特急踊り子”修善寺編成”、E257系化後も存続へ 駿豆線内は”特急料金”を設定

全列車E257系化で「全ての座席が指定可能に」、一方で乗り得列車は”消滅”へ

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JR東日本は去る11月12日に東海道線特急・ライナー列車の刷新を発表しました。

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(今年3月撮影)

来年春より全ての列車を「リニューアル車両」こと、中央東線総武本線等の特急列車向けだったE257系を改造した車両とし、従来の185系定期列車から撤退することとなります。E257系による新しい踊り子の運行区間東京・新宿~伊豆急下田東京~修善寺とされ、一部では185系引退に合わせて廃止が噂された修善寺編成が、E257系化後も存続することが、正式にアナウンスされた形です。

plumroom-0417.hatenablog.com

(↑以前「修善寺踊り子」について書いた記事です。)

ライナーについては、湘南ライナー」「おはようライナー新宿」「ホームライナー小田原を全て廃止し、新たに運行を開始する特急列車湘南に置き換えるとしています。

また、「踊り子」と「湘南」について、全ての座席を指定席とし、「指定席特急券の他、「座席未指定券」の発売を新たに開始すると発表しました。すでに導入されている他路線同様のサービスで、乗車前であれば座席未指定券から追加料金なしで座席の指定を受けられるというものになっているほか、閑散期・通常期・繁忙期の区別を廃止し、年間通して同じ特急料金に変更されます。

併せてえきねっとチケットレスサービス」も導入されます。普通車・グリーン車共に通常の事前料金から100円引きとなるほか、2021年9月30日までは、「『えきねっとチケットレスサービス』START記念キャンペーン」が実施され、普通車限定でチケットレス料金は300円引きとなります。例えば、新たな料金体系において、品川~熱海間の普通車は通常の事前料金で1,020円となりますが、チケットレスサービスを利用すると100円引きの920円となり、来年9月30日までのキャンペーン期間中は300円引きの720円となります。同区間普通列車グリーン車を利用すると、グリーン券の事前料金は平日1,000円・土休日(ホリデー)800円であるため、キャンペーン期間中であれば、普通列車グリーン車のホリデー料金よりも特急列車の指定席の方が安いという逆転現象が起こる見込みです。車内販売の有無という点では普通列車グリーン車に軍配が上がりますが、E257系はリニューアルに際し窓側席にコンセントを設置しているという設備面でのアドバンテージもあり、あえて特急列車を選ぶ理由も出てきたように見えます。*1

www.jreast.co.jp ←参考

今回の車両更新と料金体系変更に合わせて、伊豆箱根鉄道でも、新たに特急料金を設定すると発表しました。

伊豆箱根鉄道(2020)ニュースリリース 特急踊り子号車両更新に伴う駿豆線内特急料金の設定について 2020年11月12日

http://www.izuhakone.co.jp/railway_news_20201112.pdf

news.mynavi.jp

現在、駿豆線内(三島~修善寺間)のみで特急踊り子号に乗車する場合、自由席であれば追加料金なしで利用することができます。かつて走っていた快速列車が廃止されてから取られている措置であるはずであり、こうした制度となっているゆえ、駿豆線内における特急踊り子号が、「東京・横浜方面からの直通列車」である以外に、駿豆線内における速達列車」という役割も担っているともいえるのでしょうか。

これが、来年春の車両更新に合わせて、駿豆線内で一律200円(大人料金、子供は100円)の特急料金が新たに設定されます。先述の通り、料金体系の変更により自由席が無くなるための変更といえるでしょう。

JR線にまたがって乗車する場合には、駿豆線内とJR線内の料金の合計額がかかります。修善寺から東京まで乗車する場合、新しい料金体系における特急料金は、駿豆線内の200円と三島~東京間の1,580円を合計した1,780円(事前料金)となります。現行の指定席特急料金は1,970円(通常期)であるため、新しい料金体系では190円安くなることになります。

www.jr-odekake.net

なお、自由席を利用した場合には、530円引きの1,440円(通常期)となるため、それと比べれば金額こそ上がります。それでも、従来よりも安く座席の指定が可能になると考えれば、さして大きな値上げとは言えないのではないかと考えます。また、チケットレスサービスを利用すれば、その差は縮まるはずであるため、そこまでの負担増には見えないというのが、私の個人的な見方です。

もっとも、趣味的な話をすれば、駿豆線内における「乗り得列車」が無くなるというのは、少し残念な気もしなくはないものではあります。各駅停車が遅いわけでもなく、途中駅での追い抜きもないため、実用面では感じるマイナス面は特にないといえば、それも事実ではあるのですが。ちなみに、駿豆線内のみで乗車する場合には、チケットレスサービスは利用できないとのことです。となるといよいよ駿豆線内だけでは乗らなくなりそうな気がしますね…。

「全車指定席化」というところがかなりネガティブに受け止められているようですが、気軽に乗れるチケットレスサービスの導入特急料金がかなりお得になる記念キャンペーンの実施など、ユーザーとして歓迎できるものも多くあるようにも思えます。区間や曜日によっては普通列車グリーン車よりも安く乗車することができ、その上座席も指定できるわけですから、このあたりは使い様なのかなというところなのでしょう。

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(昨年8月撮影)

来年春の「定期列車からの撤退」に向け、185系葬式鉄も、春先にかけて増えていくものと思います。もっとも、185系「定期運用を終了」するとのみ案内されており、「臨時列車など一部の列車は、編成が異なる場合があります」という文言もあることから、季節によっては185系の出番も残るのかなとも思えるものです。185系よりも個人的に注目しているのは、駿豆線の駅で買える自由席特急券でしょうか。

今回はここまでです。お読みいただきありがとうございました。

*1:サフィール踊り子」はチケットレスサービスの対象外