《2/9更新》【沼津・内浦】あわしまマリンパークが2024年2月25日をもって「閉園」へ (2024/1/27の様子 他)

2/9更新:2月9日に発表された閉園日延期(2月12日→2月25日)の情報を反映しました。今後新しい情報が明らかになった際には、記事の内容については随時更新していくこととします。最新情報の反映には、筆者の他の予定の合間を縫って対応していくため、記事の内容が最新の情報と一致しないことも想定されます。また、今後のあわしまマリンパークの動向次第では、本記事の公開を一時停止するか、場合によっては記事を削除する場合があります。可能な限り即時に対応し、最新の情報へのアップデートを進めますが、予めご承知おきください。)

1.あわしまマリンパーク、突然の閉園を発表

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1月22日、沼津市内浦の淡島にあるあわしまマリンパークは、2024年2月12日をもって閉園することを、公式Twitter(X)などにて発表しました。

閉園の主な要因としては、前身の「淡島海洋交園」の開業から約60年が経過して施設の老朽化が進み、営業を継続することが困難になったということを挙げています。新型コロナウイルスの感染拡大による来場者数の減少や運営会社が関係する金銭トラブル、また燃料代の高騰などが重なった結果、施設の修繕が困難な状況になってしまったとのことです。

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残りの営業期間がわずか3週間というタイミングでの発表ということもあってか、Twitterなどのネット上は騒然としました。運営会社による金銭トラブルがかねてより広く報じられていたこともあり、運営会社の方針などを批判する声も聞かれました。しかしながら、マリンパークの館長さんなどが、存続に向けた糸口を模索するようなことにも言及しており、ラブライブ!サンシャイン!!のファンのみならず、地元の方々にも長年にわたって親しまれてきた水族館として、願わくば存続してほしいという意見も散見されつつあります。

閉園発表以降、あわしまマリンパークにはラブライブ!のファンだけではなく、長年にわたって親しんできた方々が多く訪れ、平日も含めていつも以上の混雑となっているようです。混雑の影響はすでに営業面でも出ています。当初2月5日(月)から2月9日(金)の5日間にわたって予定されていたメンテナンス休園は、2月7日(水)の1日のみに変更となりました*1。園内にある飲食店「うみねCafe」は、1月27日(土)の営業で一時食材の在庫が尽きてしまい、翌28日の営業を休止する事態になりました*2。さらには、2月10日(土)から12日(月・祝)に予定されていた、松浦果南ちゃんの誕生日記念イベントのうち、「周遊クルージング」については、あわしまマリンパークや淡島ホテルへの送客を優先するため、開催を延期することが決まっています。代替日程は未定ながら、決まり次第告知するとしています。

1-1.(※2月9日更新)閉園日を2月25日に延期

あわしまマリンパークは2月9日、1月22日に閉園を発表して以来、来場者数が予想を大幅に上回る日が続いていることなどを受け、閉園日を2月25日(日)に延期することを発表しました。2月13日(火)は閉園日としつつも、約2週間の延期が図られた形です。しかしながら、これが最大限の延期であり、現時点であわしまマリンパークを訪れることができる最後の機会であるともしており、より多くの人に楽しんでほしいとしています。

また、閉園日の延期に合わせて、訪問日程の再検討も呼びかけています。2月10日(土)が「ラブライブ!サンシャイン!!」に登場するキャラクターで、淡島との関係が特に深い松浦果南ちゃんの誕生日であり、10日からの3連休に誕生日に合わせてバースデーイベントを開催することを閉園発表前から予定していたことから、バースデーイベント以外の目的で来園する方に対し、来訪日程を調整してほしいとしています。また、バースデーイベントの開催日に限らず、土日や祝日には早い時間にチケットの販売を終了することもあるとし、その旨をあらかじめ理解したうえで来園してほしいと呼びかけていました。

2.淡島が今の姿になった歴史

自然溢れる無人島だった淡島は、半世紀以上の時を経て今の姿になりました。アニメの舞台や沼津市内でも有数の観光地として人気を集めつつも、その歴史は平坦なものではありませんでした。筆者が把握しうる範囲で、淡島の歴史をまとめました。

