【ラブライブ!サンシャイン!!】ライブは?新曲は?2024年のAqoursはどうなるの?

2023年12月15日〜17日の3日間に渡り、ラブライブ!サンシャイン!!の公式スピンオフ作品「幻日のヨハネ」のライブイベントとして、「幻日のヨハネ -The Story of the Sound of  Heart」が、東京都調布市の武蔵野の森総合スポーツプラザメインアリーナにて開催されました。約9ヶ月ぶりにAqoursのメンバー全員が揃ったイベントとなり、前週に東京ドームにて開催された「異次元フェス アイドルマスター☆♡ラブライブ!歌合戦(以下、異次元フェス)」と合わせて、2023年では貴重なAqoursのイベントとなりました。特に「異次元フェス」については、アイドルマスターシリーズとの合同ライブイベントであったこともあり、Aqoursのライブを初めて見たという方も多かったようです。その翌週の幻日のヨハネのイベントと合わせ、Aqoursを知ったばかりという人にとっても、パフォーマンスに触れられる機会となったものと思われます。

しかしながら、そのような良いタイミングであるのにも関わらず、Aqoursの今後のライブの予定については、2023年1月21日時点において、日程を含めて決まっているものは多くありません。ラブライブシリーズの他グループについては、シリーズ初の7回目のライブ等の開催が決まっており、それと比較すると、なんとも寂しい状況であることは否めません。9周年を迎えるラブライブ!サンシャイン!!Aqoursの2024年について、何もないのではという不安な声も、一部ではあるそうです。

1.2023年のラブライブ!サンシャイン!!/Aqoursはどんなことがあったの?

①「幻日のヨハネ」のアニメ化

一番大きな話題としては、雑誌の企画としてスタートした「幻日のヨハネ」のテレビアニメが放送されたことでしょうか。ラブライブ!サンシャイン!!の公式スピンオフ作品という位置づけで、テレビアニメ2期からは約5年半ぶり、映画の公開からは約4年半ぶりの新作アニメとなりました。

雑誌の連載漫画では異世界転生系のストーリーとなっていましたが、テレビアニメではそうした要素が少し薄まり、どちらかと言えば日常系というべきか、異世界の「ヌマヅ」という趣があまりない作品になっていました。コミック版ではバトルシーンも頻繁に登場しているようですが、テレビアニメではそうしたものもかなり控えめ。スピンオフということもあり、ラブライブ!らしからぬ作風を期待していた方からは、期待外れという意見もあったそうです。個人的にも、ある種ミュージカルのような作風や主人公の成長を軸にしたストーリー自体は嫌いではないものの、前もって展開されていたコミック版などがイメージとしてあると、ギャップを感じないわけでもないというのが正直な感想です。

とはいえ、ラブライブ!サンシャイン!!の系譜にある新作アニメを、実は初めてリアルタイムで見届けられたということは、個人的にはかなりうれしかったというのも事実です。幻日のヨハネをきっかけに、伊豆箱根鉄道駿豆線に累計4種目のラッピング電車が登場したり、沼津市のお隣駿東郡清水町にもラブライブ!コラボの波が波及したりと、今年で9年目となるコンテンツながら、未だに影響力があるということを感じた次第です。

②ライブイベントでの声出し解禁!

2023年はライブイベントもいくつか開催されましたが、そちらにおけるビックニュースと言えば、2020年2月のCYaRon! 1stライブ以来3年ぶりに、会場における声出し応援が解禁されたということでしょうか。これは、新型コロナウイルスに対する政府の感染対策方針の緩和を受けた措置であり、ラブライブ!シリーズにおいては、2023年2月以降のライブイベントに対して、この規制緩和の考え方が反映されました。

その規制緩和策が最初に適用されたのが、2023年2月11日・12日に東京都で、3月11日・12日に千葉県で開催された「Aqours EXTRA Lovelive! 2023 It's a 無限大☆WORLD(以下、EXライブ2023)」です。同ライブの目玉となったのが、2022年8月に発売された、ボーカロイド初音ミク」とのコラボシングル「BANZAI! digital trippers」でした。スクリーン上に映し出された初音ミクとのシンクロは、ライブでのダンスパフォーマンスに定評があるAqoursならではの演出ともいえるものでした。

