
今年4月1日に市制施行40周年を迎える茨城県牛久市。それを記念して、1985年のつくば科学万博の時に営業していた臨時駅「万博中央駅」の看板が、臨時駅があった場所に1998年に開業したひたち野うしく駅の駅前に、期間限定で設置されています。牛久市はテレビアニメ「ラブライブ!スーパースター!!」の舞台にもなり、昨年は初代広報大使にLiella!の鬼塚夏美ちゃんと冬毬ちゃんが姉妹揃って就任。それぞれのキャラクターの担当声優が出演する街のプロモーション動画も公開されていますが、別の切り口での街の活性化や知名度向上にも力を入れているようです。
1.40年ぶりに里帰り
今回展示が始まったのは、1985年に現在のつくば市周辺などで開催された「つくば科学万博(正式名称:国際科学技術博覧会)」の会場へのアクセスを目的に設けられた臨時駅「万博中央駅」の看板です。当時はつくばエクスプレス(2005年開業)もなかったため、最寄りの鉄道路線だった常磐線に臨時駅を作り、駅から会場まではシャトルバスを走らせるという形で、会場へのアクセス手段としていました。臨時駅の場所はいくつか検討されたようですが、用地買収などの理由で牛久駅~荒川沖駅間に決まったとのことです。
万博閉幕後、牛久市周辺では宅地開発が進み、万博中央駅跡地の周辺も人口が増加しました。新興住宅地へのアクセスのため、万博中央駅とほぼ同じ場所にひたち野うしく駅が1998年3月に開業しました。つくばエクスプレスの開業前はつくば市方面への通勤通学で利用する人も多かったようで、万博中央駅と同じような役割も担っていました。
2.万博を機に街が変わった


昨年12月28日に看板の除幕式が開催されました。除幕式には牛久市の沼田市長の他、初代の牛久市長で市制施行前の牛久町の町長だった方も駆けつけていました。
ひたち野うしく駅西口にて行われた万博中央駅駅名看板の除幕式を見ていました。市の倉庫に眠っていた看板を、来年4月の牛久市市制施行40周年を機に里帰りさせようという企画です。展示は来年3月31日まで。#うしくさんぽ pic.twitter.com/zeBgLuRfeq
— ぷらむ (@417plum) 2025年12月28日
除幕式冒頭の市長のあいさつでは、万博中央駅と万博会場を結んでいたバスが、日本初の連接バスであったことが明かされました。今では地域によっては普通に走っている連接バスですが、当時はとても珍しい存在であったことは間違いありません。会場には市民を始め多くの方がいましたが、初めて知ったという人も少なくないように見えました。
市長のスピーチで、当時の万博会場と万博中央駅を結んでいたシャトルバスが日本初の連接バスだったという話があったり、初代牛久市長からは万博中央駅は土浦市になるかもしれなかったという話もあったりして、短時間の滞在ながら貴重な話を聞くことができて、隣の駅まで足を伸ばして良かったと思いまし… https://t.co/EMIzEwkD3E
— ぷらむ (@417plum) 2025年12月28日
また、初代牛久市長だった大野正雄さんからは、万博中央駅が牛久市ではなく土浦市にできるかもしれなかったという話もありました。土浦市と旧牛久町で誘致合戦が繰り広げられた結果、用地買収や造成が容易だと判断された旧牛久町に軍配が上がり、今のひたち野うしく駅の場所に決まったとのことでした。万博中央駅とひたち野うしく駅との間には直接的な関連はないとされていますが、万博中央駅の跡地に新駅を建設するよう牛久市などがJR東日本に働き掛けた結果、ひたち野うしく駅が開業したことも事実です。万博が牛久の街の姿を大きく変えたともいえるでしょう。

