【沼津バー巡り】Public Bar SMOKE(スモーク) カクテルやウイスキーだけじゃない!料理やビールも気軽に楽しめるカジュアルなバー

お酒を多く提供するお店の中でも、バーは特にメニューがお酒中心になっていて、それもウイスキーやカクテルのようなものが中心である場合が多くなっています。食べ物もメニューにあるお店が大半ですが、例えばミックスナッツやチーズのような軽食がほとんど(もっとも、それもかなり良いものだったり、バーテンダーによって手が加えられていたりする場合が多い!)。

plumroom-0417.hatenablog.com

先日ご紹介した沼津仲見世商店街の「ねこと白鳥」さんは、バーとしてはかなり珍しく、お菓子のメニューが充実しているお店です。バーらしくお酒のラインナップも相応なものではありますが、お菓子とコーヒーや紅茶をいただきながら食後の時間をゆっくり過ごすという楽しみ方もできるお店です。他のお店で飲んだ後、どこか2軒目に行こうという時も、もう少しお酒を飲みたいという人から、お酒はいいので何か甘いものや温かい飲み物が欲しいという人まで、幅広く楽しめるのではないかと思います。

f:id:plum_0417:20240110220340j:image

今回ご紹介するPublic Bar SMOKE(スモーク)も、お酒だけではない楽しみ方ができるお店です。上本通り商店街のある通りの一本西寄りの道に面したビルにあるお店です。

階段を上がりドアを開けて入ると、右手にカウンター席と、左手にはテーブル席が広がっています。カウンターの奥にあるバックバーには、ウイスキーから焼酎、その他リキュール類などが多数並んでいます。

f:id:plum_0417:20240110220445j:image
f:id:plum_0417:20240110220439j:image
f:id:plum_0417:20240110220442j:image

お酒をオーダーするとお通し(チャーム)が出てくるのはどのバーにも共通するところではありますが、SMOKEさんのチャームは写真の通り、ほぼ料理のようなものが提供されます。写真の中にはポテトチップスのようなものもありますが、こちらは「ポテトチップスのスモーク」。ポテトチップスを短時間燻製させたもので、単品で頼むこともできます。

f:id:plum_0417:20240110220654j:image

一押しのお酒はウイスキーだったり、カクテルだったり、ワインだったりするなど、バーといってもそのくくりの中には様々なお店がありますが、SMOKEさんはビールが美味しいバーです。最初の1杯に生ビールをオーダーしている方を見かける機会も多く、そちらとお通しでスタートするというのも良いです。ぱっと見普通の中ジョッキのビールですが、目の前でバーテンダーの方に丁寧に注いでいただけるのは、バーならではだと思います。

f:id:plum_0417:20240110220934j:image
f:id:plum_0417:20240110220901j:image

f:id:plum_0417:20240110221059j:image
f:id:plum_0417:20240110221221j:image

普通のビールに限らず、沼津市の「沼津クラフト」や三島市の「fete(フェット)*1」などのクラフトビールも飲むことができるほか、飲食店でしか飲めない「ガージェリー」というビールも取り扱っており、お酒はビールだけで通したとしても、いろいろな種類のビールをいただくことができます。

SMOKEさんで外せないのが料理です。バーながら料理がとても充実しているのがこちらのお店の特徴と言えます。お酒を飲みながら過ごすだけではなく、食事もできるというところが、SMOKEさんの良いところです。

f:id:plum_0417:20240110221339j:image

f:id:plum_0417:20240110221511j:image

名物としてまず紹介させていただきたいのが燻製。「SMOKE(スモーク)」という店名の通り、燻製の料理がいくつかあります。一番スタンダードなのが燻製の盛り合わせで、鶏ももやししゃも、たくあんやこんにゃくなど、さまざまな食べ物の燻製をいただくことができます。「カキのスモーク」はバケット付きで、器に残ったカキのエキスが出た汁をバケットにつけて食べるなど、じっくり楽しむことができる料理です。

f:id:plum_0417:20240110221920j:image
f:id:plum_0417:20240110221923j:image

次いでご紹介するのが「ハモンセラーノ」。いわゆる生ハムの一種で*2、SMOKEさんではスペイン産で36か月熟成のハモンセラーノをいただくことができます。ハモンセラーノが載ったサラダもメニューに存在しており、こちらも外せません。ハモンセラーノだけでも、とてもおいしくいただくことができます。長期熟成によりうまみが凝縮されており、お酒が進む一品です。