2023年7月~9月にテレビアニメの放送が開始された*1幻日のヨハネのライブイベントもありました。2023年12月15日から17日にかけて、東京都調布市の「武蔵野の森総合スポーツプラザ・メインアリーナ」にて、「幻日のヨハネ -The Story of the Sound of  Heart(以下、幻ヨハライブ)」が開催されました。全ての楽曲がライブで初披露というイベントであり、BD特典曲の中には、まだ発表されていない楽曲もあるなど、かなり新鮮なイベントにもなりました。幻日のヨハネのイベントであり、Aqours名義の楽曲は少なかったものの、3月以来9か月ぶりに全員が揃い、9人での曲もあるなど、内容としては通常のAqoursのワンマンライブと何ら遜色ないものになっていました。

また、ファンミーティングとしては、10月7日から9日にかけて、沼津市の「キラメッセ沼津」にて、「沼津地元愛まつり2023」が開催されました。こちらについては、1日に昼夜合わせて2公演、3日間6公演の日程にて、各日3人ずつが出演する形態となり、全員が揃うイベントとはなりませんでした。その他、渡辺曜役・斎藤朱夏さん、津島善子役・小林愛香さん、黒澤ルビィ役・降幡愛さんが出演する、Aqours浦の星女学院RADIO!!! JMA出張放送局 ~バブ卒大集合!ラジオとライブでわいわいわい~が、5月から6月にかけて、沼津、大阪、東京の3会場で計6公演が企画されました*2

これらを合算すると、ラブライブ!サンシャイン!!に関連する2023年のライブイベントは、中止になったものも含めると全13日で19公演となります。その他、ラブライブ!シリーズ全体の合同イベントや、12月に開催された「異次元フェス」も含めると、全員が揃って出演したイベントはそこまで多くはないとはいえ、ラブライブ!サンシャイン!!というコンテンツが関連するイベント自体は、コロナ禍の終息も相まって、それなりの数があったと捉えてもよいのではないのでしょうか。

③新曲が少なかった…?

2015年のデビュー以来、毎年コンスタントに音楽商品をリリースしてきたAqoursですが、2023年はその数が比較的少ない年という認識もあるようです。

2023年にリリースされた新曲で、Aqours9人全員での歌唱曲となるのは、6月30日リリースの、Aqours8周年「富士山すゑひろがりプロジェクト(以下、Aqours8周年プロジェクト)」テーマソングの「SORA, FUJI, SUNSHINE!」、テレビアニメ「幻日のヨハネ」のオープニング曲「幻日ミステリウム」とそのカップリング曲「GAME ON!」、同アニメのエンディング曲「キミノタメボクノタメ」とカップリング曲「SILENT PAIN」の5曲。2月には過去にリリースされた楽曲のリアレンジアルバムも発売されましたが、新規楽曲ではないため、こちらでは除外します。

新規に発表されたソロ楽曲もいくつかありました。1月1日に誕生日を迎えた黒澤ダイヤを皮切りに、松浦果南国木田花丸渡辺曜小原鞠莉津島善子の5人のキャラクターの、通算4曲目となるソロ曲が発表されました。いずれも「ソロコンサートアルバム」という形態になっており、新曲のほか、テレビアニメ1期のBD特典曲のほか、劇場版の関連楽曲のソロ曲が収録されています。

ラブライブ!サンシャイン!!」のブランドを背負った楽曲としては、上記の10曲のみとなりますが、公式スピンオフである「幻日のヨハネ」に関連した楽曲も、多く発表された年でした。アニメの挿入歌だけでも8曲、アニメ映像を収録したBDの特典楽曲が4曲*3の計12曲が、関連楽曲としてカウントできます。公式スピンオフという立ち位置を勘案し、こちらもラブライブ!サンシャイン!!の楽曲として計上すると、2023年に発表された楽曲数は、合計で22曲となります。

④「ナンバリングライブ」がなかった

Aqoursの活動期間における2023年の特異点としては、「ナンバリングライブ」が開催されなかったことも挙げられます。2022年は2月から6月にかけて6thライブが3都市で開催されましたが、Aqoursの「ナンバリングライブ」は現時点でそれが最後となっています。

2017年に1stライブと2ndライブが開催されて以来、新型コロナウイルスの感染拡大によりライブイベントが中止に追い込まれる事態が相次いだ2020年と2021年を除き、Aqoursの「ナンバリングライブ」は毎年開催されてきました。2020年と2021年についても、無観客開催にもならず中止になってしまいましたが、5周年を記念したドームツアーが、6thライブという形で企画されていました。それを含めつつ、2022年にも6thライブに相当するライブが「ナンバリングライブ」として開催されていれば、6年連続で開催されていたのかもしれず、ともすれば、2023年はかなり特異な年として記憶されることになるのかもしれません。

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2023年2月と3月のEXライブ2023とて、イベント自体はかなりの規模のものとして記憶されるべきであると考えますが、どうも「『ナンバリングライブ』じゃないと…」という意見が目立つようにも感じられます。「エクストラライブ」という位置づけのイベントであれ、アニメの放送や映画の公開から相当な時間が経ちつつあり、キャストの皆さんのそれぞれのソロ活動も活発になる中、今なおイベントが催され続けるというのは、それだけありがたいことなのではないかと、少なくとも筆者は感じている次第です。しかしながら、そのような意見はどうも少数派であるようです。

2.今までと比べて実際どうなのか?