①孤島の淡島がリゾート地と化した歴史

海底火山の活動で生まれた淡島は、太平洋戦争中に海軍の施設が置かれたり、終戦直後より少数の漁業従事者が生活したりしていましたが、長らく無人島として存在していました。そんな淡島に、最初に転機が訪れたのが1963年のこと。高度経済成長期のさなかにあって、沼津市内浦におけるレジャー施設として、「淡島海洋交園」が開業しました。対岸の重寺地区とはロープウェイで結ばれており、そちらは日本では珍しい海上のロープウェイとして、2008年まで稼働していました*3*4

更に時代が進んで、1980年代になると、淡島は「リゾート地」としての性格を帯び始めます。かつて第二地銀として存在した「東京相和銀行」の創業者・長田庄一氏(1922~2010)により、島全体をリゾート地にするような開発が始まります。1984年には、淡島海洋交園は現在の「あわしまマリンパーク」と改称し、水族館のほか、釣堀などを併設した施設になりました。1980年代は、特に後半には「バブル」とも言われるような経済情勢となり、全国各地でリゾート開発が活発に行われました。その波が、風光明媚な沼津の海に浮かぶ孤島・淡島にも押し寄せてきたのです。

バブル期における淡島開発を象徴するのが、1991年に開業した「淡島ホテル」です。ご存じの方も多いとは思いますが、淡島ホテルは全ての客室がスイートルームとなっているほか、館内には絵画などの芸術品が並んでいるそうです*5。その上、開業当初の淡島ホテルは会員制で、諸外国の首脳などのVIPも、オーナー企業の接待にて滞在したこともありました。

かくして、自然豊かな無人島だった淡島は、沼津市民や観光客にとってのレジャー施設となっただけではなく、VIPも訪れる高級リゾート地としての顔も持つようになりました。内浦地区に留まらず、沼津市にとっても重要な観光資源になり、西浦地区の「スカンジナビア号」などと合わせて、西伊豆でも指折りのリゾート地を形成する存在となりました。

②「ラブライブ!サンシャイン!!」が淡島にも来た!

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沼津市南部の内浦地区が、「ラブライブ!サンシャイン!!」の舞台になることが明らかになったのが2015年のこと。沼津市立長井崎小中一貫学校*6が「浦の星女学院」のモデルになったり、内浦三津の伊豆三津シーパラダイスが「恋になりたいAQUARIUM」のPVに登場したりするなど、地域一帯がAqoursゆかりの地となりました。

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淡島も例外ではなく、淡島に建つ「淡島ホテル」は、小原鞠莉の家族が経営する「ホテルオハラ」に、あわしまマリンパークにある「カエル館」は、松浦果南の家と家族が経営するダイビングショップになりました。淡島ホテルでは、ホテルオハラの部屋の雰囲気を再現した部屋とそちらへの宿泊プランが設定されていたり、カエル館の外にはウエットスーツやボンベが飾られてダイビングショップのような雰囲気が演出されていたりしています。

その他、前述した「恋になりたいAQUARIUM」に収録されたドラマパートにも、あわしまマリンパークが登場しました*7。また、昨年テレビアニメが放送された「幻日のヨハネ」にも、淡島が「ワーシマー島」として登場し、淡島ホテルは魔王・マリの館になったほか、あわしまマリンパークでも飼育されているウミウシがマリのペットのような存在として登場するなど、あわしまマリンパークがある淡島は、アニメの舞台として重要な場所となりました。

2015年にラブライブ!サンシャイン!!がスタートして以来、これまでに多くのファンがあわしまマリンパークを訪れてきました。キャラクターの誕生日には多くの人が沼津を目指してきますが、特に淡島にゆかりがある2人の誕生日には、淡島は賑わいを見せてきました。あわしまマリンパークでは、島へのアクセスを担う船を利用し、誕生日限定の内浦湾周遊などを行うなど、ファンサービスも旺盛でした。