f:id:plum_0417:20240110222029j:image

お酒のおつまみになる料理に限らず、シメにいただきたいものもそろっているのも、SMOKEさんの激推しポイント。こちらの牛すじカレーライスは、トロトロの牛すじとスパイスの風味がよくマッチした一皿です。カレーライスのほか、カレーピザやカレーうどんもあり、飲んだ後でも自然と完食できてしまう料理です。

f:id:plum_0417:20240110222356j:image
f:id:plum_0417:20240110222406j:image

ビールや料理だけではなく、ウイスキーやカクテルもしっかりそろっています。入荷状況にもよりますが、少し珍しいウイスキーが入荷していることもあります。カクテルに関しては、ロングカクテル*3のみのラインナップにはなっていますが、それでも様々なお酒をベースにしたカクテルが豊富にあり、中には見た目も楽しめるカラフルなものもあります。

f:id:plum_0417:20240110222514j:image

バーの楽しみ方はまさに三者三様というべきもので、こちらのSMOKEさんでは、ビールを飲みに来た人もいれば、カレーを食べに来たという人もいて、そうかと思えばウイスキーをゆっくり楽しむ方もいます。お店全体の雰囲気も良く、一人でふらっと入っても、楽しい時間を過ごせるはず。「バーには興味があるけど、どんなお酒があるかわからないし、一人で行くのは緊張する…」という方にも、全力でおすすめしたいお店です。

plumroom-0417.hatenablog.com

 

*1:醸造所は三島市ですが、オーナーの方は沼津駅近くにて飲食店を営まれています。

*2:生ハムの主な産地はスペインとイタリアですが、そのうちスペイン産で白豚を使うのが「ハモンセラーノ」です。生ハムと一括りに言っても、同じくスペイン産でイベリコ豚を使う「ハモンイベリコ」やイタリア産の「プロシュート」など、世界各地で様々な種類のものが作られています。

*3:氷が入った大きめのグラスに注がれて提供されるカクテルやお酒をお湯や温かい飲み物で割ったカクテルなどが、ゆっくり味わいながら楽しめるカクテルという意味で、「ロングカクテル」と一般的には呼ばれています。それに対し、足が付いている小さめのグラスを氷などであらかじめ冷やし、氷を捨ててから注いで提供されるカクテルが、お酒が人の体温やお店の室温などでぬるくならないうちに飲み切ってしまうカクテルという意味で、「ショートカクテル」と呼ばれています。前者の代表例は「ジントニック」や「モスコミュール」、後者の代表例は「マティーニ」や「ギムレット」が挙げられます。

2024年もよろしくお願いいたします!

だいぶ遅くなってしまいましたが、皆さま今年もよろしくお願いいたします。

元旦には能登半島において地震大変大きな地震があったほか、翌日には羽田空港において旅客機と海上保安庁の飛行機が衝突する事故があり、旅客機の乗客乗員は全員脱出した一方、海上保安庁の飛行機の乗員6名のうち5名が亡くなられたほか、機長の方も重傷を負われたとのことでした。地震や航空事故において亡くなられた皆様のご冥福をお祈り申し上げるとともに、被災されたすべての方にお見舞い申し上げます。

2023年を振り返ってみると、個人的には良いのか悪いのかは別として、激動の一年でした。25歳を迎え、社会人3年目にして転職を経験し、また11月末には沼津市への移住を実現させるなど、学生時代には考えもしなかったことが多くあった1年でした。

plumroom-0417.hatenablog.com

その中でも、2023年の一番のビックイベントは、やはり沼津市への移住でしょうか。今まではどうしても遊びに行く場所としてとらえていた場所が、とうとう日常生活の場になってしまったというのは、やはり大きな変化だったように思います。まずは適度に手を抜きつつ丁寧に、健康第一で生活することを意識しながら、楽しむことを忘れずに過ごせたらいいなと考えています。

plumroom-0417.hatenablog.com

plumroom-0417.hatenablog.com

plumroom-0417.hatenablog.com

plumroom-0417.hatenablog.com

昨年10月ごろより、当ブログ内にて4つのシリーズを打ち上げていました。バー巡りについては1つ更新できましたが、転居や転職に伴う諸手続きやその他私事が立て込んでおり、なかなか更新できずにいました。今後は地の利を活かし、定期的に更新していきたく考えております。バーに関しては、私自身がまだ行けていないお店がまだまだあるほか、クラフトビールも新しいお店が増えているという情報もあり、それ以外の分野も含め、散歩がてら私自身の情報のアップデートを行い、記事にまとめます。