①コロナ禍の期間は明確に区別されるべき

Aqoursの歴史を振り返るにあたり、社会情勢として「コロナ禍」とされる期間については、ラブライブ!シリーズの他のグループとは過ごした境遇が、結果として明らかに違ったということを念頭に置くべきであると考えます。シリーズ全体として、有観客イベントの中止やライブにおける発声禁止という大きな影響がありましたが、ラブライブ!サンシャイン!!/Aqours新型コロナウイルスの感染拡大で受けた影響は、結果的に今なお尾を引いているのではないのでしょうか。

ラブライブ!サンシャイン!!/Aqoursにおけるコロナ禍」は、ここでは2020年3月から2021年8月と定義します。この期間は有観客イベントを一切開催できなかった期間であり、中には無観客かつ有料生配信すら中止というイベントもありました。発端は2020年3月頭に出された政府の方針。感染拡大を食い止めるため、コンサートなどの「不特定多数の集団が集まるイベント」に対し、中止の要請が出されました。当時のラブライブ!サンシャイン!!はユニットライブの真っ最中。2月のGuilty Kiss東京公演とCYaRon!福岡公演に続き、3月には仙台でAZELEAのライブが予定されていましたが、要請を受けて中止となりました。5月には追加公演として、3ユニットが揃う公演が、さいたまスーパーアリーナにて開催される予定でしたが、4月に全国に発令された「緊急事態宣言」が解除されず、こちらも中止となりました。

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この年、Aqoursは活動開始から5周年を迎えました。5周年という節目の年を迎えた中、記念として様々なイベントが企画されました。これまでの活動を振り返る展示会などもありましたが、一番の目玉はライブ。「Aqours 6th LoveLive! ~DOME TOUR 2020~(以下、6th5周年記念ライブツアー)」として、全国5つのドームを回る「ドームツアー」が企画されました。念入りな感染対策として、5会場のうち名古屋と埼玉の2会場は、ドームで開催しつつも無観客で配信のみとし、残りの会場についても、観客数を大幅に制限し、生配信も併用したうえで開催する予定でした。

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しかしながら、開催にあたって多数の人員が必要になり、会場運営において十分な感染対策が取れないという理由により、配信のみで開催予定だった公演についても、すべて中止となりました。代替イベントとして、10月の東京ドーム公演が予定されていた日程で、配信のみのライブとして「Aqours ONLINE Lovelive! ~LOST WORLD~」が開催されました。

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その後、同年12月30日・31日には、ラブライブ!シリーズ史上初のカウントダウンライブとして、「Aqours COUNTDOWN Lovelive! ~WHITE ISLAND~」が開催されました。その中において、翌2021年5月1日・2日に、ラブライブ!史上初の単独野外ライブとして、「Aqours 5th Anniversary Lovelive! ~LET’S GO WONDER TRIP~(以下、5周年記念野外ライブ)」が、静岡県掛川市にある「つま恋リゾート・彩の郷」で開催されることが告知されました。年明けには、中止となっていたAZELEAの1stライブとして、「AZELEA FIRST Lovelive! ~Amazing Travel DNA~ TRY AGAIN」を2月に開催することも発表されました。うれしいニュースが続き、後半戦となった5周年イヤーが、ようやく本番を迎えたかのように思われました。

しかしながら、2つとも開催を予定していた時期に新型コロナウイルスの感染拡大の状況が悪化していたほか、野外ライブについては、開催地である静岡県新型コロナウイルス感染症対策専門家会議より「静岡県内で予定される大規模イベントは当面中止すべき」との見解を直前に示したこともあり、いずれも中止となりました。野外ライブは開催に向けた努力がその後も続けられたものの、「万全の体制のもと静岡で本公演を開催することは困難な状況である」と判断し、6月には公演自体の中止が決定されました。

