【イベント参戦レポ】JR東海「さわやかウォーキング」×ラブライブ!サンシャイン!! 駿河湾から望む富士山と「内浦」(2024年3月16日)

1.イベント概要

f:id:plum_0417:20240319223452j:image
f:id:plum_0417:20240319223448j:image

JR東海が沿線各地で定期的に催している「さわやかウォーキング」の企画として、「駿河湾から望む富士山と『内浦』」が、伊豆箱根鉄道駿豆線伊豆長岡駅スタートにて、2024年3月16日(土)に開催されました。

plumroom-0417.hatenablog.com

今回のさわやかウォーキングはJR東海伊豆箱根鉄道、そしてラブライブ!サンシャイン!!のコラボ企画として開催されました。昨年3月から8月にかけて実施されていたJR東海ラブライブ!サンシャイン!!のコラボ企画「沼津ゲキ推しキャンペーン!」以降、長年にわたりラブライブ!サンシャイン!!と深くかかわることがなかったJR東海が、駅構内などへの装飾や沼津駅周辺でのコラボイベント開催、さらにはイベントに合わせた臨時列車の運行など、ありえそうでなかった企画が次々と行われました。

plumroom-0417.hatenablog.com

plumroom-0417.hatenablog.com

plumroom-0417.hatenablog.com

ラブライブ!サンシャイン!!とコラボしたさわやかウォーキングも、昨年6月以来何度か開催されましたが、いずれも沼津駅から徒歩で行けるエリアでの開催にとどまっており、ラブライブ!サンシャイン!!の舞台の地のメインとなっている内浦での開催は、これまでありませんでした。

f:id:plum_0417:20240319223508j:image

今回は伊豆箱根鉄道駿豆線伊豆長岡駅を起点とし、伊豆長岡の温泉街や狩野川の放水路沿い、そして内浦の海沿いを通る約10㎞のコースにて開催されました。企画名にもある通り、富士山が見えるコースを歩き、春の内浦を感じるというようなイベントでした。

2.当日の様子

(1)狩野川と富士山を眺めながら伊豆長岡から内浦へ

f:id:plum_0417:20240319223420j:image
f:id:plum_0417:20240319223424j:image

伊豆長岡駅をスタートし、国道136号線狩野川を渡ってからは、しばらく狩野川の土手を川の流れに沿って進みました。伊豆半島天城山系から田方平野を通り、黄瀬川や柿田川などと合流しつつ駿河湾に向かって流れる狩野川は、太平洋側の河川としては大変珍しく、北に向かって流れる箇所が存在します。伊豆長岡のあたりは、まさに狩野川が北に向かって流れるところです。

www.mlit.go.jp

kanko.city.izu.shizuoka.jp

f:id:plum_0417:20240319223534j:image

狩野川に沿って歩いていると、先の方に見える山々の間から富士山が見えました。海沿いまで富士山はお預けかと思いきや、スタート直後からその姿を見ることができました。すそ野が大きく広がる姿が好きという人も多いかもしれませんが、山々の隙間からちょこっと出ているというのも、富士山の姿として一興なのではないかと思います。

f:id:plum_0417:20240319223553j:image

しばらく進むと大きな水門が見えてきました。狩野川はこちらで本流と放水路の二手に分かれます。さわやかウォーキングでは、伊豆長岡から山をトンネルで貫いて沼津市口野地区へ流れる「狩野川放水路」の方へと進みました。

numazukanko.jp

f:id:plum_0417:20240319223615j:image
f:id:plum_0417:20240319223619j:image

狩野川放水路は1965(昭和40)年に完成した大規模水路です。古くから氾濫が発生し、流域に度々大きな被害をもたらしてきた狩野川の治水のため、戦後まもない1951(昭和26)年に着工しました。工事途上の1958年に発生した「狩野川台風」により伊豆地方で大きな被害が発生したことを受け、途中2か所のトンネルを2本から3本に変更するなどの大掛かりな工事の末に完成した放水路ですが、最大で毎秒2,000立方メートルもの水を流すことができる能力を誇り、流域の人命を守る治水の要として機能しています。

f:id:plum_0417:20240319223711j:image

f:id:plum_0417:20240319223657j:image

途中で伊豆長岡の温泉街に逸れつつも、概ね放水路に沿う形で、海沿いの内浦へと向かいました。水害対策としての大規模な水路は全国各地にありますが、トンネルで山を貫くものはそれほど多くないでしょう。難工事になりそうな構想を思いつき、それを実現にこぎつけた先人たちの努力には頭が上がらず、またこの放水路がフル稼働するような水害が起こらないことを願うばかりです。