今週のお題「2024年にやりたいこと」

①御殿場にある蒸留所を見学する

アスルクラロ沼津の試合を1回は見に行く

静岡県内の私鉄全路線を乗りつぶす

スマホを買い替える

⑤運動する習慣をつける

はてなブログさんの「今週のお題」にあった「2024年にやりたいこと」について、上記の5点を「やりたいこと」として挙げておきます。

①については、御殿場市にあるウイスキーの蒸留所の見学ツアーに参加したいという内容です。沼津から御殿場までは電車で30分から40分ほどなので、休みの日に比較的気軽に行ってこれるのかなと思っています。

②は2023年から持ち越したものです。ラブライブ!サンシャイン!!とのコラボ試合に限らず、愛鷹で行われるホームゲームに足を運びたいと考えています。昨年は一時J2昇格を伺う順位まで行ったそうですが、今シーズンは再びJ3での戦いになるそうです。特例でのJ2ライセンス交付というニュースもあったので、今年こそは上のステージを伺えるような戦いに期待したい次第であり、ぜひとも現地で応援せねばと思っているところです。

③は今年からの目標です。大井川鐡道に一部不通となっている区間が存在するため、そちらは今年中に乗りに行けるかだいぶ怪しいところではありますが、それ以外の私鉄はすべて乗ってしまいたいと考えています。JRについては、昨年までに全ての路線に乗っているため、今年中に県内の私鉄をすべて乗りつぶすことができれば、静岡県内の私鉄は完乗となる見込みです。

④は、それに向けた予算をちゃんと確保しておこうというものに近いのですが、今使っているiPhone12 miniが今年の秋に購入から4年を迎えるため、今年の秋~冬ごろをめどに買い替えようというものです。夏の終わりか秋ごろにはiPhoneの次期型が出るものと思われるので、それを狙っていこうかと考えています。miniはもうないので、普通のiPhoneを軸に検討しますが、価格次第ではProも比較してみようかなと考えています。カメラの性能が全然違うはずなので、そこはゆっくりじっくり迷ってみようかなと思っています。

⑤は割と本気で考えたい話です。高校卒業以来、体育の授業が一切なかったため、体を動かす習慣がほとんどないまま過ごしてきましたが、いい加減何かを始めようかなと思っているところであり、春先までには何らかの行動に移したいです。沼津市総合体育館が家の近くにあり、そちらにあるジムが1回150円で使えるそうなので、そちらの活用も考えているところです。その他、狩野川の土手をランニングするというのも、運動としては大いにありなのかなと思っています。

f:id:plum_0417:20240107213750j:image

機会を見つけてどこかで話をしたいところではありますが、沼津に限らず、移住とはゴールではなくスタート地点であり、そこでどう生活するかが自分にとって移住という選択肢がどうだったかを決めるのではないかと思っています。少しでも実りある沼津暮らしを送れるよう、2024年は様々なことにチャレンジしていきたいです。

【ご報告】沼津市に移住しました

いつもお世話になっております。いや、お世話になりすぎているかもしれません。

f:id:plum_0417:20231129101116j:image

表題の通り、この度沼津市へ移住いたしました。2023年5月以来、静岡県内の近隣自治体に住んでおりましたが、一身上の都合により、沼津市へ住居を移すことになりました。

plumroom-0417.hatenablog.com

plumroom-0417.hatenablog.com

思い起こせば初めて沼津を訪問したのが5年前の3月。友人が運転する車に乗り、どんなところか思い浮かべながら向かったのも懐かしい思い出です。思っていた以上に街がラブライブ!に染まっていたこと、またラブライブ!以外の面でも良い街だと、当時から感じていました。

