1.「ぬまづ港の街BAR」とは?
毎年恒例となっている「ぬまづ港の街BAR」が、今年も開催されます。日時は2024年5月25日(土)の朝8時から夜9時。開催される地域は沼津駅から沼津港にかけてのエリアです。
今年で16回目となる当イベントは、その名の通り街全体が「BAR(バル)」になるというものです。様々な飲食店などが参加するイベントで、美味しい料理やお酒を食べ歩きながら、音楽を楽しむこともできます。
イベントではこちらのようなチケットを利用し、料理やお酒などをいただくことができます。当日券だけではなく、前売券も販売されるので、予め購入してスムーズに回り始めるというのが賢い楽しみ方でしょう。
2.昨年の様子
こちらでは昨年の様子をざっくりまとめていきます。昨年も5月の最後の土曜日に開催されました。ちなみに筆者は昨年が初参戦でした。
(1)クラフトビールの屋台も出現
港でチケットを入手してまず向かったのはクラフトビールの屋台です。この日は朝からすっきり晴れて気温も程よく上がったビール日和でした。こちらでいただいたのは駅前に蒸留所とビアパブを構える「マスターズブルーイング」さんのビール。松林と船にびゅうおという、なんとも沼津らしい風景を眺めながら、沼津で作られたビールをいただきました。沼津クラフトさんのキャッチコピーに「沼津を飲み干せ」というものがありますが、まさにその言葉の通りでした。
港周辺では、ほかにも沼津のブルワリーがいくつか屋台を出していました。沼津のクラフトビールには、ただのお土産レベルのものではなく、クラフトマンシップをしっかりと感じられるビールが数多く揃っています。そのような街も、少なくとも日本ではさほど多くないのではないでしょう。
(2)おなじみのお店も参戦
馴染みのお店も港の街BARに参加していました。大手町の「松浦酒店」さんも、店先にテーブルを展開して「角打ち」を開催。天気の良い休日の午後にも、店内で販売している商品を店先のテーブルで飲むことができますが、この日は港の街BAR限定でクラフトビールを樽から提供するなど、普段とは違った楽しみ方ができました。
同じく角打ちで参加していたのは、宮町の「大川酒店」さん。こちらは店内にテーブルが設置されており、天候や曜日を問わず角打ちを楽しめるお店です。キンキンに冷えたジョッキに注がれた生ビールは、青空の下を歩き回った体に沁みわたりました。
(3)「あの場所」が大変身!
さらに昨年は、沼津の街に多数所在するバーも港の街BARに参戦していました。イベントに合わせて作られたカクテルも提供され、大いに盛り上がりました。
一昨年11月に「Night Bar びゅうお」として初めて実施されたこの試みが、ぬまづ港の街BARに合わせて開催されました。当ブログでも度々話題にしている通り、沼津市内には古くから本格的なバーが多数所在しています。バーを目当てにして沼津を訪れる観光客だけではなく、地元の方々にも行きつけのバーに通うという人が少なくないようで、バーが街の文化として根付いているともいえるのが、沼津の街の特徴です。
沼津の街に根付いたバーと、沼津港のランドマークであるびゅうおがコラボしたのが「Night Bar びゅうお」です。びゅうおで駿河湾へ夕日が沈んでいく様子を眺めながら、イベントのために作られたカクテルをいただくというのは、それまでありそうでなかなかなかった体験でした。
NUMAZU SUNSHINE #ぬまづバルカクテル pic.twitter.com/z5OZ9qBV8Z
— ぷらむ@沼津移住民 (@417plum) 2023年5月27日
沼津の空に輝く太陽を連想したので、こちらの名前を投票してみました。
— ぷらむ@沼津移住民 (@417plum) 2023年5月27日
「ぬまづ港の街BAR」のオリジナルカクテル名は、
— ぬまづ港の街BAR (@NumazuminatoBAR) 2023年6月6日
NUMAZU SUNSHINE🍸
に決定しました。@417plumさん、ありがとうございます!
投稿頂いた方に御礼申し上げます。@taka0229_food@Yes_Aikyan
@sugichune@marumaru_15@chocotnnn@mri_sr@yukimikan173@fleur_ronde_https://t.co/hgCJOfqEHl
ぬまづ港の街BARに合わせたこの回では、3種類目となるイベント限定カクテルが登場しました。沼津がかつて桃がたくさんとれた土地であったことから桃のシロップを使い、空高く輝く太陽をイメージした黄色に仕上がったカクテルは、イベントで飲んだ人により名前が付けられるというものでした。筆者もそれに乗っかって「NUMAZU SUNSHINE」という名前で投票してみたところ、大変僭越ながら採用されるに至りました。
3.ラブライブ!だけじゃない沼津の楽しみ方
「沼津の観光は『ラブライブ!サンシャイン!!』一本足打法」との社説が地元紙である静岡新聞に掲載されたことが、最近少し話題になりました*1。ここ10年ほどの期間に沼津に関連したもので大いに目立ったのは「ラブライブ!サンシャイン!!」であり、「『ラブライブ!』のおかげでで沼津の街に『オタク』が集うようになった」という見方もできなくなないというのも事実です。もっとも、当該社説の内容も、どこまで練ったものなのかは疑わしいと感じることも筆者の正直な感想で、17年度以降の沼津市全体の観光客数の推移が示されていなかったり、その代わりのように示されている三の浦総合案内所の来場者数も断片的だったり、その辺りは可能な限り詳細なデータを収集出来たらいいなと思っています。
先述の静岡新聞の社説では、「ここ数年、沼津の観光はアニメ人気に頼ってきたが、『アニメ一辺倒』の観光は需要の先細りが懸念される。」と指摘されていました。はたから見ている限りでは、沼津で目立つのはやはり「ラブライブ!サンシャイン!!」なのかもしれません。しかしながら、実際に沼津の街を頻繁に出入りしていると、果たして人々がこの街に引き寄せられる理由はそれだけかと、そうした指摘については少なからず疑問を感じずにはいられない次第です。休日の沼津港を観てみると、遠方から沼津を訪れるのは、何も「ラブライバー」だけではないように感じます。
例えば「ぬまづ港の街BAR」のほか、昨年をもって惜しまれつつも終了となった「THIS IS NUMAZU」など、沼津では料理やお酒などにフォーカスしたイベントがいくつか催されています。それらのイベントには数多くの方々が携わり、沼津の街を盛り上げようと尽力されています。そうしたイベントは必ずしもラブライブ!サンシャイン!!とがっちりコラボしていることはなく、ラブライブ!以前からある沼津の魅力を発信しようとするイベントであるはずです。
アニメの舞台やゆかりの地を巡ることも、沼津の楽しみ方の1つであることは確かです。好きなキャラクターとの関係が深い場所が好きというのも、「沼津が好き」であることの立派な理由たりうるでしょう。その上で、ラブライブ!サンシャイン!!に捕らわれない沼津の楽しみ方もあるということも、筆者として強調したい事実です。そうした沼津のまた別の面に触れてみるきっかけとして、5月の「第16回ぬまづ港の街BAR」を訪れてみてはいかがでしょうか。