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その後、同年8月には、ラブライブ!サンシャイン!!として1年半ぶりの有観客イベントとして、「AZELEA 1st Lovelive! ~In The Dark/秘密の物語(ストーリー)」が開催されました。AZELEAにとっても1年5か月越しの1stライブでしたが、公演直前に国木田花丸役・高槻かなこさんが「適応障害*4」との診断を受け、療養のために活動を休止していたため、残る2人での公演となってしまいました。有観客イベントはその後復活し、最悪の時期からは抜け出すフェーズに入りましたが、9人そろった状態での単独有観客イベントは、2021年12月の「Aqours EXTRA Lovelive! ~DREAMY CONCERT~(以下、EXライブ2021)」まで待つことになりました。

②これまでのライブイベントの開催頻度はどうだったか?

2017年から2023年のAqoursのイベント数推移

こちらのグラフは、1stライブがあった2017年から昨年までの間にあった、Aqoursと関係各ユニットの有観客ライブイベントで、中止とならず開催できたものの回数の推移をまとめたものです。ファンミーティングなどは1日に昼夜の2公演がありますが、その場合はそれぞれを1回とカウントしました。

半期ごとにまとめましたが、最も多かったのは2019年の上半期で31回。同年6月の5thライブのほか、アジアツアーや2018年から続いていたユニットファンミーティングもありました。2017年下半期から2019年上半期にかけての回数が多くなっているのは、2年連続でファンミーティングがこまめに開催されていたことが影響していると考えるのが適当でしょう。

年間ごとの回数が33回と最多となっている2019年も、下期のイベントの回数はアメリカで行われた海外公演の2回のみ。そちらには黒澤ダイヤ役・小宮有紗さんが体調不良で出演を辞退していたため、「9人そろっての有観客ワンマンライブイベント」という位置づけのものは、2019年6月の5thライブ以降、2021年12月のEXライブ2021までの間、約2年半も待たされることになりました。

2020年上期から2021年下期までのおよそ1年半の間、有観客イベントが一切開催できていなかったということも、グラフからはっきりと読み取れます。代替イベントとして有料生配信のみのライブもありましたが、5周年という本来盛大に祝われて然るべき時間が、世界的なパンデミックの影響とはいえ、ごっそり奪われてしまったともいうべきでしょう。

年間ごとの回数を比較すると、2019年の33回2018年の32回がやはり多くなっていますが、次に来るのが2017年の18回で、その次は2023年の17回。2023年は幻日のヨハネのライブイベントもカウントしていますが、出演するキャストが同一人物であることや、そもそもラブライブ!サンシャイン!!の公式スピンオフ作品であることを考えると、同じようにカウントするのが適切であるはず。また、2017年と2023年を比較すると、2017年は2ndライブとファンミーティングがあった下期にイベントが集中しているのに対し、2023年は上期と下期でさほど大きな差がありません。「9人全員が出るAqoursのワンマンライブ」という位置づけのイベントは、厳密にとらえれば少なかったのかもしれませんが、スピンオフも含めたラブライブ!サンシャイン!!のイベント自体は、年間を通して比較的均等にあったのではないのでしょうか。

3.直近2年ほどのラブライブ!シリーズ全体の様子

①虹ヶ咲の人気定着、Liella!の躍進、スクールアイドルミュージカルと蓮ノ空の登場

Aqoursがデビューした2015年時点では、ラブライブ!のスクールアイドルはμ’sAqoursの2グループのみでしたが、そこから9年弱の間に、後輩ともいえるものがいくつも登場しました。

2017年ごろからスクフェスを中心に活動が始まったのが「虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会(以下、虹ヶ咲)」です。2019年に「スクスタ(サービス終了済み)」がリリースされて以降、活動が本格化。同年12月のライブでは、テレビアニメの制作が発表され、翌年以降放送されると、ストーリーなどが高い評価を受けました。2024年1月時点で、ラブライブ!シリーズ初の7thライブの開催が決定しているほか、完結編として劇場アニメの制作も予定されているなど、強い勢いのあるコンテンツともいえます。

2019年から2023年の虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会のイベント数推移

こちらは昨年までの5年間の虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会の有観客ライブイベントの回数の推移です。Aqoursのイベントと同じ基準で集計し、試写会などのイベントは除外しています。2020年こそ有観客イベントの数はゼロだったものの、2021年は上期から、ラブライブ!シリーズ内の他のグループに先駆けて有観客イベントを開催しています。2023年上期は、「にじたび!TOKIMEKI FAN MEETING TOUR」を全国6都市で計18公演開催するなどしており、ライブイベントの回数が増加しました。

