2023年2月11日(土)・12日(日)に、Aqoursとしては昨年6月以来8か月ぶりのワンマンライブとなる「ラブライブ!サンシャイン!! Aqours EXTRA LoveLive! 2023 ~It`s a 無限大☆WORLD~ <Valetine`s Day Concert>」が、東京都調布市にある「武蔵野の森総合スポーツプラザ・メインアリーナ」にて開催されました。
Aqoursのイベント自体は2022年8月にもファンミーティングがありましたが、ライブとしては2022年6月に東京ドームで開催された「Aqours 6th LoveLive! KU-RU-KU-RU Rock'n Roll TOUR "WINDY STAGE" 」以来。また、ファンミーティングは高海千歌役・伊波杏樹さんが3日間通して出演しなかったため、9人そろってのイベントとしても8か月ぶりとなりました。
今回のライブはナンバリングではなく「EXTRA LoveLive!」と銘打っています。EXTRAといえば2021年12月29日・30日の「Aqours EXTRA LoveLive!〜DREAMY CONCERT 2021〜」が思い浮かびますが、今回も文字通りの意味を取れば「特別編」という位置づけ。一昨年のライブは、コロナ禍に伴う度重なるライブの延期・中止やメンバーの一時休養等もあり、思うようなライブ活動が2年近くもできていなかったのを経ての「特別編」と取ることができ、「EXTRA LoveLive!」という名前に重みも感じた次第であります。
一方で今回のライブといえば、「特別編」とする意味が分からなかったのが正直なところでした。Aqoursだけではなく、虹ヶ咲やLiella!も当たり前のようにライブを開催し、更に1月末からはライブにおける「声出し」も、マスク着用という制限はあれど、約3年ぶりに解禁されました。そもそも新型コロナウイルスに係る各種行動制限もすっかり緩和され、感染症としての区分も5月上旬をもって2類から5類へ格下げされる見込みであり、3年続いたコロナ禍も終焉が見えてきたところ。ライブイベントが「開催できるかどうかの瀬戸際」から「開催できるのが当たり前」というところに戻りつつあるというのが最近の実感とも言えます。
6thの次なら7thになるのではというのが自然な発想かもしれません。それにAqoursの7周年*1に合わせたライブなら、同じ”7”で結び付けてしまうのが良さそうな気もするものです。それなのに敢えて「EXTRA LoveLive!」としたのには、それなりの理由があってのことなのだろうと、昨年発表されたときに薄々考えていたことを頭に浮かべながら、京王線に乗ってライブ会場に向かったわけであります。
新しい曲もやりつつ、2018〜2019年あたりのノリと雰囲気がひしひしと感じられたのが行けて良かったなと思うポイント。声出し解禁前に大枠を決めていたんだろうけど、声が出せるようになることをどこかで見越して、4th〜5thあたりの雰囲気を纏わせたのではないかと感じた。#Aqoursとバレンタイン_Day1
— ぷらむ (@417plum) 2023年2月11日
結論から言えば、今回のライブは確かに「EXTRA」として正解だったのかなと思いました。アンコールを含めて全22曲*2の中で新曲は3曲のみ。他はDREAMY COLORを除くと全て2019年以前の曲で揃えられていました。中でも1stソロ曲を全員分やったというのは全く予想していなかったところです。それも1日で9曲すべてを披露するとは全く思わなかったもの。3rdライブでは2日間で分けての披露だったので、「9曲すべてを1日で」というのはAqoursのライブじゃ異例中の異例です。もはや虹ヶ咲のライブのようなセットリストだと言えるもの。これは一番の驚きでした。
ラブライブ!サンシャイン!! のライブにおける「声出し」解禁は、2020年2月の1stユニットライブ以来3年ぶり*3、またAqoursのワンマンライブにおいては、2019年6月の5thライブ以来3年8か月ぶりでした。開幕直後の「少女以上の恋がしたい」や「"MY LIST" to you!(Day.1)」、「待ってて愛のうた(Day.2)」はライブのタイトルに合わせたバレンタインデーらしい曲でありながら、ソロ曲明けの「予測不可能Driving!」と「Marine Border Parasol」は5thライブ以来の披露となったはず。
