【沼津市中心市街地再開発】どうする駅近一等地?イシバシプラザ跡地と沼津市民体育館を現地調査してみた

沼津駅近鉄道高架事業が本格的に始動したのと同時に、沼津市内のいろんなところで再開発などの話が浮上してきています。具体的な話が度々報じられるのが仲見世商店街で、マルサン書店の跡地を含めた区画において、不動産開発の事業者や商店街の関係者を中心に構想が練られているそうです。また、郊外部では大型店舗が出店するという話も出てきており、こちらも先日話題になりました。人口減少や中心市街地の空洞化が懸念されて久しい沼津市ですが、都市や商圏としてはまだまだ魅力的であり、こうした「景気のいい話」が聞こえてくることも事実です。

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そんなところで気になるのが、2021年8月に閉店したイシバシプラザの跡地。大型の商業施設だったこともあり、解体にはかなりの時間がかかっていましたが、今年に入って解体工事がようやく完了しました。

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2023年9月時点での現地の様子ですが、建物は跡形もなくなっています。強いて言えば、駐車場の舗装がほんの少し残っていますが、営業当時の面影は全くありません。

この場所が将来的にどうなるのかという話も、色んな噂があるということは聞いていますが、具体的にどうなるのかという話が表立った形で出てきたことはありません。現状有力視されているのは、イシバシプラザのような商業施設が建つという話です。地元の方からの確度の高い話として、食料品店を核としたショッピングモールができるという噂が、現時点では一番ありえそうな話として取り沙汰されています。

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一方、イシバシプラザに隣接される形であったのが、沼津市民体育館です。1973年に開設されて以来、半世紀にわたって沼津市民に親しまれていた体育館ですが、施設の老朽化が進み、市役所の近くに建設された沼津市総合体育館に置き換わる形で、2023年2月末をもって閉館しました。

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閉館から半年以上が経った2023年9月時点では、建物は閉館当時の状態で残っていました。ただし、こちらも近日中には建物の解体工事が始まる様子で、1年後にはイシバシプラザ同様更地となる見込みです。

こちらについても、この場所が将来的に何になるのかという話はまだ全く見えていません。もっとも、閉館からまだ間もないということもあり、それも無理もない話ではあるのですが、こちらも駅からさほど遠くない場所である以上、更地のままというのは非常に勿体ないものです。隣接していることもあり、イシバシプラザの跡地と市民体育館の跡地をセットで再開発することも考えられます。当然ながら、その方が広い土地を確保できるため、商業施設にしても何にしても、大型でよりコンテンツ性のあるものができるとも言えます。

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しかしながら、そこでふと浮かんでくるのが、同じ区画にある静岡県の東部総合庁舎と労政会館の存在。こちらに関しては移転などの話は現時点では特にありません。こちらの場所も含めれば、正方形に近い土地を確保できるため、土地の使いやすさや建物配置のしやすさなどでよりいい場所になるのかもしれませんが、行政機関を安易に撤去することは全くもって非現実的であり、また地域における公共交通機関の便が比較的良い沼津市の中心部にあるということは、行政機関の役割を踏まえると重要なファクターとなるはずであるため、移転するにしても場所はどこでもいいというわけにはいかないものです。

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何らかのヒントになりそうなのが、「沼津市中心市街地まちづくり戦略」です。2020年3月に策定されたこの計画は、沼津駅の高架化により変化する街の環境に合わせて、どんな街を作っていこうかという計画です。

その構想の中で考えられているものとして、沼津駅から比較的近くにある、現在JRの車両基地が所在する土地の活用方法として、「市役所や広域的な医療施設など、まずは市民の利便や拠点形成に資する公共公益施設の導入を検討」するとしています。沼津市役所にせよ沼津市立病院にせよ、沼津駅からは少し離れた場所にあるため、駅から近い場所に土地が確保できるタイミングを見計らって、そうした施設を集約しようというところでしょうか。

何をどうするかという話は一切出てきていませんが、そのタイミングで県の総合庁舎や労政会館も行政機関の1つとして現在地から移転することも考えられるはず。そうすれば、あの一帯をより広く使えることになるはずなので、より色々なものを集積できるようになるのかなと思うところです。

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駅からほど近いところにできた空き地ですが、地元の方々と話をしていても、「人が集まるきっかけになるものができてほしい」という声が聞かれる場所であり、多くの方が注目されていることも事実であるはずです。いつまでも空き地のままというのは非常に勿体ないというのも事実ですが、折角の一等地ゆえ、有益な活用方法のため、様々な視点での議論がなされた方がいいのかなとも考えています。思っている以上の時間がかかってしまうのかもしれませんが、どうなるのかを楽しみにしつつ、沼津の街や人々のためにも、後世まで形に残りかつ利益をもたらしうる使われ方をしてほしいなと思うばかりです。