《新シリーズ⑤》【沼津移住録】沼津での移住生活設計

1.はじめに

昨年11月末に念願叶って静岡県沼津市に移住し、早くも3か月が経ちました。

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まだ3か月ということもあり、良いところだけじゃなく悪いところもいっぱい見えてくるというフェーズには達していませんが、しかしながら毎日堅実に、そして休日はまったり楽しく生活できています。終電を気にせず飲みに行けるようになったという事実はかなり大きく、バー活がよりはかどってしまう今日この頃です。

日々Twitterのタイムラインを見ていると、沼津に移住してもいいかなという人が、ラブライブ!サンシャイン!!が始まってまもなく9年という今なお、少なからずいるように見受けられます。そんな方の一助となるべく、沼津での生活における経験などをまとめていきたく思い、「沼津移住録」として、今後不定期に更新していこうかと考えています。

2.移住に至った経緯

(1)ラブライブ!サンシャイン!!の舞台巡り→もはや沼津に住んだ方が安いのでは?

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学生時代の友人の影響でラブライブ!サンシャイン!!が好きになった筆者は、2018年3月に初めて沼津市を訪問して以来、新型コロナウイルス感染症の拡大期などの一部の時期を除き、ほぼ月に1~2回ペースで沼津市を訪れていました。内浦・西浦地区だけではなく、沼津駅周辺のAqoursゆかりの地を幾度となく訪れており、ラブライブ!以外の沼津の良さも知りつつ、土地勘もなんとなくついてきました。

2021年春に大学を卒業後、社会人になって少し稼ぎが増えてくると、休日のちょっとしたお出かけに沼津までふらっと行くようになりました。予算にも余裕が出てきたので、駅周辺のビジネスホテルで安いプランがあるとそれを押さえ、1泊2日で滞在することも増えてきました。

そうなった際にふと考えたこととして、「もはや沼津に住んだ方が安いのでは?」というのがありました。移動交通費と宿泊費、現地での食費等を考えると、いっそ沼津に住んだ方がいいんじゃないかということです。とはいえ、大学卒業後に新卒で入った会社の職場は首都圏にあり、そこをやめるといったって転職が成功するとは思えず、どうしようかなと思っていたというのが実情でした。

(2)転職しようかな…?→いっそ沼津で生活することを前提に転職活動をしよう!

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そんな中、昨年春に仕事の都合で静岡県内に転居することになりました。転居にあたっては良くも悪くも色んなことがあったのですが、とはいえ沼津にはそれまでよりも近くなったという出来事でもありました。

これでめでたしめでたしというところで、沼津移住を達成したとするのでもよかったのですが、ここらへんで一回キャリアチェンジを図ってみるのも一つの選択肢だろうと考え、転職活動を決意。巷では、新卒で就職から3年以内に転職ないし離職する20代が全体のおよそ3割にのぼるとも言われていますが、筆者もそのうちの1人となりました。

転職にあたっては、東京の実家に戻って東京の職場に通うということも検討しましたが、満員電車に毎朝押し込まれて通勤し、1日中働くというライフスタイルが、どうも自分のもろもろをすり減らすだけなのではないかと感じ、思い切って静岡県東部での転職活動を進めてみました。結果として、沼津市内ではないものの、沼津駅から電車で通える会社に行くこととなり、沼津への移住が実現したというわけです。

3.移住生活プランを考えよう!

(1)沼津で何がしたいか?

①あなたは「Aqoursと心中する」つもりで、沼津に移住できますか?

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全国に地方都市と呼ばれるものが数多とある中、そこから沼津市を選ぶ理由として、「ラブライブ!サンシャイン!!/Aqours」の存在があるものと思われます。アニメの放送開始以来、そう少なくない方が「”Aqoursのふるさと”での生活」を求め、沼津市に移住しているそうです。こうした中、沼津市によるラブライブ!のファンを対象とした移住説明会が、松浦果南ちゃんの誕生日である2023年2月10日に初めて開催します。

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かねてより市内の各商店などにおけるアニメとのタイアップ企画などが催され、「コンテンツツーリズムの成功例」とも言われることが多い沼津市ですが、約19万人の沼津市民の方々全員が必ずしもラブライブ!サンシャイン!!に好意的であるとも限りません。沼津市における各種施策へのパブリックコメントにおいて、ラブライブ!を活用した街おこしについて批判的な意見が寄せられていることも時折見受けられるなど、好ましく思っていない方がいることも決して少なくないことも事実です。

また、ラブライブ!サンシャイン!!自体が、今後も永遠に続くとは限らないということも事実です。いかなるコンテンツも、やがてはフェードアウトに向かったり、あるタイミングをもって活動を終えるということが往々にしてありえます。そうした日が来たときに、沼津にいても、あるいは沼津に居続けてもよいのかということも、深く考え抜いた方がよさそうです。

とはいえ、2024年1月時点において、沼津の街とラブライブ!サンシャイン!!のコラボは続いているほか、お隣清水町にある商業施設とのコラボ企画も始まりました。しばらくはAqoursを感じながらの沼津で生活できるのではないかと考えます。

②沼津や静岡をとことん楽しみぬけば、それが一番安いのでは…?