学生時代を含めて、沼津へは東京の実家から月に1度ほど遊びに行っていました。青春18きっぷを使ったり、あるいは金券ショップでバラ売りされている回数券を買って使ったりと、今では思い立たないとやらないようなことをよくやっていたなと、不思議と感心してしまうほどです。時には当時はまだ185系だった特急踊り子のグリーン車に乗ったり、スーパービュー踊り子の上り列車の先頭車の展望席(前面展望を楽しめるのに普通車!)に乗ってみたりと、学生感覚での贅沢もしていたのも良い思い出です。

plumroom-0417.hatenablog.com

思うように沼津へ遊びに行けなくなったのが、2020年に始まった新型コロナウイルスの感染拡大期。就職活動と被ったゆえにそもそもそんな余裕があったかというと微妙なところではありましたが、終わったところで世の中の風潮としては遊びに行けるような雰囲気ではなかったのも事実でした。とはいえ、少しずつ外出や旅行が許容されるようになったころに行ってみると、以前と変わらぬ空気感の沼津がそこにはあり、そうしたことも沼津っていい街だなと感じさせられた理由です。

plumroom-0417.hatenablog.com

今年の5月に静岡県内に転居したということもありましたが、これまで「沼津への来訪者」だったものが「沼津市民」へとポジションが変化するというのは大きな違いなんだろうなと感じています。実際に住んでみて感じるものや見えてくるものもあると思いますし、それが必ずしも良いことばかりであるとは考えていません。しかしながら、好きな街に住むという一つの目標を実現したからには、必要なところには工夫を重ねながら、楽しく充実した生活を送りたいと思っています。

plumroom-0417.hatenablog.com

f:id:plum_0417:20231129101148j:image

どんな偶然か、今年は沼津市が誕生してから100年という節目の年です。そんなタイミングで沼津での新生活を始められるというのも、何かのご縁なのかなと勝手に感じてしまっています。沼津の地に根を張り、丁寧に生活することも大事ではありますが、まずは思う存分楽しみたいですね。

【乗ってみた】自動運転車両「シーラカンス号」実証実験(沼津駅~沼津港間 11/23まで)

2023年11月17日から23日にかけて、沼津駅と沼津港の間にて、自動運転車両「シーラカンス号」の実証実験が行われました。

www.city.numazu.shizuoka.jp

www.pref.shizuoka.jp

沼津市では、街の玄関口となる沼津駅と、静岡県東部でも有数の観光地となっている沼津港の間を結ぶ交通手段の強化に向けた検討を進めています。その一環として、静岡県が進めている「しずおか自動運転ShowCASEプロジェクト」と連携し、2019(令和元)年度から公道上での実証実験を行っています。過去には、日本初の行動上での自動運転と交差点におけるバス優先信号制御を組みあわせた実験が行われました。4回目となる今年は、特定の条件下でのすべての運転操作が自動化される自動運転レベル4を想定した実験となったほか、信号と自動運転車両を連携させて、交差点への接近・通過時に車両へ信号の色や残り時間を通知することによって、自動運転車両が交差点を安全に通過できるかという検証が行われました。

f:id:plum_0417:20231122234851j:image

使用されていたのはこちらの車両。電動ゴルフカートを改造した車両とのことで、乗車定員は6名。幅が細く見えますが、運行補助者などを合わせて8名が乗車できるように改造したため、全長が長くなったらしく、ナンバープレートが3から始まる普通乗用車の扱いになったようです。最高速度は19㎞/hで、沼津駅と沼津港の間で2020年3月から運航されている小型EVバス(グリーンスローモビリティ)と同じになっています。

f:id:plum_0417:20231122234936j:image
f:id:plum_0417:20231122234939j:image
f:id:plum_0417:20231122234933j:image

車体には自動運転に必要な装備が複数ついていました。カメラやレーダー、LiDAR(ライダー)などにより、周囲の状況や車両、障害物や地形などを把握し、安全かつスムーズな自動運転ができるようにしているそうです。

www.izuhakone.co.jp

www.city.numazu.shizuoka.jp

f:id:plum_0417:20231122234248j:image

LINEを介して予約をし、係員に予約番号を提示すると2台あるうちの指定された車両に案内されました。安全のためにシートベルトを着用するように促されたのち、沼津港から沼津駅に向けて発車。

f:id:plum_0417:20231122234343j:image

車内に設置されたモニターからは、交差点を曲がる際のハンドル操作が確認できるようになっていました。まだまだ開発段階にある技術であるため、複雑な形状の交差点では人の補助が必要になる場合もありましたが、沼津港の入り口ともいえる千本港町交差点等、普通の交差点では、不安に感じるような挙動は特にないまま交差点を曲がっていきました。
f:id:plum_0417:20231122234357j:image

