祝 Aqours 7周年 「沼津」という決してブレない軸こそ、Aqoursの最大にして最強の長所

2022年6月30日で、Aqoursは活動開始から7周年を迎えました。

Aqours CLUB 2022」と「無限大WORLD☆プロジェクト」も、同日をもって無事始動。8月には沼津でのファンミーティングの開催が決定しており、7周年イヤーは序盤から楽しみなイベントが予定されています。「無限大WORLD」と銘打っているものの、”沼津”と”ヌマヅ”を舞台に無限大な展開をしていくとしており、より「沼津発のスクールアイドル」という、他のシリーズにはない特徴を前面に出していくのかと思われます。

アクティブな状態で7周年を迎えたスクールアイドルはAqoursが初めてとなります。後発2グループの活躍ぶりも目立ち、秋には第5弾となるプロジェクトの始動も予告されていますが、アニメ作品の展開やライブイベントの開催がすでにアナウンスされているなど、後輩たちに勝るとも劣らない勢いで進み続けています。

私がお世話になった人の言葉で、「一秒先に生きる者は、一秒後に生きる者に一秒後の世界を伝える義務がある」というものがあります。今のラブライブ!シリーズにおいては、μ’sという存在はあっても、Aqoursは「一秒先に生きる者」であるはずで、「一秒後に生きる者」へどんな影響を与えられるかということが、今後のラブライブ!シリーズ全体の更なるレベルアップにつながるのではないかと考えます。先日発表された「幻日のヨハネ」のアニメ化決定の件は、劇場版までの一通りの展開が終わっても、動く姿を見ることができることの可能性を示した例であり、これは後発のグループやそのファンにとっても嬉しい知らせであるはずです。また、劇場版公開からすでに3年半が経過した今なお、楽曲やライブイベントにて十分すぎるくらいの展開を見せており、こうした点も、「ラブライブ!はアイドルアニメの世界に囚われない」というスタンスを確立しつつあるのではないかと感じています。

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活躍開始から7年が経過し、沼津の街の様子も変わりつつあります。一番大きかったのは今年5月末の「マルサン書店 仲見世店」の閉店。アニメにも登場しラブライブ!関連の書籍の取り扱いも充実していたお店でしたが、建物の老朽化等で閉店を余儀なくされました。南口にあった富士急ビルも、すでに解体されて跡地は駐車場になっています。

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10年以上にわたりストップしていた沼津駅付近の鉄道高架化事業も、今年度から第一段階の貨物駅移設工事が本格化しています。今後10~15年くらいの時間をかけて、沼津駅周辺の町の様子が大きく変貌していくことになり、アニメにも何回か登場している駅舎や木製の柱が特徴的なホームなども、いずれは姿を消すことになります。狭隘なガードや有料の跨線橋(駅構内)、踏切などが姿を消し、交通の円滑化が図られる一方、馴染みの風景が大きく変わっていくことも確かです。

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「DREAMY COLOR」の「セカイはいつだって回ってる だから僕らの景色も変化して この瞬間も いつか思い出になるの?」「ミライの色が変わる 変わってもきっと 僕らの想いは変わらない 伝えたい想いがある 」というような歌詞のように、たとえ景色が変わっていっても、気持ちまでは変わらないというのがAqoursの沼津への想いなのかもしれません。全体を通して「DREAMY COLOR」のためのライブだったと言えるであろう「DREAMY CONCERT」の幕間アニメは、10年後の自分たちに向けて手紙を書くという話でした。10年も経てば街の様子も自分たちの境遇も変わっていることは確かでしょうが、それでも「今の気持ちをずっと持っていたいし、忘れないでいたい」という思いでいたのかなというところで、そうしたことを伝えたかったのが「DREAMY COLOR」であり「DREAMY CONCERT」であったのではないかと考えます。

