスだったと感じました。2日目披露されたのは「キセキヒカル」と「想いよひとつになれ」で、この2曲には4thライブを思い起こさせられました。

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このパートで特筆すべきは「心の羽よ君へ飛んでけ!」と「smile smile ship Start!」。この2曲と生演奏の組み合わせは、中止になった2021年5月の野外ライブで披露されていた可能性だって十分あり得たはず。この2曲をしっかりやってくれたというのは、先の2年間の苦境を完全に清算していこうとする意志を感じた次第です。

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幕間アニメを挟んでのアンコール曲は「君のこころは輝いてるかい?」と「SUKI for you, DREAM for you!」でした。4thライブでは最初の曲だったように、最後の方に「君のこころは輝いてるかい?」が来ることはかなり珍しいものの、よく考えれば2020年10月のオンラインライブ「LOST WORLD」の最後の曲はこれでした。もっと言えば、「LOST WORLD」の日程は当初予定されていた5周年記念の6thドームライブツアーの東京ドーム公演、すなわち「2度目の東京ドーム」になるはずだった日でした。ともすると、その週末の最後の曲が「君のこころは輝いてるかい?」だったかも知れず、それを今回のライブで回収しようとしたのかなと考えます。

「SUKI for you, DREAM for you!」は、2022年5月から6月にかけよみうりランドで開催されていた「Aqoursぬまづフェスティバル」のテーマソングでしたが、6thライブの最後は毎回これでした。「最高のステージ 盛り上がろう! 笑顔でジャンプ なんでも乗り越えられそうだよ Let’s go!! 一緒に楽しもう!」という歌詞は、好きなことへ常に全力なAqoursらしい曲であり、大トリに相応しいと思う曲です。

この後、2日目にはダブルアンコールもありました。4thライブでは挨拶だけでしたが、今回は「なんどだって約束」を再び披露。「2度でなんて終わらせないぞ」という、Aqoursの強い意志を感じました。

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思えばこの2年半、5周年という節目の年もありながら、Aqoursにとっては困難の続いた一年であったといえます。「いつか…それは今だった 待ってた この日を待ってたよ この日を待ってたよ 遠く離れてた時も ココロはずっと一緒だったよ」「同じもどかしさ抱え くやしい日々を重ねた」とあるように、「なんどだって約束」の歌詞にも、その2年半の苦難は歌われています。と同時に、「負けたくない いろんなことに しかたないとあきらめない」「本当に 本当に 会いたいから手探りで挑戦 失敗をバネにジャンプ!」「楽しみはまだまだあるんだ 終わらせないからね」とあるように、過去にとらわれることなく、未来の「約束」と「楽しみ」を常に向いていたいと歌っている曲でもあります。

ライブのMCでも「2度あることは3度でも、何度でもある」「声を聴けるまでライブは絶対にやめない」と言っていたように、先の2年半がどれほど困難で厳しい時間であったとしても、その時間をいつまでも悔やむのではなく、これからをもっと楽しんでいきたいというAqoursの思いは確かなものであると感じられました。私自身、ライブ当日を5日後に控えた日の夜に念願の地元静岡凱旋を果たすはずだった野外ライブの延期が決まり、その後中止という判断がとられたときの悔しさは、今でも鮮明に覚えていますが、いつまでもそんなことを抱え続けるのではなく、「いつか絶対やってくれる」と信じていきたいと考えています。これこそが、「Aqoursとの約束」そのものだったのではないかと、私は確信しています。

「2度目の東京ドーム」に対するプレッシャーは相当なものであったはずです。4th以降のライブでも、毎回パフォーマンスには磨きがかかり、幾度となく「最高」を塗り替えてきましたが、今回はそのプレッシャーなどものともしない姿を見せてくれました。これまでがそうだったように、今が最高なのではなく、常に成長・進化し続けるAqoursであり続けてほしいばかりではありますが、この週末のライブは「最高」そのものだったと言いたいです。それはパフォーマンスだけではなく、Aqoursに対する新たな気付きをもたらしてくれたことに対してもということ。「Aqoursは常に未来を向いている。」そのメッセージを東京ドームという舞台で具現化したのが、「WINDY STAGE」であったと考えます。

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EXTRAライブの開催決定やアニメ作品の展開決定等、嬉しい知らせもありました。劇場版公開から早くも3年半が経ちますが、Aqoursラブライブ!サンシャイン‼はまだまだ何か新しい挑戦を続けてくれるようです。7thライブなど、是非ともあってほしいイベントもあります。少々大げさに言えば、約束をなんどでも果たすべく、私も強く生きねばと決心させられた、そんなライブでした。「Aqoursの「輝き」はなんどだって始まる。」そう感じさせてくれた2日間を過ごさせてくれたAqoursに、無限大のユメとミライが待っていることを、心から祈念します。