さらに北上すると、交差点における信号との連携が始まりました。沼津駅~沼津港間のさんさん通りの交差点のうち、御成橋右岸側の通横町交差点より北の交差点については、交通管制センターでの遠隔操作が行われているそうで、交通量に応じて信号のタイミングを制御しているとのこと。交差点に設置された信号機の制御装置と連携し、車両が信号の色と残り時間を認識することで、安全なタイミングで交差点を通過することができるという仕組みになっています。

また、今年の実験では、沼津仲見世商店街の店舗跡にコントロールセンターを設けることで、自動運転車両の運行状況をリアルタイムに監視していました。カメラやマイクで車内や車両周辺の様子を確認し、必要に応じてバスを遠隔操作できるようになっていたほか、将来的には乗客への案内もできるようにしたいというお話でした。

f:id:plum_0417:20231122234440j:image
f:id:plum_0417:20231122234444j:image

沼津駅へは15分ほどで到着。最高時速こそ普通の路線バスよりもかなり遅いものの、直線的なルートかつ途中のバス停がかなり少ないため*1乗車時間自体は大きく変わりません*2周辺車両の予期せぬ動きに対応しきれないリスクもまだあり、人の補助もちらほらありましたが、自動運転でおおむねスムーズに走行していました。

アトラクションとして乗る分には面白い乗り物のように思えましたが、日常的な移動手段として使うにはどうだろうかと感じたのも事実です。途中の停留場が少ないのであれば、もう少し早く走って所要時間が短ければ、積極的に使いたいと思うかもしれず、駅と港を結ぶバスは、休日には観光客で混雑することもあるので、小さい車体では積み残しが頻発して使い物にならないような気もしました。

とはいえ、面白い試みであることは間違いなく、実証実験ということは、結果を踏まえたアップデートをこれから重ね、良い形での本格導入となることも期待できそうです。来年以降、同じような実験があれば、また乗車したいですね。

*1:沼津港発のみ途中の上土停留所に停車。

*2:東海バスの沼津港循環で駅⇒港が10分、港⇒駅が15分、伊豆箱根バスの沼13系統で駅⇒港が14分、港⇒駅が11分、同沼12系統が途中上土バス停のみ停車で8分。

【小さく見えるけど激変】沼津駅南口改札内のトイレが約2か月に及ぶ改装を終えて復活!細かい”地元愛”要素も

2023年9月中旬より、改装工事のために閉鎖されていた沼津駅南口改札内のトイレですが、先日改装工事を終え、改装後のきれいなトイレの供用が開始されました。

f:id:plum_0417:20231118230554j:image

筆者は男性ゆえ、男性用トイレしか中身を見ていないのですが、2か月にわたって閉鎖しただけあって、それ相応のアップデートはなされていました。個室については、従来は和式だったものが洋式になり、多くの人にとって使いやすいものになっていました。個室じゃない方も本体が更新されており、以前より綺麗になっていました。おそらくLEDに交換となったものと思われますが、照明も明るくなりました。内装のタイルはおそらくそのままでしたが、上記の内容による見た目に対する効果がかなり大きいようで、印象ががらりと変わったように見えました。

f:id:plum_0417:20231118230422j:image
f:id:plum_0417:20231118230435j:image

個人的に着目したいと思ったのが、サインにあしらわれた「沼津垣」です。風が強い沼津の地において、海風や砂を防ぐために、江戸時代ごろから盛んに作られるようになったというもので、沼津御用邸記念公園などでも見ることができるものです。伝統的な竹垣の中で、地名を冠するものは沼津垣を含めて2つしかなく*1、沼津の名物の一つとして、「ぬまづの宝100選」にも選ばれています。また、下に向かって濃くなっていくグラデーションは、日本一の深海を有する駿河湾を表現したそうで、深海魚の水揚げ量が多かったり深海魚専門の水族館があったりと、深海の街としても知られつつある沼津らしい表現がなされています。

www.city.numazu.shizuoka.jp

f:id:plum_0417:20231118230708j:image

築約70年となる沼津駅南口駅舎ですが、沼津駅付近の高架化事業の完成が20年近く先と見込まれている以上、もうしばらくは使われ続ける見込みです。それには、高架化の構想があったから旧来の駅舎が建て替え等されずに残り、その後高架化事業における10年以上のブランクを経て、今なお使われ続けているという背景があるのかもしれませんが、沼津駅自体、北口駅舎や跨線橋、地下通路を含め、細部において設備面で不足していると感じる箇所がないとは言い難いのも事実です。大きなスーツケースを持った人も少なくなく、エレベーターの増設やエスカレーターの設置等も必要そうに見えます。とはいえ、建て替えによる更新を控えた駅舎に大きな投資があるとは思えず、例えばトイレの改修のような、小さなアップデートを重ねつつ、向こう10年以上は今の姿のままなのでしょうか。