もっとも、沼津の魅力はラブライブ!だけではないということは、声を大にして主張したい事実であります。広く知られたものを挙げるとするならば、主に沼津港周辺の海鮮グルメでしょうか。ラブライブ!に関係なく、週末ともなれば、県内外から多くの方が訪れており、かなりの賑わいとなっています。沼津港周辺には飲食店だけではなく、沼津の名産品として広く知られている干物などを扱う海産品店もあり、観光できた方々にとってはお土産になり、そして沼津に住めば日常的に食べる食材となります。ほとんどの干物は冷凍保存が可能であり、冷凍のままフライパンで焼くこともできるため、保存が効く食材として有効に活用することができます。

水場や緑に恵まれた環境も、沼津の魅力であると言えるでしょう。富士山や愛鷹山、沼津アルプスといった山々に、富士市までまたがる広大な千本松原、街の中心部を流れ市民のオアシスにもなっている狩野川と、内浦や西浦では思わず見とれてしまうほどの透明さを誇る駿河湾など、街から少し行けば、東京から最短1時間台でついてしまう都市とは思えぬ風景が広がっています。夏は海水浴も楽しめたり、沼津アルプスや愛鷹山ではハイキングも楽しむことができたりします。

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その他、このブログでも取り上げている通り、沼津には古くからバーが多い街として知られていたり、近年ではクラフトビールのお店が増えていたりします。そうかと思えば、街の酒屋さんの角打ちでサクッと気軽に飲めるなど、お酒が好きな人にとっては、その種類と質は東京にも劣らないのではないかと感じてしまうところがあります。それも観光客向けのものではなく、地元の人の行きつけのお店として存在している雰囲気があり、沼津という街の不思議な文化(ほめています)にはまってしまうと抜け出せない、いわば「沼津沼」ともいうべきものが広がっているとも言えます。

沼津に限らず、静岡県全体が魅力的な土地ということも言えるでしょう。富士山は言わずと知れた観光地であり、山だけではなく周辺の文化財等も含めてみるべき場所です。伊豆半島などには温泉が多数存在し、休みの日にゆっくり過ごすこともできます。富士宮焼きそばのようなご当地グルメも各地にあるため、それらを食べて楽しむということもできるでしょう。

個人的には、沼津市ないし静岡県は、日常生活からちょっとしたお出かけまで、ほとんどが県内で完結してしまう土地であるように感じてしまいます。静岡県内でも西部や山間部は日帰りではなく1泊した方が存分に楽しめそうな場所であり、沼津市内でも、安田屋旅館は移住した今なお泊まりに行きたいなと思う場所で、その先の戸田には、いくつかある民宿に泊まりつつゆっくり過ごしてみたいなとずっと思っている土地です。市内もしくは県内の近場で色んな過ごし方ができるゆえ、思い切ってその土地をとことん楽しむというのも、移住生活における選択肢であるのかもしれません。

③首都圏へのアクセスはかなり良い

沼津の交通事情においてよく言われる話として、「沼津には新幹線が停まらない」というものがあります。「沼津市民が反対したから三島に停まるようになった。それゆえ沼津が衰退した」などというある種の都市伝説もありますが、「沼津市西部から富士市東部にまたがる湿地帯を避けて建設することとしたため、沼津駅を通るルートだと急カーブができてしまうため、三島駅付近から山側に逸れるルートを採用した」というのが、事の真相だそうです。

とはいえ、沼津駅は新幹線停車駅の三島駅まで1駅。その恩恵を十分に受けることができます。静岡県下ゆえにのぞみは停まりませんが、一部のひかりとこだまは停車するため、1時間当たり2~3本ほどの列車を利用することができます。一番遅いこだまであっても、三島駅から東京駅までは約50分。乗り換え時間にもよりますが、沼津駅~東京駅間の所要時間は、ざっくり1時間程度というところでしょうか。