2020年にデビューした「ラブライブ!スーパースター!!/Liella!」は、メディアへの露出等も活発であり、ここ5年で躍進したグループとも言えるでしょう。ラブライブ!シリーズでは唯一NHKEテレ)にてテレビアニメが放送されたコンテンツでもあります。テレビアニメの制作を前提としたのもスーパースターだけであるほか、アニメの作中でキャラクターが進級していくというストーリーも、ラブライブ!シリーズでは初めてのものでした。

2019年~2023年のLiella!のイベント数推移

Liella!の直近5年間の有観客ライブイベントの回数もグラフにまとめてみました。活動開始は2020年ですが、虹ヶ咲と条件を揃えるべく2019年スタートとしています。テレビアニメ1期放送後の1stライブや2ndライブなどにより、2021年下期~2022年上期のライブの回数が多くなっています。ライブの頻度が高く、活動開始から4年弱とはいえ、「ナンバリングライブ」の数はすでに5thとなっています。

虹ヶ咲やLiella!のほか、ラブライブ!史上初の完全”実写(リアル)”コンテンツともいうべきスクールアイドルミュージカルのほか、金沢を舞台にしたスマートフォンアプリ「Link! Like! ラブライブ!」の「蓮ノ空女学院スクールアイドルクラブ(以下、蓮ノ空)」なども登場しています。特に蓮ノ空は、スクールカレンダーのリアルタイム連携という今までにない要素も盛り込んでおり、その新鮮さのほか頻繁にアプリ内のコンテンツが更新されるというところでも人気を集めています。

Aqoursのライブイベントが最も多かった2018年~2019年にかけての時期と現在とでは、ラブライブ!シリーズを取り巻く状況が大きく異なるということは言うまでもないでしょう。全てを追いかけようとすると、その他の私生活が破綻しそうにも見えるほどです。バランスよく追いかけている人は少なからずいますが、時間とお金のやりくりのコツをご教示いただきたいなと思うところです。

Aqoursのライブイベントの相次ぐ中止は、影響としてやはり否定できないのか。

2019年~2023年のAqours/虹ヶ咲/Liella!のイベント数推移

こちらはAqours、虹ヶ咲、Liella!の3コンテンツの、2023年までの5年間の有観客イベントの公演数を、半期ごとに集計したグラフです。各コンテンツとも、2020年は有観客イベントがほとんど開催できなかったことがうかがえますが、有観客ライブイベントが復活した時期や勢いは、それぞれ大きく異なります。

復活が一番早かったのが虹ヶ咲で、2021年上期には5thライブなどのイベントを有観客にて開催していました。その年の虹ヶ咲は年間を通して有観客にて開催できたイベントが続きました。Liella!については、立ち上がりこそテレビアニメ1期終了後の2021年下期ではあったものの、その回数は18回にも上っています。

その一方、Aqoursは有観客ライブイベントの復活が遅れた上、回数はやや控えめでした。2021年上期には、2月に開催できていなかったAZALEAの1stライブの代替公演と、5月に5周年記念野外ライブが、それぞれ観客を入れるイベントとして予定されていたものの、いずれも「新型コロナウイルスの感染拡大」という理由で中止になりました。同年上半期には有観客イベントを開催できないまま、下半期に突入。AZELEAの1stライブを皮切りに、ユニットを含めたソロイベントを2021年内に10回開催しましたが、Liella!の勢いが圧倒的であり、回数だけ比較してしまうと、少なく見えてしまうというのも事実です。

2021年~2023年の年間イベント数

直近3年間の年間の有観客イベント数で見ると、その傾向はより顕著なのではないかと思います。虹ヶ咲とLiella!に比べると、平均で6回ほど少なく、Aqours関連のイベントの数はやはり少なめだったことが伺えます。6th5周年記念ライブツアーや5周年記念野外ライブが予定通り開催され、2020年のカウントダウンライブも有観客で開催されていれば、結果はまた違ったのかもしれませんが、現実としては、5周年というタイミングではありながらも、かなり不遇の時代を過ごすことになったと言えます。

こうした状況もあり、ライブに参加することを主な楽しみとする人たちにとっては、なかなかライブをやらない、予定されていたものがどんどん中止になっていくとなると、心理的にはどうしても離れてしまうものなのではないかと考えます。ふとしたきっかけで最近になってラブライブ!サンシャイン!!/Aqoursを知り、ここ2年くらいの間に好きになったという方々もいらっしゃるようですが、Aqoursから離れた人々も、観測できる範囲では少なからずいるようです。かくした状況が一部における「Aqours離れが進んだ印象」というものを、図らずとも生み出してしまっているのかもしれません。

4.Aqoursの今後は悲観的なものか?