余談ですが、牛久市内を走る常磐線の電車もまた、万博をきっかけとして姿を変えました。常磐線の中距離普通電車は、万博の前は赤を基調にした塗装を纏っていましたが、万博を機に白地に青の帯に変わりました。この時に採用された青色は、常磐線の中距離普通電車のラインカラーとして今でも使用されています。科学万博の当時走っていた電車はすでに引退していますが、現在常磐線の普通電車として走っているE531系にも、万博の時に初めて採用された青の帯が受け継がれています。
3.市制施行40周年がどんな1年になるか
万博中央駅の看板の除幕式の当日は、ラブライブ!スーパースター!!の鬼塚冬毬ちゃんの誕生日でした。牛久駅に近い牛久シャトーでは記念グッズや2026年のカレンダー配布などが行われており、多くのファンで賑わっていました。



牛久シャトーにてカレンダーを取り急ぎ回収。姉妹のパネルが2枚ずついてちょっとびっくり。#うしくさんぽ pic.twitter.com/hXXPke5Y0a
— ぷらむ (@417plum) 2025年12月28日
いつもランチでお世話になっている南部珈琲さんへ昼食後に訪問。誕生日記念の祭壇が、沼津のお店にも引けを取らない気合の入り方でした。#うしくさんぽ #鬼塚冬毬生誕祭2025 pic.twitter.com/SLfllNZy01
— ぷらむ (@417plum) 2025年12月28日
2024年10月から12月にかけて放送されたラブライブ!スーパースター!!のテレビアニメ3期で鬼塚夏美ちゃんと冬毬ちゃんの地元として牛久市が登場し、放送後の2025年1月9日には、2人が初代うしく広報大使に就任しました。声優を務める絵森彩さんと坂倉花さんが出演する動画も牛久市の公式YouTubeチャンネルにアップされており、ラブライブ!スーパースター!!を活用したシティプロモーションも盛んに展開しています。
現地に赴くと感じることですが、牛久市は市内全体で比較的新しい住宅街が目立つ、どちらかといえば新しい街です。根っからの地元の人もいるとはいえ、他の地域から移住してきたという人も多いはずで、牛久という街もしくは地域への帰属意識や愛着をあまり強く持たない人も少なくないのかもしれません。また、東京へのアクセスが便利な新興住宅地という街は首都圏には数多くあり、その中でいかに住む人を呼び寄せられるかということが、40周年を迎えた牛久市の今後の課題になりうるでしょう。
テレビアニメというわかりやすいコンテンツを用いながら、街の知名度を上げたり、街の魅力を市内外に発信したりすることは、とても有用な手立てであるはずです。それと同時に、今回の万博中央駅のような街の歴史にも、40周年という節目に合わせて再び焦点を当てていくということは、街に対する興味や関心を深めるきっかけになります。つくば科学万博は開催から昨年で40年が経過し、当然ながら当時を知らない世代も増えています。当時を知る人にとっては懐かしい存在ながら、知らない世代の人にとっては街の歴史を知るきっかけにもなるでしょう。静岡県沼津市の「ぬまづの宝100選」ではありませんが、街の細々とした歴史や文化などをしっかりくみ取って発信することで、その中の何かがきっかけになって街のファンが増えていくような、専門用語では関係人口というようですが、そんなことも期待できるのではないかと、素人ながら思いました。
牛久市にとって、昨年はラブライブ!の舞台の街としてある種のブームが起きたような1年でしたが、今年もまた多くの人が訪れて、街の魅力がより広く伝わると良いですね。私自身、牛久シャトーをもう少しゆっくり回ったり、牛久市のクラフトビールももう少ししっかりいただいてみたりしたいので、今年も折を見て足を運びたいと考えています。

今日貰ったカレンダーを早速貼ってみました。いよいよ何市民か分からなくなってきましたが、沼津から牛久は日帰りで遊びに行けるので、来年も何回か訪問できたらいいですね。いつも駆け足気味なので、今度はもう少しゆっくりできたらいいなと思っています。#うしくさんぽ pic.twitter.com/Uf1QnsWay1
— ぷらむ (@417plum) 2025年12月28日
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