plumroom-0417.hatenablog.com

plumroom-0417.hatenablog.com

もっとも、前よりもきれいに見えることは事実であり、それ故に使うのをためらわなくなったというのも事実です。間もなく始まる冬の青春18きっぷのシーズンで、東海道線普通列車で行き来する人も増えるかもしれませんが、乗り換えついでに沼津で用事を済ませるのもいいかもしれません。個人的には、ぜひとも沼津で一度改札を出て、街を散策していただきたいなと思う次第ではありますが…。

*1:沼津垣と、近畿地方に多く見られる大津垣

【考えてみた】こちらも深刻?どうして伊豆箱根鉄道駿豆線では、未だに交通系ICカードが使えないの?(2023年11月現在)

沼津でイベントが開催される度、Twitter(現:X)などのSNSにて必ずと言ってもいいほど話題になるのが「沼津Suica問題」。東海道線熱海駅を境に、JR東日本の「Suica」エリアとJR東海の「TOICA」エリアが分かれており、熱海駅をまたいでこれらをはじめとした交通系ICカードを利用することができないというものです。イベントやキャラクターの誕生日など、多くの人が沼津を訪れるタイミングにおいて、交通系ICカードを利用して東京方面から在来線で来た人が、改札窓口などで駅係員による処理待ちの長蛇の列を作るということがあります。当然ながら、この状況は近隣の三島駅富士駅などでも起こりえるもので、現に筆者も自動改札機を通過できずにカードのデータ処理のために窓口へ向かう人を多く見てきましたが、沼津がラブライブ!サンシャイン!!の舞台となったこともあってか、インターネットにおいては沼津が特にピックアップされているという節もあるようです。

f:id:plum_0417:20231110001656j:image

沼津がラブライブ!サンシャイン!!の舞台となって早8年、「いい加減Suicaは使えないと学習しないのか?」という声も多く聞かれますが、「スマートEXなどの新幹線のチケットレスサービスを使うことにより、紙の切符を買うことなく沼津まで行ける」という解決策も存在します。当然ながら料金は在来線よりも高くなりますが、東京からの所要時間は在来線の半分以下になり、最新型のN700Sなら全座席にコンセントがついているなど、料金相応の利点があることも事実です。移動時間を短縮できる分、沼津への滞在時間を延ばせたり、在来線よりも快適な新幹線を利用することにより、移動による疲労も軽減できるというのもメリットとして挙げられるはず。根本的な解決策ではないという意見もあるかもしれませんが、ネットで予約して登録しておいた交通系ICカードを用いて乗車することにより、「券売機や窓口に並んで切符を買う手間を省く」という目的を達成する手段とは言えるでしょう。
f:id:plum_0417:20231110001528j:image

「沼津Suica問題」については有効な対処法が存在するものの、それでもどうにもできないのが、表題にもある伊豆箱根鉄道駿豆線における交通系ICカードの話。2023年11月現在、伊豆箱根鉄道駿豆線では、SuicaTOICAPASMOなどといった交通系ICカードを利用して電車に乗ることができません。JR東海道線御殿場線、周辺を走るバス会社*1や主なタクシー会社はほとんどが交通系ICカードに対応していますが、駿豆線だけが未だに対応していません。

交通系ICカードの先駆けとして、JR東日本Suicaを導入したのが2001年のこと。当初は首都圏エリアのJR在来線でしか使えないカードでしたが、JR西日本ICOCAJR東海TOICA、関東私鉄によるPASMO*2などが登場し、それらの相互利用が進むと、北海道から九州まで使える便利なカードとして普及していきました。初登場から20年以上経ち、大手の鉄道事業者のみならず、地方の中小私鉄においても、交通系ICカードを用いて電車に乗ることができる事業者が近年増えつつあります。