③思わぬトラブルと近年の苦境

しかしながら、近年のあわしまマリンパークを取り巻く環境は、決して明るいものではありませんでした。淡島ホテルの開業からほどなくして、バブルは崩壊。淡島の大開発を手掛けた東京相和銀行も、1999年に破綻しました。淡島ホテル自体は、銀行のオーナー一族による経営が続いていましたが、「失われた30年」とも言われるような経済情勢だったこともあり、経営状況は芳しくなかったようです。

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それが表面化しはじめたのが、テレビアニメ2期の放送が終わった後の2018年のこと。当時ホテルを運営していた「株式会社淡島ホテル」が、名古屋市にある保証事業会社「オーロラ」に買収されました。淡島ホテルの営業は別会社へと引き継がれたのち、2019年12月には、株式会社淡島ホテル(「AWH」に改称)の破産手続きがスタートしました。

その破産手続きが、やがて刑事事件に発展します。2021年9月、「AWH」の破産手続きに際し、同社の財産を債権者の不利益になるように処分したとして、「オーロラ」社の社長ら5人の関係者が、破産法違反(詐欺破産)の疑いで、静岡県警に逮捕されました。この事件では、「AWH」の借地権を日付をさかのぼって解約し、無償でグループ会社の淡島マリンパークに譲渡させるなどして、引き続きホテルを運営し続けようとしたとされています。淡島ホテル自体については、従業員の方々が設立した会社に運営が引き継がれ、今日に至っています。

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一方、あわしまマリンパークは、一連の事件で思わぬ影響を受けてしまうことになります。債権者の方が社債償還を求めた訴訟に際し、淡島へと渡る小型船舶3隻が差し押さえられてしまう事態になってしまいました。そのうち1隻は「淡島への交通手段確保」という理由で、差し押さえられた状態で運行されることになりましたが、故障や混雑への対応も考慮すると、極めて難しい状況になってしまったことも事実です。

加えて、2020年に発生した「新型コロナウイルスの感染拡大」も、あわしまマリンパークに大きな打撃を与えました。緊急事態宣言の発出等、旅行や外出の自粛が求められた結果、観光客数が激減しました。規制緩和が進んでからは、徐々に客足が戻っていく傾向にあったようですが、それでも「コロナ禍」前の水準には届きませんでした。さらには物価高による飼料代や船の燃料代の高騰もあり、経営を圧迫する事態になりました。もとより施設の老朽化が進み、大規模な改修が必須の情勢となってしまったところ、その余力も見込めないということから、今回の「閉園」が決まったという経緯でしょう。

2.「閉園」発表後最初の週末の様子(2024/1/27)

閉園の報せに接したのち、筆者も行こうか行くまいか迷ったものの、沼津へ移住してからゆっくり行こうかと思っていた故、混雑を覚悟で行ってみました。訪問したのは1月27日のこと。その時の様子をまとめました。

①淡島へのアクセスだけでも大混雑

あわしまマリンパークの開園時間は午前10時ですが、閉園直前の駆け込みで混雑することは目に見えていたため、時間に余裕を持ち「開園1時間前」の午前9時にチケット売り場へ到着到着することを目標として行動を開始しました。カーシェアリングを利用することも検討しましたが、駐車場の混雑が見込まれたため、路線バスを利用しました。乗車したのは午前8時30分に沼津駅を出る、東海バスの西浦線木負行きです。

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駅前のバスターミナルに着くと、写真は撮り忘れてしまいましたが、JR東海コラボのラッピングバスがいました(写真は別日撮影)。これは運がいいと思いきや、なんとバスはすでに満員。これは次の9時30分発まで待つことになったと、行程が崩れたなと思っていたところ、程なく普通の塗装の東海バスが乗り場に入線。そちらに難なく乗ることができました。信号待ちにより、途中で離れてしまったものの、先行するラッピングバスに追走する形で、バスはあわしまマリンパークの対岸、内浦重寺地区へ向かいました。

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バスは沼津アルプスへの登山客も乗せつつ、30分ほどで重寺バス停に到着。マリンパークバス停よりも、こちらの方が運賃が安くなるそうです。東海バスさんには申し訳なく思いつつも、そちらの「ライフハック」を発動。1つ前のバス停とはいえ、あわしまマリンパークのチケット売り場までは歩いてすぐです。f:id:plum_0417:20240129181105j:image

