【沼津バー巡り・特別編】百寿の輝(ももじゅのかがやき) 「バーの街」の100周年記念カクテル

1.「バーの街」らしい百寿祝い

沼津市は2023年7月1日に市制施行100周年を迎えました。7月7日・8日には記念イベントが開催されるなど、市内各地で100周年を記念するイベントが開催されました。

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100周年を記念したグッズなども多く登場しましたが、中でも沼津らしいものと言えるものが、100周年を記念したカクテル「百寿の輝(ももじゅのかがやき)」です。

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百寿の輝が初めてお披露目となったのは、沼津市100周年イベントの前夜祭でした。沼津市内にてバーを営業している2人のバーテンダーの方による「フレアバーテンディング(カクテルを作る際に(シェイカーやボトルなどを投げたり回したりするパフォーマンスを披露するもの。))」によって作られ、その場で沼津市の頼重市長によって命名されました。その後の100周年イベントでは、会場内に設けられたバーカウンターにて販売され、さっそく多くの方が飲んでいました。

2.なぜ「ももじゅ」なのか

百寿の輝(ももじゅのかがやき)という名前が付いた理由には大きく2つあります。1つ目は沼津市が「百寿」の節目を迎えたこと。こちらはわかりやすい理由であると思いますが、もう一つの理由は「かつて沼津市内に桃の産地が存在した」ということです。

沼津の中心市街地から国道414号で南下した沼津御用邸記念公園付近の「島郷(とうごう)」地区周辺では、かつて桃が多く採れたといわれています。そのため、昔は地名の表記が「桃郷」であったそうです。時代が移り変わるにつれ、桃の生産は次第に減っていきましたが、今でもごく少数の農家の方によって栽培されているとのことで、数量こそごくわずかではありますが、桃の季節になると市内を中心に出回るそうです。

「百寿」と「桃」を掛けて、「百寿の輝」と名付けられたというわけです。「輝き」の部分については、太陽や海にちなんでいるとするのが自然なところでしょう。沼津の様々な特徴から名づけられた、まさに節目を祝うにふさわしいものと言えるカクテルです。

3.「バーの街」の看板カクテルとして

イベント終了後には、沼津駅周辺の複数のバーにて「百寿の輝」が提供されるようになりました。100周年を迎えた「”バーの街”沼津」の看板カクテルとして、多くの人に親しまれるようになりました。

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「百寿の輝」があまりに好評であったことから、沼津市は2023年8月に市のホームページにてそのレシピを公開しました*1。100周年記念のものとはいえ、自治体のホームページにカクテルのレシピが掲載されることは、極めて異例のことではないでしょうか。レシピの使用については、個人で楽しむだけではなく、販売などの目的で使用することも可能であるとしています。カクテルシェイカーが家にあるという方はそこまで多くないかと思いますが、それを前提とした紹介の仕方というのも、なかなか面白いポイントであると言えるのでしょうか。

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ラブライブ!サンシャイン!!ではない沼津の楽しみ方として「バー巡り」を提唱しているところではありますが、それまでバーに行ったことがないという方にとっては、バーに行っても何を飲もうかという人も少なくないのかもしれません。アルコール度数もさほど高くなく、桃やクランベリーなどの甘さや酸味がちょうどいいカクテルであり、最初の1杯にもちょうどいいかもしれません。そこを手掛かりに、「次はこんな感じのカクテルが飲みたいです!」などとオーダーしてみるのも、バーの楽しみ方の一つであります。筆者にとっても好きなカクテルの一つで、迷ったときにはよく「百寿の輝」をオーダーしています。記念すべき年に生まれたカクテルとして、末永く飲み継がれることを願うばかりです。

*1:沼津市ホームページ 市政情報―報道記者発表資料―報道記者発表資料(令和5年8月分) 令和5年8月28日 沼津市制100周年記念カクテル大変好評につき、レシピを公開します! 

https://city.numazu.shizuoka.jp/shisei/pr/press/pdf/2023/20230828_2.pdf

 2024年3月6日閲覧