①「すでに決まっていること」や「やりそうだけどやっていないこと」はまだある

とはいえ、Aqoursの今後を完全に悲観的に見てしまうのも、あるいは軽はずみにネガティブな話を始め、それをどんどん大きくしていくのも、信じられないくらいの早とちりかつキャストの皆さんに対する最大級の無礼なのではないかと考えます。ライブイベントの回数がかつてより大幅に減ったことも事実ですが、その頃はキャストの皆さんのソロ活動も今より活発ではなかったり、そもそもラブライブ!シリーズの最前線に立っていたのがAqoursだけだったりと、今と取り巻く環境が必ずしも同じではなく、安易な比較はできないように感じます。

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ラブライブ!サンシャイン!!/Aqours関連のイベントで、日程を含めて確定しているものは、2024年1月23日時点で全くないわけではありません。2023年に開催された「Aqours浦の星女学院RADIO!!! JMA出張放送局 」のイベントとして、「かえってきたバブ卒達!ラジオとライブでわいわいわい」が、4月から7月にかけて開催されます。4月6日(土)に神戸、4月13日(土)に東京、そして7月20日(土)沼津で、それぞれ1日2公演の計6公演が予定されています。また、沼津公演の最速先行抽選申込券を封入したわいわいわいの2ndシングル「peace place pizza」も、2024年5月8日に発売されることになりました。今のところ明らかになっているのはこれだけとはいえ、ラブライブ!サンシャイン!!/Aqoursに対して「全く何もない」という認識は誤りであると言えます。

その他、「やりそうだけどやっていないこと」もまだあります。例えば、昨年夏まで3年連続でリリースされていたソロアルバムですが、ユニット楽曲を収録したものや、シングルやアニメの挿入歌以外の楽曲を収録したものは、現時点でまだリリースされていません。これまで2020年までの楽曲を収録したものが発売されているベストアルバムも、2021年以降のものはまだ世に出ていません。確実に出るとは言えないものですが、この先出てくる可能性が全く存在しないものでもなく、2024年以降にされるのかもしれません。

また、2023年6月30日に始まったAqours8周年プロジェクトのテーマソングも、9人全員で歌うものについては、ライブなどで披露されたことが未だにありません。こちらもそのまま6月を迎えるとは考えにくいもの。どこかでそのタイミングがあるということも、十分ありえるのではないでしょうか?また、2022年から2023年にかけてリリースされた「ソロコンサートアルバム」に収録された通算4曲目のソロ楽曲も、ライブ未披露曲となっています。

公式スピンオフである幻日のヨハネに関しても、アニメの続編は話の仕立てとして難しいのかもしれませんが、音楽商品などの展開は、引き続きあるのかもしれません。アニメの挿入歌やオープニング/エンディングのソロバージョンを収録したソロアルバムのようなものなど、出てきたら面白いのではないでしょうか。完全に想像の域を脱しませんが、幻日のヨハネもこれで終わりということはないかと思います。

その他、3人そろったAZELEAの有観客ライブなど、大なり小なり様々なことを、まだやり残していると言ってもおかしくはないはずです。「すでに決まっていること」も、「やりそうだけどやっていないこと」もあるゆえ、それがいつまでかという断言はできないものの、少なくともすぐに終わりを迎えることはないでしょう。今まで通りという形とは限らないのかもしれませんが、何らかの形で続いていくのでしょう。決して過去のコンテンツではなく、これからも続いていくものであると考えます。

②そもそも:誰も何も確かなことは言っていない

そもそもの話として、誰も確かなことは何も言っていないということがあります。それゆえの不確実性が憶測や不安を呼んでいるということも言えるのかもしれませんが、だからと言って下手にネガティブな話を広めることも、それを信じることもないでしょう。

確かに、Aqoursの9人が揃うライブやAqours名義の新曲など、そのような情報が今のところ明らかになっていないというのも事実です。そうした状況が憶測を呼び、憶測がいつの間にかさらに大きな話になってしまっているということなのかもしれません。しかしながら、憶測に基づいた話を喧伝したり、あるいは鵜呑みにしてしまったりするというのも、そこまでする必要があるのかと感じるところです。

