2025年の年末、2021年に閉店し跡地の去就が注目されていた「イシバシプラザ」の跡地について、「イオンタウン」が2027年に開業する予定で、その工事が今月からスタートする見込みであることが、市議会議員や地元住民の方のSNSアカウントの投稿から判明しました。閉店から6年、建物の解体工事も終了して久しく、駅に近い一等地に広大な空き地が広がっていますが、新たな動きがようやく見え始めてきました。
▼閉店前のイシバシプラザ(2021年5月撮影)

1.閉店から6年で、「イトーヨーカドー」が「イオン」に変身
▼2024年8月に公開した記事です
沼津市高島町にあった商業施設「イシバシプラザ」は、中核テナントとしてスーパーマーケットとして「イトーヨーカドー」が入居していたほか、専門店も数多く軒を連ねていました。長年にわたって地域の人々に親しまれていましたが、周辺市町への他の商業施設の進出もあり、競争が激化する中で客足は徐々に減少。沼津市内にも2019年に「ららぽーと沼津」が開業し、存在感は年々低下していきました。建物の老朽化のほか、イトーヨーカドーが店舗の整理を行っていたこともあってか、2021年8月に営業を終了しました。建物の解体工事はすでに終了しており、駅から近い一等地でありつつ、跡地は広大な空き地になったままです。
何ができるのかという期待や不安が入り交じり続けて、あっという間に5年近くが経過しましたが、ここに来て具体的な話がようやく出てきました。Twitter(X)などで「沼津 イオン」と検索すると詳細な情報は複数出てきますが、イシバシプラザの跡地での工事が今月から始まるようです。今年5月までの予定で、建物の工事に先駆けて土地の造成や隣接する駐車場の撤去工事が行われます。その後、今年5月下旬から来年の9月下旬にかけて、建物の建設工事が行われます。建物は鉄骨造りの2階建てになるそうです。
2.「イオンモール」とは違う「イオンタウン」
沼津に来年秋にも出店するとされる「イオンタウン」ですが、もしかすると馴染みのない方も少なくないのかもしれません。地方に行くとよく見られる「イオンモール」とどう違うのかと思われる方も少なくないでしょう。両者とも同じイオングループのショッピングモールながら、イオンモールの方がより広範囲を商圏としつつ、テナントも娯楽施設も含めて多様なものが集まる一方で、イオンタウンは商圏が狭まり、テナントもより日常生活に特化したもので固められるようです。
コーポレートサイトを見てみると、「地域」という単語が目立ちます。イオンモールのように巨大な建物に店舗だけではなく映画館などのアミューズメント施設も入居させるなど、1日中過ごせるような施設を作って広範囲から大量の集客を見込むものではなく、日常生活に必要な機能を備えた「近隣型SC」を目指しているようです。近隣型SCとして、平常時には必要な商品やサービスを提供しつつ、災害時などには安全・安心に貢献する機能を整備するライフラインとしての役割を担うとしています。また、買い物をする場所だけではなく、環境・社会貢献活動に気軽に参加できる場や、コミュニティの場としての役割を果たしたいともありました。
イオンタウンはすでにお隣の富士市に出店しています。国道一号線沿いにあるイオンタウン富士南は、敷地面積こそイシバシプラザの跡地と比べるとかなり広く、モールとしての規模も大きいのかもしれませんが、お店の雰囲気としては沼津にできるイオンタウンに近い存在と言えるでしょう。1階にはメインテナントとなるマックスバリュの他、ドラッグストアのウエルシアや食料品店などが入り、2階には家電量販店や100円ショップ、書店なども入居しているほか、フードコートも設けられています。イオンタウン富士南のフードコートには、静岡県東部では珍しいバーガーキングが入っています。また、敷地内の別の建物には、スターバックスコーヒーやガソリンスタンド、保育園なども入っています。静岡県東部には富士宮市にイオンモールがありますが、そちらよりは小規模でテナントも日常生活に必要なお店にとどまっている感じではあるものの、普段使いにはちょうど良いショッピングモールに見えます。
3.地域に必要とされる存在になれるか
イシバシプラザの跡地は閉店直後からその行く末が注目されていました。引き続き大型商業施設ができることに期待する人もいれば、アスルクラロ沼津の新ホームスタジアムが欲しいと言う人もいました。前者については、同じ沼津市内にはすでにららぽーと沼津があり、新規に大型のショッピングモールができることは考えにくいという意見も聞かれ、後者についても、周辺の道路の渋滞を考慮すると現実的ではないという見方もありました。そんな中で、地域密着型のイオンタウンが進出することになったというのは、現実的かつ街にとってもプラスになる展開ではないかと考えています。
沼津駅北の高島町や高沢町、新宿町などの地区は、2021年にイトーヨーカドーが閉店して以来、買い物が不便な一帯になってしまっていました。移住にあたって部屋探しをしていた際、物件情報に近隣のお店としてすでに閉店して久しいイトーヨーカドー沼津店の名前があったのを見て、地元の人が跡地の動向に注目している理由がよく分かりました。結局駅の南の賃貸マンションを借りることに決めて、今でもそちらに住んでいますが、もし部屋探しの時点でイオンタウンができていたら、あるいはイトーヨーカドーが存続していたら、間違いなく駅北の物件を選んでいたと思います。
旧市立体育館の跡地は使わず、一方でタイムズの駐車場を潰しつつ静岡銀行を囲むような形で作るのか。2階建てとはいえ敷地は広いし、意外といろんなお店が入るのかもしれない。もう少し早くできていたら家探しで間違いなく駅北を選んでいたかもな… pic.twitter.com/HPOyUS8Evc
— ぷらむ (@417plum) 2025年12月27日
イオンタウンが開店するのはおそらく来年の秋ごろかそれ以降になるはずです。できるお店のインパクトはかつてのイシバシプラザや同じ沼津市内のららぽーと沼津にはかなわないかもしれず、周辺市町から多くの人が押し掛けるような場所にはならないかもしれないものの、地域の方々の生活に寄り添った存在になれるかどうかが目標になるはずです。今は雑草が目立ち大きな水たまりすらできてしまっているイシバシプラザの跡地ですが、早ければ今年のうちに、様子がいい方向へ様変わりしそうです。
▼イシバシプラザ跡地の現況(2025年12月撮影)
