【沼津】沼津駅北「イシバシプラザ」跡地は「イオン」に? 2027年にも開店との報道

1.行く末を案じられていた”駅北の一等地”は「イオンタウン」に

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9月3日に静岡新聞から配信された記事にて、沼津駅北にイオンが進出する見込みだということが報じられました。場所は2021年に閉館となった「イシバシプラザ」の跡地で、同社は「イオンタウン」として2027年ごろの開業を目指すとしています。イオンの担当者は静岡新聞の取材に対して、「出店に向けて準備を進めているのは事実」と回答しており、その情報の確度はかなり高いと考えられます。

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2021年の閉館以来、跡地利用については様々な憶測が飛び交うなど、沼津市民などの間でもかなり注目されていました。3年経っても大きな動きがなく、更地に草が生い茂る光景が広がっており、人通りが減ったことによる周辺地域の衰退も危惧されていました。

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閉館から3年のタイミングで、このブログでも同地について取り上げていました。ネット上では「アスルクラロ沼津」のホームスタジアムの建設を待ち望む声も聴かれており、私自身もそれはそれで楽しそうで良いアイディアだと思っていましたが、「駅近スタジアム」は実現しない方向で話が進んでいるようです。

2.「イオンモール」ではない「イオンタウン」とは?

「イオン」と聞くと真っ先に連想するのは、全国各地にある大型ショッピングモール「イオンモール」でしょう。静岡県東部では富士宮市に「イオンモール富士宮」があります。地方都市の郊外によくみられる業態で、広範囲を商圏とした大型商業施設であり、週末には多くの買い物客でにぎわいます。沼津市とその周辺では、「ららぽーと沼津」や「サントムーン柿田川」に近いものといえます。

対する「イオンタウン」は、イオンモールとはまた違う形態で、少し小規模のショッピングモールです。沼津市のお隣富士市にある「イオンタウン富士南」や静岡市清水区の「イオンタウン蒲原」が例として挙げられます。大きな違いは核テナントで、イオンモール富士宮は中枢となるスーパーが「イオンスタイル」ですが、イオンタウン富士南は「マックスバリュ」となっています。イオンタウンの方がより地域密着型であるとされており、商圏もイオンモールよりも小さいものと見込まれます。

前出の静岡新聞の記事によれば、イシバシプラザ跡地に進出するイオンタウンは2階建てとなり、スーパーやドラッグストアなどが入居するとしています。隣接していた旧市民体育館も解体がほぼ完了しており、そちらを敷地に含むことも考えられますが、イシバシプラザが地上5階地下1階建てだったことを考えると、構想にはまだ流動的な部分がかなりあるとはいえ、規模がかなり圧縮されることが見込まれます。

3.「買い物難民解消」だけではない街の将来像

2021年に閉館したイシバシプラザには、核テナントとして「イトーヨーカドー沼津店」が入っていました。沼津市中心部に位置する大型商業施設としての顔も持ちつつ、駅の北側に広がる住宅地に住む地元の方々の生活に密着した生活インフラのような性格も持っていました。それ故に、閉館後は駅北の高島町や高沢町などを中心に、「買い物難民」の問題が深刻になっていました。それだけに、あと3年後の話とはいえ、駅北にスーパーを核とした商業施設が進出することは、地元にとっては大変うれしい話であると言えるのでしょう。

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イオンの進出が街の将来像に与える影響は、買い物難民の解消だけではなさそうです。沼津駅付近では鉄道高架事業が進められています。高架事業が完了すると、駅の南北を結ぶガードが無くなり、平面かつ広い歩道を有する道路に作り替えられる計画になっています。完成時期こそ相当先ではありますが、駅の南北の行き来が容易になれば、北口の商業施設は駅南からも行きやすいお店になると考えられます。その駅南では、アーケード名店街やマルサン書店の跡地など、商店やマンションが入る再開発ビルの建設が計画されています。沼津市は県外からの移住者が2年連続で100人を超え、2023年は静岡県内で浜松市に次いで2位になりました。そうした中で、沼津駅周辺は住宅地としての需要も伸びているようです。買い物に便利な商業施設の開業は、移住を検討する上でもプラスの作用がありそうです。

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4.何ができても「これでよかった」と思える街に

長らく沼津市民の注目の的だった場所の行く末は、今回の報道の通り商業施設でほぼ決着を見たと考えてよさそうです。商店街への悪影響を懸念する声もあったようですが、スーパーを中心とした商業施設と競合することは考えにくく、中心市街地の人流の変化が、中長期的にはプラスに作用することもあるかもしれません。イオンを核にした街づくりがうまく行けば、かつての姿とはまた違う形かもしれませんが、街の活性化にも繋がるでしょう。

「何を作るか」ということに目が行きがちなところですが、本来それは「手段」に過ぎないと思っていて、「街をどうしたいか」という「目的」の方が重視されるべきだと考えています。「沼津が今後どんな街になるか」ということが見えてきたら、「移住してもいいかな」とか「住み続けてもいいかな」と考える人も増えるかもしれません。少しずつではありますが、街の将来像が見えてきたような気がしますが、どんな街になっていくかを見届けながら、沼津での生活を楽しんでいきたいですね。