到着したのは午前9時10分ごろ。「この時間ならもしかしたらまだそんなに混んでないかもしれない!」と思っていたものの、チケットを買い求める人の列はすでにデコレーション工房の前まで伸びていました。

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その後、9時30分ごろにチケットを購入し、乗船を待つ列に移りました。このころにはすでに駐車場が満車になっており、開園時間にはまだなっていないものの、駐車場から出ていく車も見られました。引き返していく車が多数いたせいなのか、駐車場の前を走る県道17号線は、沼津市街方面の車線が渋滞していました。この時は目視で確認できなかったものの、西浦・土肥方面も激しく渋滞していたのかもしれません。また、この日の島への渡し船は2隻体制となっており、多客対応モードになっていることがうかがえました。

淡島への上陸を果たしたのが、午前10時過ぎのこと。バスを降りてから約1時間でした。「開園1時間前に着いて、良くてほどほどに並んで10時くらいに入れるだろう」と踏んでいたところ、おおよそその読みの通りになりました。とはいえ、この日は「閉園」発表以来初めての週末であり、多くの人が淡島を訪れていたことは容易に想像できます。混雑はあわしまマリンパークの従業員の皆さんにとっても想像以上だったようです。午後0時半には、この日の入園を締め切る旨の告知もなされました。

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②島の中も「いつもの週末」より違う賑わい方

10時過ぎに上陸した時点では、島の様子は想像していたよりも平穏に近いと感じました。船でしか上陸できないゆえ、チケット売り場が長蛇の列でも、島に人が一気に殺到するということがないというのが、淡島の特徴でしょう。水族館の建物内も、人混みで身動きが取れないということはそれほど感じず、想像していた以上にゆっくりと展示を見ることができました。「次登れるのがいつになるかわからない」ということで、淡島神社にもおそらく5年ぶりくらいに行ってみましたが、参道の混雑も想像していたよりも激しくはありませんでした。外周の遊歩道も含め、ひとたび島に入れば、混雑はそれほどではなかったというのが、この日訪れたところでの感想です。

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とはいえ、いつもより人が多く感じた場面が多々あったことも事実です。レストランやショップなど、人が一定時間以上滞在する場所については、混雑や長時間の待ち時間が生じていました。

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この日は離宮さんにて「Aqours丼」をいただきましたが、列に並んでから入店まで、約1時間かかりました。食事を済ませたらすぐに出るという人も少なくなかったのですが、それでも待ち時間はかなり長く、お店の方もかなり忙しそうに見えました。うみねcafeさんもかなり激しい混雑となっており、園内で食事をとられる際は、かなりの時間を要することを想定するのがよさそうです。島内の土産物店についても、近くを通りがかっただけではありますが、いつもよりもずっと混んでいるように見えました。

③帰りの足も、ちゃんと考えておいた方がよさそう

いつも以上にゆっくり滞在しつつ、これ以上は帰りの足に響きそうだと思い、午後2時台には淡島を後にしました。帰りの船もこの時間からかなり混雑しており、1度見送ったうえで島を離れました。

島を離れて重寺側に戻り、沼津駅方面へと戻ろうとしたのですが、マリンパークバス停には、その様子を写真に収めるということはしなかったものの、バスを待つ人だかりができていました。現地の様子を見てはいませんが、1つ先の重寺バス停についても、おそらくバスを待つ列ができていたのかもしれません。

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バスをあきらめてタクシーで沼津駅まで出ることにしました。乗船口近くには、伊豆箱根交通さんの看板が立っており、電話にてタクシーを呼ぶことができます。この日の15時前の時点で、電話においては最短で15分ほどと案内されましたが、実際にはそれよりも少し早く、おそらく5分か10分ほどで来ました。

