Aqours COUNTDOWN LoveLive!~WHITE ISLAND~

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Aqoursとしては2度目のオンラインライブ、また初めてのカウントダウンライブであった「Aqours COUNTDOWN LoveLive!~WHITE ISLAND~」が昨年の12月30日・31日に開催されました。また、1月7日までの期限付きで、ライブ映像のアーカイブでの公開がなされているほか、1月4日20時より、アーカイブ配信の同時視聴会が実施されます。

初日と2日目でセットリストが変更されていました。初日の3曲目が「恋になりたいAQUARIUM」だったのに対し、2日目は「HAPPY PARTY TRAIN」と、いつものライブと同じような組み合わせになっていたほか、その他にも曲目や曲順に変更が出ていました。

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今回のメインは何と言っても「デュオトリオコレクションCD Vol.2 WINTER VACATION」の4曲が初披露されたことでしょう。こちらは事前収録映像だったようで、高槻かなこさんが出演を見合わせる中においても、完全体での披露と相成りました。

4曲それぞれの描かんとしている情景を、キャストによるパフォーマンスを通し、初めて目に見える形で吸収できたことが、今回ライブ最大の収穫であると感じています。特に「涙が雪になる前に」と「Misty Frosty Love」に2曲が、パフォーマンスによってその情景がより鮮烈に焼き付けられました。

涙が雪になる前に」の振り付けは、最後のハグだけが注目されているような感じもありますが、その前のところで2人がすれ違うような様子を表現するところもあり、個人的にはそちらとラストとの対比に着目しました。「すれ違い」と「和解」、そしてその間にあった「想い」というものをが、曲を通して描かれているということを、パフォーマンスを通して理解することができました。

テレビアニメ1期9話で描かれていた果南鞠莉の関係ですが、それがより濃く出たのが「涙が雪になる前に」でしょう。歌詞にもそれはわかりやすく出ているのですが、すれ違う振り付けの後にハグという表現を入れたということが、この歌の描写を聴き手により効果的に届けるのだと考えます。さすがにアニメよろしくビンタするところまでは入れられなかったのでしょうが、しかしそれでも振り付けの作りこみが実にうまいと思いました。

Misty Frosty Love」も同じようなものです。こちらはどちらかといえば背景映像の影響が大きいのかもしれませんが、ある種の”冷戦”状態の「ようりこ」カップリングをうまく描き出しているように見えました。 1期11話の終盤に電話で話すまでのあたりの空気感を感じ、それが振り付けにも出ていましたね。よく覚えていないだけかもわかりませんが、2人が真正面に顔を合わせるところ、ほとんどなかったように思います。

曜にとっての「いつもより嬉しそうに見える”2人”」とは、千歌梨子のことを指しているはずですし、あの2人が徐々に距離を縮め、仲良くなっていく様子というのは、千歌の幼馴染たるにとっては、やはりもやもやするでしょうし、目をそらしたくなるものでしょう。曜にしてみれば、”本来その場所にいるべきは自分”であるはずですから。自分にとっての一番の特別な存在が千歌であるように、千歌にとっての一番大事な存在も自分であったはずなのに、それが転校生にとってかわられてしまったという構図に、曜の視点からすれば見えてしまうのでしょう。

一方梨子にとっても、浦の星に転校してきて初めて親しげに話しかけてきたのはおそらく千歌であり、それゆえに梨子にとって高海千歌とは特別な存在であるはずです。それなのに千歌の目には常にを含め自分以外の誰かがいて、そしてみんなに同じように接しているわけで、梨子からすれば、千歌にとっては梨子が必ずしも決定的な「一番」ではないように見えてしまうわけです。どれだけ仲良くなろうと、いつまでも「一番近くになれない」と。

曜からすると、「いつの間にか自分ではなく梨子ちゃんが千歌ちゃんにとっての一番の存在になってしまった」ように見える一方で、梨子にとっては「自分にとっては特別な存在なのに、当の自分はいつまで経っても千歌ちゃんにとっての特別な存在になれない」わけです。この2人は共通して千歌に対して想いを寄せていると同時に、2人ともその思いが相手に届いていない状況にあるのでしょう。その状況において、同じような境遇にあって特に際立って見えてしまう人間をつい意識してしまうはずであるものの、だからといって互いに直視したりあるいは思いをぶつけ合うこともできず、「もやもや」「いらいら」しているはず。言ってしまえば「冷戦状態」にあるといえましょう。「涙が雪になる前に」が、ラストでは結ばれる展開となる一方で、こちらはついにわだかまりを抱えたまま、「・・・伝えたいよ!」とまでは思いつつも、曲中では伝えられぬまま終わってしまいます。叶わないのなら凍ってしまってほしい。空の果てまで消え去って、雪に白く隠してほしい。そんな願いを歌ったのが、この「Misty Frosty Love」です。

そんな描写をリアルワールドに表現したのが、今回のライブでのキャストによるパフォーマンスでしょう。ついに最後まで素直になれない、何も伝えられないという2人の少女の感情を、2人の「職人」により、ステージの上に具現化されたわけです。振り付けだけではなく、細かい動きや表情まで追っていくと、そのレベルの高さに気付かされます。

渡辺曜役の斉藤朱夏さんであれば、元々ダンスが得意であり、それゆえ運動神経も良いようで、アクロバティックな振り付けをも軽々こなしてしまうという印象があるわけですが、例えばCYaRon!の「夜空はなんでも知ってるの?」の間奏においては、曲の切ない描写に合わせた動きや表情などを表現していて、「いやもうこれしか勝たん!!!」ってなってしまうわけですね。それを今回「Misty Frosty Love」で感じた次第です。

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年始のあいさつでも触れた「WHITE ISLAND」ですが、オンラインではあれめちゃめちゃよかったです。会場現地で参加するライブも、そこでしか味わえぬ雰囲気もあり、それはやはり他の何にも代えがたいものであることも確かなのですが、しかしオンラインでカメラからの映像を見ていると、会場ではあまりよく見えないキャストの動きや表情をよく見ることができたり、それに集中してライブを楽しむ頃ができたり、オンラインにはオンラインなりの楽しみがあることを、今回のライブで改めて感じさせられました。

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(公式サイトから画像を転用するわけにもいかないので、沼津駅前の広告にて代用)
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やりそうな曲をなんとなく予想しつつ期待度を高めにしつつ迎えた今回の「WHITE ISLAND」でしたが、大体予想通りの組み立てでありつつ、しかしながらその「濃さ」は予想以上でした。新曲も今年前半は出る見込みであり、かつ(沼津からは少し遠いけど)久しぶりの故郷凱旋ライブも決まるなど、6年目を迎えんとするも、まだまだ勢いはそのままに、これからも我々を驚かせてくれるのだなと確信しました。

リアルタイム配信こそすでに終わってはいますが、チケットはまだ買えます。配信は7日まで、同時視聴会は4日20時から。まだ観ていないという方は是非観てください。オンラインでもAqoursのパフォーマンスのすごさは十分に伝わってきます。

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