【祝】沼津市市制施行100周年 (2023/7/1)

f:id:plum_0417:20230701165823j:image

本日2023年7月1日、静岡県沼津市は、市制施行から100周年という節目を迎えました。

沼津市は1923年に誕生して以来、戦災などを経つつ、静岡県東部における拠点の都市として、存在し続けています。商店街が発達し、デパートが立ち並ぶなど、県東部の商都として栄えたほか、東部地域における静岡県の拠点が置かれる、行政面での中心地としても機能しています。

今なお地域を代表する都市であることに間違いはないと思われるものの、沼津市の現状が必ずしも明るい話題ばかりではないというのも事実です。かねてから人口減少や高齢化が叫ばれており、かつて20万人を超えていた人口は、18人万人台まで減少しています。県外からの転入者が増えているというニュースもありましたが、自然動態での減少幅が大きいらしく、人口減少に歯止めがかかっていないようです。

また、沼津駅を中心とした中心市街地の活気が失われているというのも、沼津市における課題の一つです。かつて複数あったデパートは全て閉店し、商店街にはシャッターが下りたままの店が増えつつあります。また、駅の北側にあったイトーヨーカドー沼津店も、周辺地域に後から進出した大規模な商業施設との競争にさらされるなどして、一昨年8月に閉店しました。

沼津市としてはこれらの課題を解決すべく、移住支援策や中心市街地でのイベント開催などを行っています。市内の企業を巻き込むなどして、沼津市が持つ強みを生かした政策となっており、都市としての活力の維持や向上が喫緊の課題であると考えている様子がうかがえます。

plumroom-0417.hatenablog.com

殊に、ラブライブ!サンシャイン!!を活用した地域振興策は、コンテンツツーリズムの成功例として語られることが多々あります。ラブライブ!サンシャイン!!による沼津市への経済効果は50億円とも言われており、「沼津はラブライブ!の街」として、メディアに取り上げられることも少なくありません。

しかしながら、「沼津市ラブライブ!一本足打法の地域振興に賭けている」という見方もあり、ブームの終息やコンテンツ自体の終了後、ファンが沼津市から離れ、地域の衰退が加速してしまうのではないかという懸念も存在します。8周年を迎えた今なお、スピンオフアニメの放送や新規イベントの開催決定などが相次いで発表されており、ラブライブ!サンシャイン!!Aqoursの展開は当面続くものと考えられますが、それも永遠に続くものとは限りません。「ポストラブライブ!」について、常に考えておくことも必要になってくるのではないかと思います。

とはいえ、沼津市も、ラブライブ!以外での地域振興策を打ち立てていこうとしています。レベルの高い飲食店が多いことが特色として挙げられることが昔から多い街ですが、多くのお店が出展し、それぞれ魅力的な料理などを提供するというイベントも催されています。5月には「ぬまづ港の街BAR(バル)」が開催されたほか、9月には「NUMAZU JIMAN FESTA 2023」の開催が予定されています。「美食の街」として市内外にアピールし、街おこしにつなげようとするイベントです。

www.waterfront.or.jp

また、2023年10月28日・29日には、Sea級グルメフェスタin沼津が開催されることが決定しています。沼津港周辺は漁港としてだけではなく、大都市圏からもアクセスしやすい観光地としても近年では知名度が高まっており、市制100周年の節目の年に、開催都市として選ばれました。グルメだけではない側面でも沼津市の魅力を楽しめるイベントになるとのことであり、沼津市の多彩な面が感じられることも期待されます。

その他、スポーツイベントの積極的な誘致も行っており、合宿地や大会の開催地に沼津市が選ばれることもしばしあります。人が多く滞在することになり、それによる経済効果もあるほか、ニュースなどで取り上げられれば、沼津市の宣伝にもつながります。こうしてみると、沼津市の地域振興策は、必ずしもラブライブ!だけではないと見ることもできるのではないでしょうか。

近年では「アニメの舞台」という側面がクローズアップされることが多い沼津市ですが、特色や魅力はそれだけに尽きないということも忘れてはならない事実であると考えます。多彩な顔を持つ街が、次の100年も、そのさらに先も、輝き続けることを願わんばかりです。