新幹線だけではなく、安価な高速バスも便利に使うことができます。沼津市内発着の高速バスは本数が限られますが、三島駅発着の三島エクスプレスなど、周辺の都市を発着する高速バスは本数が多く、気軽に乗ることができます。個人的には、御殿場駅に停まる高速バスもおすすめしたいところです。バスタ新宿から東名高速道路を通り、御殿場駅を経由して箱根に向かう路線で、そちらを使って東京都下にある実家に帰ったことがあるのですが、御殿場市内から東京都内に向かう足としても使われているようでした。沼津駅御殿場駅間は約30~40分ほど。御殿場駅前~バスタ新宿間は、道路事情により大きく変動しますが、2時間前後の所要時間となっています。新幹線に比べると遅いですが、御殿場駅前~バスタ新宿間の運賃は新幹線の三島駅~東京駅間の半額以下です*1

首都圏へのアクセスが充実しているため、何かと首都圏で開催されることが多いライブイベントにも、比較的参加しやすい環境と言えるはずです。ライブの終演から新幹線の最終列車の時間に間に合うかどうかはケースバイケースかもしれませんが、最終のこだま815号三島行きは東京駅22時48分発、品川駅22時55分発、新横浜駅23時7分発であり、ライブ会場を早々に離脱し、打ち上げなどもせずにそのまま新幹線の駅を目指して移動すれば、間に合うことがほとんどなのではないかと考えます。三島駅に着くのは23時39分、そこから東海道線普通列車に乗り換えて沼津駅に着くのが23時52分で、日付が変わる前には沼津駅までは帰ってくることができます。また、夕方までに会場につけば良いという場合、高速バスに乗るという選択肢だって使えるものかと思われます。

その他、東京駅からJR東日本の新幹線に乗れば、北陸や新潟、東北や北海道まで1本で移動できるほか、品川駅から京急線に乗り換えれば、羽田空港までもそこまで時間をかけずにたどり着けるはずです。ライブの遠征に限らず、蓮ノ空の舞台巡りで金沢まで行くときや、Saint Snowゆかりの地として函館まで遊びに行くときにも、お金がかかってしまうことは事実ですが、交通手段には困らないでしょう。人とお金が集まる分、首都圏の高速・長距離の交通機関の充実度は日本国内でも群を抜いているのではないかと思いますが、沼津で生活していても、その恩恵に与ることができます。

④「コロナ禍」を経て世に出てきたものを活かして、「推し活」も充実できるか?

また、コロナ禍を経た近年では、ライブに際して「有料生配信」が実施されることが定着しつつあります。自宅などでスマートフォンタブレット、パソコンなどからライブの映像を観ることができるというものです。それらの機器をテレビに接続すれば、大きな画面でライブ映像を観ることができます。配信用カメラによって見どころの映像が抜かれていることもあり、その点現地で見るよりも見どころを見逃すリスクが少ないという見方もできます。

とはいえ、新型コロナウイルスが猛威を振るっていた頃より、有料生配信には否定的な声があった他、コロナ禍が終息した今においては、以前実施されていた映画館などにおける「ライブビューイング」に置き換えられてもいいのではないかという考え方もできます。考え方は人ぞれぞれかもしれません。とはいえ、家で食べ物や飲み物、そして制限は特にないのでお酒も好きなように楽しみながら、ゆっくりとライブを見るというのも、それはそれで楽しみ方の1つなのではないかと思います。

⑤沼津で、静岡で、いったい何をしますか?

というところで辿り着くのがこの問いです。沼津に限らずどこでもそうと言えますが、ある土地に引っ越すことがすんなりとできてしまったとしても、そこで暮らし続けるこっとはなかなか難しいはずです。まずはざっくりと、「沼津でどうやって過ごそうかな?」ということを、数年先まで見通すことが大事なのではないかと考えます。

筆者自身、短期的な目標として①御殿場の蒸留所を見学、②アスルクラロ沼津の試合観戦、③静岡県内の私鉄乗りつぶしというものがあります。その先の目標では、富士山登頂を目標とした登山や県内のクラフトビールのブルワリー制覇などがあります。これらは移住前から考えていたことであり、馴染みのお店などに満足してしまっている節もなくはないのですが、今年から積極的に取り組んでいきたいと考えています。最終的な目標としては、沼津での移住生活の良いところも悪いところもしっかり伝え、沼津に移住したいという人が、楽しく充実した移住生活を送るのに貢献したいものもあります。そのためにも、ブログやSNSなどでのアウトプットに専念せず、街中のお店などのリアルワールドでのコミュニケーションも含めて、沼津市静岡県全体についてのインプットも大事にして、色んな楽しみを見つけていきたいと考えています。

引っ越し自体、相当な費用と労力を必要とするものであり、やはりその土地が合わなかったという場合には、それらが余計にかかってしまう事態になりかねません。仮に「沼津への移住」が目標であったとしても、それは移住が実現した瞬間に、「沼津での生活」のスタートラインになります。無為に過ごして後悔するのも、楽しく充実した生活を送るのも、その人の選択次第です。相当な負担をもって実行に移すのであれば、誰もが後者のような姿でありたいと思うはずです。

(2)沼津でどうやって生活するか?