ただし、沼津市街と内浦地区をつなぐ唯一の幹線道路である国道414号は、いつもなら島郷橋より北から渋滞が始まることが多いところ、この日はそれより手前から流れが明らかに悪くなっていました。運転手さんの判断により、御用邸記念公園付近から海側の松林の中の細い道を迂回することになりました。迂回込みではありますが、あわしまマリンパークから沼津駅南口までの料金は約5,000円でした。1人の場合は確かにかなり高くついてしまうものではありますが、バスの混雑具合が読めないゆえ、タクシーも有効な選択肢であると言えそうです。

なお、今の季節は日没が早いため、帰りの運転には十分注意する必要がありそうです。国道414号は、民家や崖、堤防などに挟まれている箇所も多く、日陰になるので早い時間から暗くなってしまう箇所も多くあります。また、渋滞を回避できそうな道は細い箇所が多いため、慣れない方は通行を控えた方が良いでしょう。

また、沼津駅から淡島がある内浦を結ぶ東海バスの西浦線は、平日でも激しい混雑になる可能性があるとの情報もあります。毎時1~2本の定期便に加え、臨時便も適宜出すことで対応しているようですが、乗り切れず次のバスまで待つということもあり得ます。時間には十分余裕を持ち、タクシーや伊豆箱根バス*8までなど、他の交通機関を利用することも検討した方がよいでしょう。

④これから淡島に行くのであれば、是非とも留意すべきポイント

  1. 1日がかりになることを想定した行程をあらかじめ組んでおく
  2. 可能な限り自家用車は避けて公共交通機関を利用する
  3. 特に食事や買い物はいつも以上に時間を見積もる
  4. 帰りの時間には余裕をもっておく
  5. 従業員の皆さまへの敬意を忘れずに

これからあわしまマリンパークを訪れる際に、これだけは留意すべきというポイントを、上記の通りまとめました。いつも以上の混雑となっているため、時間と心に十分余裕をもって訪問するべきだと感じました。

2.については、あわしまマリンパークの駐車場の台数には限りがあり、早い時間から満車になることが相次いでいるため、バスやタクシーで向かう方が確実であると考えます。他の水族館や飲食店、商店などの周辺施設への駐車や道路上や民家の前への違法駐車については、あわしまマリンパークの公式Twitterでも絶対にやめるよう告知がなされています。

5.を挙げさせていただいた理由は、あわしまマリンパークの公式Twitterでも投稿されていましたが、駐車場での誘導に当たっていた従業員の方を罵倒するという、考え難いほど失礼極まりない行為があったということがあります。どんな人が、誰がやったという問題ではなく、いわゆる「カスタマーハラスメント(カスハラ)」にもあたる行為であり、どのような背景があっても、絶対に起こってはならないことでしょう。閉園告知後の混雑の中、従業員の皆さまも全力で業務に当たられていることは、先日お伺いした際にも感じられました。事情を重々理解し、思いやりを忘れないことが肝心ではないかと考えます。

3.「アニメの舞台」に限らない「あわしまマリンパーク」の魅力

①とてもニッチな着眼点

あわしまマリンパークは、閉園を報じる各所での記事や映像でも、「『ラブライブ!サンシャイン!!』の舞台となった水族館」という側面がクローズアップされていますが、それ以上に「水族館」として、極めて魅力的な場所であったということも忘れてはなりません。沼津の水族館らしく、深海魚にまつわる展示もありますが、それ以外にも、訪れたら是非とも見るべきものがあります。

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有名なものとしては「カエル館」があります。先にも述べたとおり、Aqours松浦果南の家のモデルとなっている場所でもありますが、そうでなくても滞在するのに値する場所となっています。カエルの展示種数では日本最大級であり、”色とりどりの”カエルたちを数多く見ることができます。カエルのみならず、その他数種類の両生類も展示されています。

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様々な種の魚たちが展示されている水族館のうち、個人的に特にお勧めしたいのが、2階の奥にある「ウニ」のコーナーです。こちらでは、普段なかなか見ることができない「ウニの骨格」が数多く展示されています。展示方法も凝っており、内側からライトを照らすことで、ウニの骨格についている天然の色をわかりやすく観察できるようにもなっています。

