【ラブライブ!サンシャイン!!】海辺の町で見つけたのは・・・?【#桜内梨子誕生祭2024】

1.音ノ木坂から来た転校生

桜内梨子ちゃんといえば、大都会の東京から海辺の静かな町沼津市内浦に引っ越してきた、音ノ木坂からの転校生という設定のキャラクターです。東京から世帯ごと沼津に移住するご家庭も決して少なくないようですが、そうであっても大抵は沼津駅の近くか内陸部なので、内浦に移住するというのは思い切りすぎる決断だと思っています。私立の学校の編入とはあまり数は多くないのかもしれませんが、生徒数減少に困っていた浦の星としては大歓迎だったのかもしれません。とはいえ、浦の星も廃校になってしまったため、3年間の高校生活で毎年学校を転々とすることになってしまっていますが、それもそれとしていい経験なのかもしれません。

音ノ木坂から浦の星に転校した、言い換えれば東京から内浦に引っ越した理由としては、「環境を変えてピアノにもう一度打ち込みたい」というものがありました。スランプに陥ってしまったので、自然豊かで落ち着いた環境に移り住むという選択をしたという設定でした。アニメの序盤で「スクールアイドル」に後ろ向きだったのはそのためのこと。ピアノありきで内浦に来たので、それ以外のことは特に何も考えていないようでした。その後、ダイビングなどを通して内浦の自然に触れることでメンタルも少し落ち着いたのか、ピアノにも精力的に打ち込めるようになり、1期11話で描かれていたようなコンクールへの出場も叶いました。

2.μ’sを知らなかった音ノ木坂生

ところで、音ノ木坂から来た梨子ちゃんは、転校先の浦の星でμ’sのことを聞かれても、何も知らないかのような反応を示していました。全国大会で優勝するという輝かしい成績を残したμ’sも、その後は何も残すことなく活動をやめてしまっていたようです。それ故に何も知らないという解釈をすることもできなくはありません。

しかしながら、メンバー9人で東京の音ノ木坂を訪れた際に登場した音ノ木坂の生徒は、μ’sの存在を知っていたようです。上記の優勝後の話も、アニメではそこで明らかにされました。私自身まだ鑑賞できていないのですが、劇場版「ラブライブ!」でもμ’sの存在は音ノ木坂の中で語り継がれてはいるような描写があるとのことで、活動終了後に一切その活躍が忘れ去られてしまったということは、どうやら考えにくいようでもあります。

3.見つけたのは「海の音」だけではなく・・・?

μ’sAqoursと同様、「ラブライブで優勝して学校を廃校の危機から救う」という目的で活動を始めているため、音ノ木坂も廃校寸前まで行ったとすれば、そこまで規模の大きな学校ではないと考えられます。ともすれば、全国大会で優勝した部活の存在を全く知らなかったり、すぐに忘れられてしまったりするといったことは、やや考えにくいことのように思えます。仮に都市伝説レベルになっても、何らかの形で言い伝えられている可能性もあります。

μ’sの存在を知らない音ノ木坂生が校内で梨子ちゃんだけだったということはないのかもしれませんが、とはいえかなり珍しい存在だったのかもしれません。彼女の場合、小さい頃から続けてきた「ピアノ」というものが大きかったが故、周りの話題に少し疎かったのかもしれません。幻日のヨハネのリコちゃんもそうですが、好きなものにはややのめり込みすぎてしまうところがあるのか、それ以外のことには目がいかないということも、なんとなくあり得そうな話です。

ピアノに没頭していたが故に、友達といえる存在ももしかしたらそんなに多くなかったのかもしれません。かなり恥ずかしがり屋なところがあったり、必要以上に謙遜してしまったりすることがあったりするなど、社交的とは言えず人と親密な関係を築いたことがなかったようにも考えられます。

そんな彼女にとって、移り住んだ内浦で思いがけず出会った「スクールアイドル」という存在は、まさに人生を大きく変えたものだったのかもしれません。当初は誘いを断っていたものの、いざ始めてみたらなくてはならない存在になったようにも見えます。スクールアイドルを通して出会ったAqoursのメンバーも、もしかしたらそれまであったことがなかったようなくらい、かけがえのない仲間といえるでしょう。

「会えなかったら 今の私じゃない私 それは寂しい」ソロ曲の「PURE PHRASE」の歌詞からは、そんな気持ちを読み取ることができます。内浦で出会った新しい世界が、気が付いたらなくてはならないものになっていたのでしょう。4曲目のソロ曲「水面にピアノ」では、「愛しい物語を奏で続けよう」「愛しい物語を終わらせはしない」と歌っており、誘われて半ば仕方なく始めたスクールアイドルが、いつしか自ら進んで続けたいと願う存在になっていたと考えられます。

内浦に来た目的は「海の音」だったようですが、梨子ちゃんが内浦で見つけたのは、決してそれだけではなかったはずです。かけがえのない仲間と、仲間と一緒に目標に向かって走っていく時間が、彼女の心情にも変化を与え、アニメの中のようにピアノにもまた向き合えるようになったのかもしれません。スクールアイドルは多くの人に影響を与える存在のようですが、彼女もまた、スクールアイドルでありつつ、そのうちの1人だったと思っています。

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