噂話、特にネガティブな話ほど、人は尾ひれをつけたがるものです。そこに深い意味はほとんどないため、話半分に聞いておくのが、何事においても精神衛生上好ましい過ごし方なのではないかと思います。反射的に反論するのも、賢明な反応ではないでしょう。明らかにされている情報が少ないとはいえ、明らかに憶測の域を脱さない、あまりファクトベースとは思えない発言などは、真に受けないのが正解です。

④ライブイベントの予定を割と直前になって発表した事例

とはいえ、明らかになっているイベントが少ないという状況が、ファンからすると不安でしかないということはよくわかります。Aqours8周年プロジェクトもあと半年を切ったところで、残りの期間で何をやるのかと思う方も少なくないはず。何かやるなら早く発表すればいいのにとは、筆者とて思うところです。

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もっとも、ライブの発表から当日までの期間がそれほどないという事例も過去にはあり、今年の6月29日、Aqours8周年プロジェクトの期間内に何かをやるという可能性もゼロではないと言えます。例えば、2022年6月25日・26日に開催されたAqoursにとって2度目の東京ドームでのライブだった「Aqours 6th Lovelive! Rock'n Roll TOUR "WINDY STAGE"」は、開催が発表されたのは同年3月5日・6日の6thライブ”SUNNY STAGE(埼玉公演)”の時。また、2021年11月15日・16日に開催されたAZALEAの2ndライブも、発表されたのは同年8月14日・15日の1stライブでした。Aqours8周年プロジェクトも残り半年を切っていますが、過去には3~4か月前というタイミングでライブの告知があった実績があり、希望的観測ではあるものの、6月29日までの間に何らかのイベントが挟まる可能性も、現時点では全く否定できないのではないでしょうか。

もっとも、出演するキャストの方々のスケジュールの問題もあり、かつてほどラブライブ!サンシャイン!!/Aqoursのイベントの開催が容易ではないということも、実際のところ大きな問題として立ちはだかるのかもしれません。例えば、渡辺曜役・斎藤朱夏さんは、4月から7月に先述の「わいわいわい」のイベントのほか、自身のライブハウスツアーがほぼ毎週末立て続けに予定されており、土日で何もないのが5月4日・5日と6月22日・23日だけという状況です*5。他の方のソロ活動も活発になる中、9人揃った状態でイベントを開催するということは、従来より難しくなっているのでしょう。だからと言って、「この先はもう何もない」と断定するのは、やや軽率であるかのように感じます。楽しみに待つことは、決して誤りなどではないはずです。変に熱くならず、「果報は寝て待て」というスタンスでいるのが吉かと思います。

④個人的な感想:何らかを考えている節はある

そもそも、ラブライブ!サンシャイン!!Aqoursの今後について、何らかの展開を検討しようとしている痕跡もありました。2023年12月の幻ヨハライブ後のアンケートには、幻日のヨハネに加えて、ラブライブ!サンシャイン!!について、「今後期待するものは?」という質問が、選択形式で設定されていました。うろ覚えではいけないので試しに検索をかけたところ、閲覧可能な状態だったために確認してみたところ、Aqoursの新曲やライブのほか、「ラブライブ!サンシャイン!!の新規アニメ」という選択肢が設定されていました。

新曲や何らかのイベントまでは予想の範疇にありましたが、新規のアニメ、それも幻日のヨハネではなく「ラブライブ!サンシャイン!!」という選択肢があるとは、全く予想していなかったのが正直なところです。所用につき自宅で配信を視聴しただけでしたが、アンケートにはきっちり回答し、もちろん「新規アニメ」という選択肢を選んだように記憶しています。アニメをやれば新曲が出るし、ライブだってやるはずであるわけで、ともすれば実現したらそれが選択肢なのではと考えたためです。

「幻日のヨハネ」のアニメ化決定も、どうやらライブでのアンケートでアニメ化希望や「アニメで動くAqoursを観たい」という声があったという話もありました。Twitter(X)で検索してみたところ、そのようなツイート(ポスト)が散見されました。要因は必ずしもそれだけではないのかもしれませんが、アンケートの結果がその後の展開に活かされるということもあるようです。そして、「これからもAqoursを追いかけたい!」という人は、今後のイベントからでもいいので、アンケートには是非とも積極的に回答し、その旨をきちんと届けましょう。

⑤「引き続き追いかけ続ける」のも、「これから応援する」のも、どっちも大いにアリ!