plumroom-0417.hatenablog.com

f:id:plum_0417:20231110001918j:image
f:id:plum_0417:20231110001956j:image

昨今、テレビや新聞などにおいて、地方ローカル線の窮状があちらこちらで報じられています。そうした時節柄の上で、「伊豆箱根鉄道の経営状況が良くなく、交通系ICカードの導入に向けた設備投資をしたくてもできない」などと考える方もいらっしゃるかもしれません。確かに、伊豆箱根鉄道のホームページにアクセスし、有価証券報告書などの資料を見てみると、コロナ前から経営状況はあまり良くない状況です。しかしながら、グループ会社の伊豆箱根バスや伊豆箱根交通(タクシー)では交通系ICカードによる乗車が可能になっていること、また、そもそも同じ伊豆箱根鉄道でも、神奈川県を走る大雄山線交通系ICカードは対応していることを踏まえると、経営状況による問題であるとはするのは、少し違うのではないかと考えます。

plumroom-0417.hatenablog.com

plumroom-0417.hatenablog.com

それなら何が考えられるのか。もっとも、それだと断言できるものを見つけることは容易ではなく、いくつか考えられるのかもしれませんが、筆者が一番ありうる要因であると考えるのが、東京方面から直通してくる特急踊り子の「修善寺編成」です。東京や横浜と伊豆半島を結ぶ特急踊り子号は、主なルートは熱海から伊豆半島東海岸を走って下田に至るものですが、そちらに付属編成を連結し、熱海駅から先は東海道線を通って三島駅に向かい、そこから駿豆線修善寺を目指す列車も存在します。

そこで浮上するのが、冒頭でも触れた「沼津Suica問題」の原因である「SuicaTOICAの境界跨ぎ」です。熱海駅を越えてSuicaエリアとTOICAエリアの両方を走ることになるため、熱海駅を越えて交通系ICカードを利用して踊り子の修善寺編成に乗車した場合、下車駅の改札窓口や精算機などにてカードの処理を行う必要があります。三島駅沼津駅であれば、窓口で処理や案内を行う駅係員がいるため、混雑状況により長時間待つ場合もありますが、何とか駅から出場できる状況にあります。

一方、必ずしもそうとはならなさそうなのが駿豆線内の駅。特急停車駅は基本的に有人駅ですが、一部を除き駅にいる係員が少なくなっています。列車が到着した際はホーム上の安全確認のためにホームにいる場合もあり、改札窓口での対応ができないことも想定されます。仮に現在の状況下で駿豆線交通系ICカードに対応した場合、熱海駅を跨いでの利用ができないにも関わらず駿豆線内まで交通系ICカードで乗車してしまう人が続出し、改札窓口などでの処理が多数発生してしまうことも考えられます。現状では駅における対応が難しいということが、駿豆線が未だに交通系ICカードに対応できていない大きな原因なのではないかと推測します。

この場合、「踊り子の直通が廃止されればハードルが低くなる」という見方もできるかもしれません。しかしながら、明確な数値を示すことはできませんが、踊り子の修善寺編成の利用状況は存続が危ぶまれるほど悪くなく、満席ということはなくとも、それなりに利用している人がいる状況です。また、185系からE257系への置き換えを経ても、当時はこれを機に廃止されるという見方も広まりましたが、駿豆線に入線できる5両編成が用意され、今なお運行され続けています。また、「列車の行き先には地域の宣伝効果がある」などという意見もあるようで、直通列車を廃止することは容易ではないのかもしれません。

f:id:plum_0417:20231110001354j:image

前述の通り、在来線では現状不可能ではあるものの、ネット予約サービスを利用して東海道新幹線に乗車すれば、TOICAエリアの外からも交通系ICカードだけで三島まで辿り着くことができるようになっています。また、JRの鉄道路線のみならず、伊豆箱根バスを含めた周辺のバス事業者も交通系ICカードを導入しており、地域の外からの来訪者だけではなく、地元住民においても交通系ICカードが普及してくることも今後十分想定されうることです。早朝から終電まで毎時3~5本程度の運行本数で、観光から通勤通学、その他日常生活において、十分便利に使える路線でもあるため、こればかりは本当に惜しいポイントだと感じるばかりです。切符を買うことなく、手持ちのSuicaでスムーズに乗ることができるようになったら、例えば伊豆長岡の温泉にも今まで以上に軽率に行きったり、ラッピング電車にも頻繁に乗ったりするようになるかもしれず、そうした日が待ち遠しい限りではありますが、自分で思い浮かべている以外の事情もあってか、それも現状難しいのかなとも考えている次第です。

*1:伊豆箱根バス東海バス富士急シティバス

*2:正確に言えば株式会社パスモによる発行

【鉄道高架化現地調査】来年着工予定!沼津の「新車両基地予定地」ってどんなところ?