①仕事はどうするか?→どうやって生活費や趣味に使うお金を稼ぐか?

念願かなって移住が実現したとしても、そこで暮らし続けることを考えると、「いかにして生活資金を稼ぐか」という問題が立ちはだかるものかと思います。最低限の日常生活を送るだけではなく、例えばライブに行ったり、オフ会のようなイベントに参加したりするには、それなりの資金が必要になるはずです。

現在東京や横浜などの首都圏にオフィスがある会社に勤めていて、その会社が新幹線通勤やテレワークを認めているのであれば、職場はそのままに住居だけ沼津に移すというのが正解なのかもしれません。コロナ禍でテレワークが浸透した近年、「テレワーク移住」をする人が増えていると聞きます。週に1回、あるいは月に数回新幹線を利用して出勤し、それ以外は家で仕事をするというライフスタイルです。転職活動をする必要がないため、移住に際してのハードルが一番低い選択肢であると言えます。

一方で、そうした「テレワーク移住」や新幹線通勤ができない場合、「沼津での転職活動」というものが必要になってくるものと思われます。静岡県東部における主要な都市の1つである沼津市には、業種を問わず様々な会社が存在します。しかしながら、その数は首都圏などの大都市圏にはやはり劣ってしまう上、待遇面でも少し厳しい会社が少なくありません。

個人的には、沼津市から在来線や一般道で問題なく通える範囲、目安としては通勤時間が1時間程度で収まるところであれば、そこも視野に入れて転職活動を行うのが良いのではないかと考えます。富士市裾野市三島市など、周辺の都市も選択肢に加えれば、条件面で納得のいく会社が見つかる可能性は多少なりとも上がるはずです。あくまで「沼津で生活すること」だけを目的とするのであれば、職場が沼津市内である必要はないかもしれず、選択肢は広く多く持っておくべきでしょう。

仕事探しの方法も、自治体や公的機関が運営するものに限らず、民間の転職サイトや転職エージェントなどを使うことも、前向きに検討するべきであると考えます。考え方は人それぞれかもしれませんが、沼津での生活を安定していてかつ充実したものにしたいのであれば、手段を選んでいる場合ではないと考えます。筆者自身、転職エージェントのサービスを利用し、静岡県東部でも沼津市ではないところにある会社にご縁があり、移住とともにそちらへ転職しました。通勤には往復で2時間くらいかかっていますが、長時間の残業はなく、土日も休みであり、今のところは沼津で比較的ゆっくりと生活できているように感じています。

学生の方であれば、静岡県東部の会社への就職を前提とした就職活動を行うほか、沼津市や周辺自治体の職員になることも視野に入れるのもいいかもしれません。「なぜ地元ではなく静岡県東部の会社(自治体)を選んだのか」ということを聞かれる可能性もありますが、有利に働くような志望動機を自分の中で練って伝えれば、相手にちゃんと伝わるのではないかと考えます。

②沼津の「どこ」というのが、めちゃくちゃ重要な検討事項

「沼津移住」と一言で言っても、沼津市はかなり広く、どこに住むかで生活の形は大きく変わってくるはずです。沼津駅の徒歩圏内の地域と、ラブライブ!サンシャイン!!の舞台の中心地である内浦・西浦地区では、地域の特性が大きく異なります。その他、片浜や原といった地域も存在し、それぞれ大きく違った土地であると言えます。

筆者の場合、車を所有していなかったため、仕事から買い物、その他休日等の外出において、徒歩や自転車、バスなどの公共交通機関で完結する地域であるというのが必須の要件になっていました。それゆえ、必然的に沼津駅の徒歩圏内で家を探すことになりました。

沼津で家を探すのに、留意すべき事項はいくつかありますが、筆頭に来るのは「災害」なのかもしれません。南海トラフ巨大地震における津波被害のほか、豪雨における狩野川等の河川の氾濫、富士山の噴火など、発生が懸念される災害はいくつかあります。