②展示から感じられる、飼育員の皆さんの「熱量」

あわしまマリンパークラブライブ!抜きにしても好きな理由として、展示から感じられる飼育員の皆さんの想いがひしひしと伝わってくるというものがあります。当然、他の水族館の飼育員の方々とて、好きな生き物に対する思いは並々ならぬものであることは承知していますが、あわしまマリンパークの皆さんについては、伝わり方が違ってくるように感じています。

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その最たるものが、至るところに掲示されている手書きの展示資料です。生き物をイラストを交えてわかりやすく解説するもので、それぞれに飼育員の方々の「愛」が感じられます。また、展示する魚を収集する際の様子について取り上げるものがあり、その苦労と努力を深く知ることができます。魚などを見るだけでも楽しめますが、説明を読んでいくというのも、楽しみ方の一つと言えるでしょう。

5.最後に―キセキを信じて精一杯・・・

①「現場」はすでに存続に向けて動き出している

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一方、水族館の存続に向けた動きが、一部では始まっているようです。あわしまマリンパークの館長を務める伊藤裕さんは、閉園を決めたのはオーナー企業であり、一度閉園することは覚悟している一方で、運営する別のオーナーを探しているとし、「閉める準備をまだするつもりはないというか、先に継続できるよう準備しているというのが現場の正直な動き」と、存続を決してあきらめていないことを訴えています*9。現在のオーナーが営業を終了させるとした日付まで、残りの日数は僅かとなっていますが、それでも現場は存続への強い意志を見せています。

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(2月9日追記)また、あわしまマリンパークの伊藤館長は、あわしまマリンパークの存続に向けた新しいオーナー企業を探すため、すでに複数社と交渉をしているとしています。閉園は現在のオーナーの意向であり、館長自身は存続を希望しているとしており、現在飼育している動物についても、閉園後数か月間は維持するとしています*10

②最後の最後までキセキのために全身全霊で精一杯輝いてほしい場所―

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「『ラブライブ!サンシャイン!!』の舞台」ということが、どうも独り歩きしてしまっているような印象が強いあわしまマリンパークですが、先にも一部取り上げたとおり、水族館としてもしっかり楽しめる場所となっています。激動の歴史をたどった場所でもありますが、「アニメの舞台」としてファンが多く訪れてきただけではなく、地元の方にとっても、「昔から訪れてきた思い出の地」であるはずです。こうして多くの方が”別れを惜しむべく”訪れているということからも、あわしまマリンパークが世代を超えて広く愛された場所であることが伺えます。

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とはいえ、筆者もあわしまマリンパークに思い入れがあることは事実であり、そう簡単ではないことであるのは理解しているものの、「キセキ」がおこってほしいと思うのが、正直なところです。現実は厳しくても、全身全霊輝いてほしいと願わんばかりであり、「キセキ」は必ず起こると信じたいところでもあります。

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*1:一部施設は7日以外にも営業を休止する日があります。

*2:29日以降は営業を再開している模様です。

*3:2017年に施設を撤去。島の中腹付近に駅の建物が残存

*4:【参考資料】索道アーカイブス―失われたロープウェイ―淡島ロープウェイ https://www.8beat.com/ropeway/awashima.htm

*5:筆者は2024年1月時点で未訪問のため伝聞の形で記載。

*6:2015年当時は中学校

*7:「突撃!風雲マリンパーク」

*8:少し北の口野地区や多比地区を通る伊豆長岡駅・多比~沼津駅間の路線や伊豆長岡駅伊豆三津シーパラダイス間の路線。

*9:@S[アットエス]|静岡新聞SBS LIFE 「閉園の“聖地”に国内外からファン集結!『閉める準備をまだするつもりはない』“現場”では継続目指す動きも あわしまマリンパーク=静岡」 https://www.at-s.com/life/article/ats/1399639.html 2024年1月31日閲覧

*10:静岡新聞「あなたの静岡新聞」 沼津・あわしまマリンパーク 25日まで営業 閉館2週間延期 

https://www.at-s.com/news/article/shizuoka/1410317.html 2024年2月9日閲覧