いずれにせよ、不確かな憶測をもって先々のことを悲観的にとらえたり、今までと違うということを批判したりするというのは、やや早計であるように感じます。ここまで書いてきたことも、いくつかは過去の事例に基づいたことであり、この先必ずしもそれらと同じような経過をたどるとは限りません。それこそ、「ライブがいっぱいあって新曲も次々とリリースされていた時代」とは、取り巻く環境が大きく違うため、全く違う展開が待っていることだって、十分あり得る話でしょう。先述の通り、めぼしいイベントの数が減り、おいしいニュースが出てこないのであれば、早々に見切りをつける、すなわち、追いかけるのをやめるという人だって、少なからず出てくるはずです。それだって1つの選択肢であり、否定するつもりは一切ありません。

とはいえ、今の段階で決めつけてかかるというのも、それもまた違うのではないかと考えます。この先何をやるか、そしてゆくゆくはどうしたいかということを含め、そもそも誰も何も言っていないというのが、今のところは紛れもないファクト(事実)であるはずです。憶測でものを言い、はたまた作品やキャスト、クリエイターなどを公然と否定するということは、どう捉えても軽薄ではないかと感じる次第です。出された情報を批評するのはまだしも、大元になる作品や、キャストやクリエイターまで、嘲笑や非難の対象にするのは、もはや筋違いではなかろうかと考えます。ましてや、自分の「推し」を持ち上げるために、相対するものや少しでも気に入らないものを不必要・不用意に貶めるというのも、やり方としては大変見苦しいものであり、そもそも自らの「推し」に対し、失礼極まりない愚行なのではないでしょうか。

ラブライブ!サンシャイン!!/Aqours自体、初代たるラブライブ!/μ’sの勢いの中で2代目として登場し、全ての人がついていったわけではないものの、初期から多くのファンに恵まれ、今なお安定した人気があるとされており、「恵まれた存在」であるとみる人も少なくないかと考えます。確かに、初期の様子を見れば、そのように解釈することだってできるのかもしれません。しかしながら、節目となる5周年は、新型コロナウイルスパンデミックというある種の天災に見舞われたが故、思い描いていたような思い切った活動ができず、その上メンバーの1人がステージに立てないという日々もあるなど、ここまでずっと平坦な道のりだったとは、全くもって言えるはずがないでしょう。だからこそ、9人で思い切って活動して、10周年こそ好きなようにライブをやってほしいと思う次第であります。何も明らかになっていないということを、放置されているだなんて断定してしまうのは、どうしたって無礼そのものではないかと考えます。

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ラブライブ!サンシャイン!!Aqoursの先の先の先の物語を一緒に作っていってくださいますか?」2021年12月、Aqoursにとって、2年半ぶりに全員が揃った有観客ワンマンライブとなったEXライブ2021のMCにて、高海千歌役・伊波杏樹さんがおっしゃっていた言葉です*6。テレビアニメ放送から6年以上、劇場版公開からも5年が経った今なお、事あるごとに注目を集めるというところを見るに、Aqoursの物語は当分終わらないように感じます。異次元フェスでも、幻日のヨハネでも、3月に予定されているユニット甲子園でも、きっかけは何でもよいので、今からAqoursを追いかけてみるというのも、十分ありだと考えています。過去のライブ映像がインターネットのサブスクリプションサービスにて公開されているので、これまでのパフォーマンスがどんな感じだったのかということも、今ならじっくり見ることができます。筆者自身、これからのAqoursに対して、不安が全くないわけではありませんが、これからも応援していきたいという気持ちには変わりありません。気力の続く限り、今後もAqoursを追いかけていきたいです。

*1:Abemaでの先行配信は6月から開始。

*2:大阪公演については、当日午前中に発生した東海道新幹線の輸送障害に伴い、出演者の移動も不可能となったため中止。代替公演もなし。

*3:全7巻の予定ですが、第5巻以降は2024年中の発売予定です。

*4:日常生活の中で起きたことに心身がうまく適応できず、心身に様々な症状があらわれて社会生活に支障をきたす状態のことを言います。原因が明確でそれに対する反応として症状が出ている状態であり、ストレスを軽減して心理的に回復させる必要があるものです。

https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/heart/yk-041.html

*5:斎藤朱夏 Official Website 5th ANNIVERSARY朱演2024 LIVE HOUSE TOUR 「タイトル未定」 https://www.saitoshuka.jp/live/ 2024年2月14日閲覧

*6:伊波杏樹名言集(2022)『ラブライブ!サンシャイン!! Aqours EXTRA Lovelive! ~DREAMY CONCERT 2021~ 伊波杏樹さんMC』2022年1月1日

https://inamimeigen.hatenablog.com/entry/DREAMY_CONCERT_AnjuMC