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そんなAqoursだからこそ、どんなに世界規模で活動範囲が広がっても、「沼津」という土地からは絶対に離れないとも言えそうです。「みんな帰る場所をココロに持とう それは自分で決めちゃいな 帰る場所をココロに持とう だいじな場所」という「JIMO-AI DASH!」の歌詞がそれで、どんなに遠くに行っても、自由に飛んで行っても、帰る場所はいつだって沼津で、それはどうなろうとブレないという意思の表れなのかなと考えます。7周年が「無限大WORLD」でも、あくまで中心は「沼津」であり続けるというのは、Aqoursの軸はいつでも沼津にあり続けるからということでしょう。

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Aqoursのかくしたスタイルゆえか、沼津に行くと他のラブライブ!の舞台の街以上に、スクールアイドルが実在するかのような雰囲気を感じられる瞬間があるように感じます。初めて沼津に行った時に訪れた欧蘭陀館さんややま弥さんなど、曜ちゃんや花丸ちゃんを「わが子」のように扱っているような感じすらあって、「アニメの聖地」っぽいものがちょっとあるくらいに考えていたら、良い意味で衝撃的だったという覚えがあります。当時はまだ3周年かその辺だったかと記憶していますが、その時点ですでにそうとうな浸透度合いだったはずです。

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西浦にある海のステージさんに行った時にもかなり衝撃を受けた覚えがあります。年配のオーナーさんが「スカンジナビア号」の思い出話をしてくださるだけではなく、スカンジナビア号Aqoursには表には出ていない縁があるのではないかという話を、我々が振らずとも行く度にオーナーさんの方からいっぱいしてくれます。海ステさん自体は地元の方々が多いお店なのですが、そんなところでも「Aqoursは沼津に生きている」ということを感じさせてくれるというのが、沼津の地にAqoursが深く根付いているのではないかと感じさせる理由です。

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ここまでAqoursが沼津に根を張り、「沼津のスクールアイドル」として存在することができるのか考えると、「コンテンツ制作陣の緻密なロケとそれを踏まえた作り込み」と「関係者の沼津に対するリスペクト」が、その理由として挙げられるのかなと考えます。

アニメの脚本の作りに関しては賛否両論あるものの、作中における沼津や内浦の街並みや海の描写に関しては、実際に現地を見たファンの多くが「アニメで観たものとほぼ同じ!」と言うレベルの作り込みです。また、「幻日のヨハネ」でも、作風に合わせて風景描写はかなりアレンジされているものの、よく見ると現実の沼津の風景がもとになっていることが良くわかります。アニメとはいえ、「沼津っぽいところ」を描こうとしたのではなく、「沼津」そのものを2Dの世界に構築しようと常に試みていることが伺えます。

 

沼津に対する思いの強さは、他作品の舞台への思い入れ以上のものではないかと考える次第です。刊行物や動画等での「沼津」の登場回数は計り知れないことはさることながら、キャストの沼津への思いも相当強いのかなと感じることが多々あります。伊波杏樹さんなんてその最たる例で、ライブの最後のあいさつでは必ず、ラブライブ!サンシャイン‼とAqoursだけではなく、沼津のことにも欠かすことなく触れています。

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かくした姿勢こそが「沼津にAqoursがあり続ける理由」であり、「Aqoursが7周年を迎えられた理由」であると考えます。ラブライブ!に限らず、アニメやスマホゲーム等を中心とした二次元アイドルコンテンツは毎年のように新しいものが生まれる激戦カテゴリーではありますが、そんな中で7年間も存在し、かつ高い人気を維持し続けられているというのは、「ブレない軸」と「変わらない思い」の必然的な結果であると言えるでしょう。キャラクター設定やライブにおけるパフォーマンスこそ他コンテンツにもある程度はマネできても、こればかりは再現が容易ではないはずです。

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ラブライブ!史上最も長期間にわたって活動を続けるAqours。「先を生きる者」として、パフォーマンス以外の面でも、「後を生きる者」へ全てを伝え、ゆくゆくはラブライブ!全体のレベルアップにつながる活躍を見せてほしいというのが、私からの一番大きな願いです。EXTRAライブや沼津でのファンミーティング、4年ぶりのアニメ作品に留まらないであろう7周年イヤーが、今はとても楽しみです。