4曲目に披露された「青空Jumping Heart」も実は少し久しぶり。昨年6月の「WINDY STAGE」では披露されませんでした。声出し可となると本当に3年以上ぶりだったのですが、この曲は声が出せてなお盛り上がる曲であるということを再認識させられた次第です。「はじまった時の ときめきずっとだいじにね 夢をつかまえに行くよ どんなことが おこるのかわからないのも 楽しみさ」という歌詞も、活動開始間もないころから今に至るまで常に夢を追いかけてきたAqoursらしい曲であり、いつ聴いても輝きは決して消えることがないなと感じられるものです。
「ヨイショヨイショワッショイしてなさい」←好き #Aqoursとバレンタイン_Day2
— ぷらむ (@417plum) 2023年2月12日
全体的にノリがガキ使なのめっちゃ面白い #Aqoursとバレンタイン_Day2
— ぷらむ (@417plum) 2023年2月12日
どうしてwww #Aqoursとバレンタイン_Day2
— ぷらむ (@417plum) 2023年2月12日
容疑者が応援すんなや #Aqoursとバレンタイン_Day2
— ぷらむ (@417plum) 2023年2月12日
ここの渡辺の表情めっちゃ好き #Aqoursとバレンタイン_Day2
— ぷらむ (@417plum) 2023年2月12日
アウトだろwww #Aqoursとバレンタイン_Day2
— ぷらむ (@417plum) 2023年2月12日
どう見たってアウト寄りのところを攻めていくのめっちゃ好き #Aqoursとバレンタイン_Day2
— ぷらむ (@417plum) 2023年2月12日
個人的推しポイントの2つ目が幕間アニメ。Aqoursのライブと言えば、「面白いけど見方によっちゃクッソ寒い幕間アニメ」がかつての特徴でした。それが2021年12月のDREAMY CONCERTから姿を消し、ある意味「今日のAqours 特別編」という趣だったともいえる作りになってしまいました。殊にDREAMY CONCERTでは、幕間アニメがそのままDREAMY COLORに繋がる造りになっており、単なる「ライブの箸休め」に留まらず、むしろ「ライブ本編と一体になった幕間」ともいうべきものに昇華されていました。それが今回は「アクアサスペンス劇場」などというアニメになり、大昔を思い起こさせる「どうしたってしょうもない話」が無事帰ってきていて、セットリスト以外のところでも、「実家のようなAqoursのライブ」が帰ってきたと思わせられたと感じさせられました。ライブパートのパフォーマンスのレベルは特級品と言えるAqoursも、幕間アニメは良い意味で「B級品」のような雰囲気があり、個人的には好きだったので、今回かくして復活したというのは、大変喜ばしいことでもありました。
直近での目玉ともいえる「BANZAI! digital trippers」も披露されました。ライブ中盤で披露された際には、大きなスクリーンにPVが映し出されました。ここまでは今までのライブ通りと言った演出で、各種メディアにて「アニメとのシンクロ」が特徴として紹介されることが多いAqoursですが、今回もアニメーションPVとほとんど変わりないパフォーマンスを見せてくれました。
1回だけかと思いきや、アンコールでも披露されました。アンコールではステージと同じ高さのスクリーンに初音ミクが登場。キャスト9人と一緒に踊っているかのような演出がなされていました。アニメーションPVでは各キャラクターと初音ミクが一緒に出てきますが、ライブでも、キャスト9人とスクリーンの初音ミクとが、息ぴったりのパフォーマンスを見せてくれました。「アニメとのシンクロ」というAqoursの看板も、また一歩上のレベルに行ったように感じられました。
コロナ禍におけるライブ自体の開催自粛の雰囲気はとっくの昔になくなり、「声出し」も直前に解禁された中、その状況で「特別編」とする意図は何なのかと思いながらライブに向かったわけですが、その意味が何となく分かったような気がしました。スクールアイドルではなくボーカロイドの初音ミクをステージに上げる場所として、「特別編」としたと解釈するのがおそらく自然なのだろうと思いました。
EXTRAライブ2023は3月11日・12日のWhite Day Concertがまだ残っています。Valetine`s Day Concertでは1stソロ曲だった枠が、他の曲に差変わるのかもしれませんね。2nd以降のソロ曲もあり得そうですが、2021年に発売されたユニットアルバムの新曲を声出し可の環境で初披露というのも考えられるのではないかと思います。何が来てもいいように備えておくのがよさそうです。今回も全通を試みましたが、最後までチケットが取れたのはバレンタインデーの初日だけ。ホワイトデーで現地に向かわれる方、是非とも楽しんできてくださいね。