10年以上ストップしていた沼津駅近鉄道高架化事業ですが、去る10月23日に新貨物ターミナルの施設工事が始まり、2041年度末の完成に向けてついに動き出しました。

plumroom-0417.hatenablog.com

news.yahoo.co.jp

www.asahi.com

完成まではあと20年近く要する見込みですが、貨物駅の移転は事業の第1ステップに位置付けられているものになります。貨物駅の移転工事が完了したのち、沼津駅の東側に位置する車両基地も移転し、メインとなる沼津駅付近の東海道線御殿場線の高架化工事が本格化する見込みです。

貨物駅移転に次ぐ第2ステップとなるのが、車両基地の移設工事です。沼津駅に隣接する車両基地とは、沼津運輸区の留置線のことを指します。東海道線御殿場線に挟まれた場所に広がる沼津の車両基地は、両線で運用されている211系・313系373系などが留置されているほか、東京方面から直通してくるJR東日本E231系E233系などが停まっていることもあります。かつては沼津機関区として、機関車のほか御殿場線身延線で運用されていた電車なども配置されていましたが、国鉄民営化やそれに伴う車両基地機能の再編などにより、沼津運輸区となった今では沼津に配置される車両はおらず、もっぱら折り返し電車の整備や留置、また終電後の夜間留置に用いられる場所となっています。

高架化後の沼津駅も、静岡県東部における地域の鉄道輸送の拠点となる予定であり、沼津には引き続き車両基地が所在することになります。しかしながら、ある程度の面積がある車両基地をそのまま高架化すると費用もかさんでしまうほか、現在の車両基地と高架化された沼津駅とを線路でつなごうとすると、線路の勾配が急になってしまうことなども考えられます。そのため、高架化に合わせて、車両基地沼津駅片浜駅間への移設することが予定されています。

f:id:plum_0417:20231106230630j:image
f:id:plum_0417:20231106230653j:image
f:id:plum_0417:20231106230623j:image
f:id:plum_0417:20231106230642j:image

車両基地の移設予定地も、新貨物駅同様にすでに用地が確保され、広大な空き地になっています。線路や周辺の道路からもよく見える巨大な看板が立っているのが、新貨物駅予定地との違いでしょうか。北側は小さな工場が並ぶ工業地帯となっており、そうした土地柄も踏まえてこちらが車両基地の移設先として選ばれたのでしょうか。

www.city.numazu.shizuoka.jp

この付近には踏切が3か所ありますが、車両基地の整備に合わせ、いずれも除却されます。代替手段として歩道橋などが整備され、線路の南北を行き来するルートは維持されます。また、新車両基地の西端に位置する踏切については拡張がなされることになっており、現在は自動車が通行できないものが、すれ違いもできるようになるそうです。

また、車両基地を南北方向に横断するような形で、アンダーパスも建設されることになっています。海沿いを走る千本街道から旧東海道と交差し、国道1号ららぽーと沼津の方向に向かって伸びる道路になる見込みです。片浜地区周辺では南北方向の道路があまり整備されておらず、またららぽーと沼津周辺では、特に休日にもなると道路の混雑が常態化しており、周辺地域の道路状況の改善にも直結しうる道路とも言えそうです。

www.at-s.com

www.city.numazu.shizuoka.jp

新しい車両基地は2024年度中にも着工する予定となっています。すでに工事が始まった新貨物駅に並行して工事が進められ、高架本体の工事に向けた準備が進められます。また、東海道線御殿場線の高架本体についても、2026年度には工事が始まる見込みです。東海道線上り、御殿場線東海道線下りの順に高架線に切り替えられ、2040(令和22)年度には鉄道の高架化が完了し、2041年度末をもって周辺道路の整備を含めた一連の事業が完成するという流れです。

完成こそとてつもなく先の話のように見える事業ではありますが、とはいえ沼津のあちらこちらにて、進み方としてはかなり少しずつではあれど、しかし着実に進みつつあることも事実です。莫大な予算を理由に今なお反対の声が大きいようですが、鉄道の高架化を受けてアップデートされる街に関しては、沼津の街に新たな形の活力をもたらすという意味においても、未来に残る資産となりうることも間違いないはずです。気力と体力の続く限り、変遷を追っていきたいと考えています。