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これらの災害については、被害予想のハザードマップ等の情報が公開されており、各地域の被害状況を確認することができます。家を探す際には、これらの情報は言うまでもなく必ずチェックするべきではないかと考えます。筆者が住んでいる家については、もしかしたら津波で浸水してしまうような場所で、狩野川が大規模な氾濫を起こすと浸水する可能性があるところにありますが、鉄筋コンクリート造のマンションの4階の部屋に住んでいるということもあり、水が引くまでは身動きが取れないことが想定されるものの、家にいる限りは無事である可能性が高いのではないかと考えています。何事も物事はとらえようだと思いますが、予想される災害を正しく恐れることができるかということが大事なのではないでしょうか。

その他、注意すべきこととして挙げたいのは「ガスの種類」でしょうか。一般的にいかなる地域でも、プロパンガスは都市ガスよりもガス料金が高くなるとされており、沼津も例外ではありません。筆者の家は前者で、感覚的には都市ガスの物件に住んでいた頃の倍くらいの額になっています。家にいる日は毎日風呂を沸かして入り、ガスコンロを使って自炊をしていますが、1か月あたりおよそ9,000円のガス代がかかっています。

そこだけ考えると、プロパンガスの物件は回避した方が良いように思えますが、沼津で賃貸物件探しをした経験則からすると、沼津駅周辺にもプロパンガスの物件は多数あり、安い物件はほとんどがプロパンガスとなっています。今住んでいる部屋と同じような物件を沼津駅徒歩20分圏内でざっくりと探してみると、ガス代が高くつく分よりも家賃が高い物件が多くなってしまうようでした。生活スタイルにもよるとは思いますが、その点はしっかり比較検討した方がよさそうです。

筆者自身、これまでに物件探しをした経験は、片手でも余裕で数え切れる回数しかないため、「詳しいことは不動産屋さんに聞いてください」というのが、この話題に関する正直な感想かもしれません。沼津には地域密着型の地元の不動産屋さんもいくつかあり、そうしたお店は地域の情報にも明るいことが多いため、インターネット経由でもそうしたところに問い合わせてみるのも良いと思います。大事なことをもう一つ付け加えるのであれば、「内見には必ず行け!」というものがあるのでしょうか。

③楽しく暮らすにも、堅実な土台が必要

基本的なこととして、生活資金や住居など、生活の土台となるものをしっかり考えなければ、移住先での生活は、沼津ではない土地でも失敗するでしょう。それが原因で、大好きだった土地が嫌いになってしまうというのは、考えうる限り最悪の結果であると言えます。

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アニメの舞台巡りなどで沼津に幾度となく足を運んでいたとしても、沼津における生活設計は、念入りにやっておくべきでしょう。沼津市のほか、沼津に移住した人で作られた団体などが、移住希望者向けの相談会などを開催しているため、そちらに参加して、実際に生活している人の意見を聞くということが、一番有効な手立てではないかと考えます。良い話に限らず、判断材料となりうる様々な情報を収集することが肝心なのではないのでしょうか。

4.おわりに―沼津暮らしはいいぞ!

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沼津で暮らし始めて2ヶ月ほどという割には、だいぶ厳しいことを書いてしまったかのように思っていますが、沼津暮らしのリアルとは、概ねこの辺りに集約されるのではないかと考えています。筆者自身への戒めもふくめた箇所もいくつかあり、そうしたポイントを今後も忘れることなく、安定かつ充実した沼津暮らしを送り、アップデートを重ねていきたいと思う次第です。

ただ今の時点で一番言いたいのは、「沼津暮らしはいいぞ!」ということです。津波のリスクがかなり高い、県知事の言動がめちゃくちゃすぎて外に出たときに恥ずかしい等々、躊躇う要因を挙げ始めるとキリがないのかもしれません。筆者自身、津波が来たら怖いとは思っていますし、県知事はどうにかならんのかと日々感じている次第であり、それら以上に海からの風が予想以上に強すぎて日々困惑しているですが、それらを差し置いてでも、「沼津に住んでよかった!」と思える瞬間がいっぱいあるというのが正直なところです。干物やみかんなどの食べ物が美味い、温和な方が多い、適度に自然があって適度に都会、車を持っていなくても案外何とかなってしまうなど、良いと思える理由もいっぱい思いつきます。

じっくり考え、念入りに準備をすることが必要ということは、こちらの記事に書いた通りです。その上で、迷って仕方がないというのであれば、いっそ移住を決めるという方向に、思考や行動を向けるのが良いのではないのでしょうか。繰り返しにはなってしまいますが、筆者は沼津への移住を実行に移すという選択は、現時点では間違いではないと感じています。沼津市は多くの人にお勧めしたいと思える土地です。今後もその良いところを発掘したり、日常生活で様々なことを体験したりすることを通して、沼津での生活の様々なポイントを発信できればいいなと考えています。

*1:2024年1月時点