(2)駿河湾越しに富士山を眺めながら海沿いを西進

f:id:plum_0417:20240319223641j:image

国道414号線の口野トンネルを抜け、放水路のトンネルが見える交差点から県道17号線に進みました。ここからは幾度となく来た内浦の海沿いの集落です。

筆者自身、内浦には何度かわからないくらいの回数は訪れています。内浦はもはや見慣れていると思っていましたが、それはあくまで車やバスで通った時の景色。徒歩で訪れるということは今まで一度もなく、景色をゆっくり楽しむということは、実は今までなかったかもしれません。

f:id:plum_0417:20240319223740j:image

沼津市街から国道を通って内浦に向かうと、ちょうど口野の交差点あたりで海が間近に見えてきます。「街を抜けたら 青い海が見えてくると」というAqoursの「Fantastic Departure」の歌詞を連想するような景色で、ここまで来ると「内浦に来た」と感じるようなあたりです。車やバスで幾度となく来ている場所で、その景色自体は何度も見ていますが、徒歩で来てみると感じるものが違いました。特に山間を抜けてくると、海まで来た時の達成感はかなりのものでした。

f:id:plum_0417:20240319223755j:image

しばらく歩いていると、「沼津アルプス」こと静浦山脈の向こうに富士山が見えてきました。「駿河湾から望む富士山」タイトルの通りの光景で、牛臥山や千本浜などと一緒に富士山が見える風景は、沼津ならではというべきものでした。

f:id:plum_0417:20240319223811j:image
f:id:plum_0417:20240319223815j:image

さらに進んで、2月25日をもって閉園した「あわしまマリンパーク」の乗船場付近まで来ると、富士山はそのすそ野まで姿を現してきます。沼津市内から富士山を観ようとすると、広い範囲で愛鷹山と被ってしまい、特に北西部ではほぼ見えないという地域も多いようですが、内浦まで来るとその見え方が少し変わります。千本浜や牛臥山、沼津アルプスなどと組み合わせた景色は、静岡県内でも内浦でしか見られないものでしょう。

f:id:plum_0417:20240319223831j:image

f:id:plum_0417:20240319223904j:image

あわしまマリンパークを過ぎると、ゴールとなっている伊豆三津シーパラダイスがいよいよ近づいてきます。「終わらない旅」だと思っていた10kmのコースも、いよいよ終盤戦。三津の漁港を過ぎると、ついにゴールに到着。ここまでの所要時間は約2時間でした。

f:id:plum_0417:20240319223937j:image
f:id:plum_0417:20240319223941j:image

全てがさわやかウォーキングの影響とは言いませんが、鯵などを多く提供する三津の飲食店はどこも混雑していました。少し寝坊気味だったがゆえにほぼ固形物を口にしていなかったので、落ち着いた場所での食事を求めてしばしの延長戦へと突入です。

f:id:plum_0417:20240319224004j:image

惰性で海沿いを西進していると、長井崎まで辿り着きました。内浦と西浦の境目となる長井崎ですが、筆者はここから見る富士山が一番好きです。愛鷹山とちょうどよく重なって綺麗なすそ野を描いている富士山を駿河湾越しに見ることができるというのは、長井崎ならではの風景だと思っています。Aqoursの9人をはじめとした浦の星の生徒も、アニメの中の世界とはいえ、おそらく同じ富士山を毎日眺めていたんだろうかと思うと、これに勝るものはなかなかないなというのが正直なところです。

f:id:plum_0417:20240319224034j:image

この日の昼食は西浦木負の「海のステージ」さんにてカレーをいただきました。富士山と駿河湾に千本浜と沼津アルプスを組み合わせた風光明媚な光景は、確かにここは保養地としての素質があると感じるところです。かつて内浦や西浦でリゾート開発をもくろみ、北欧の豪華客船をホテルに仕立てた西武グループの気持ちもわからなくもないというところです。

3.自分の足で歩いて初めてわかる景色

いつも車やバスで来るところに徒歩で訪問するという貴重な機会でしたが、徒歩ならではのゆっくりとしたペースで回ってみると、今回のさわやかウォーキングはいつも以上に風景をゆっくり眺められるいい機会であったと感じています。「徒歩で内浦に行く」というのは、今までなかなかなかった着眼点で、その点はJR東海の企画力の強さを感じる次第です。

JR東海ラブライブ!サンシャイン!!とのコラボも、スタートからまもなく1年が経過します。キャラクターの誕生日についても、3月4日の国木田花丸ちゃんをもって、ちょうど一巡しました。とはいえ、そのつながりは沼津駅を中心として未だに強固なように感じられます。元はといえばラブライブ!サンシャイン!!がきっかけとなって沼津に移住した筆者としては、日常生活において駅を利用するたびにうれしく感じるというのが正直な感想です。今後も今回のようなイベントがあったらいいですね。

【沼津】食べ歩き&飲み歩きに音楽も!「第16回ぬまづ港の街BAR」が2024年5月25日に開催決定!

1.「ぬまづ港の街BAR」とは?

毎年恒例となっている「ぬまづ港の街BAR」が、今年も開催されます。日時は2024年5月25日(土)の朝8時から夜9時。開催される地域は沼津駅から沼津港にかけてのエリアです。

minatonomachibar.com

今年で16回目となる当イベントは、その名の通り街全体が「BAR(バル)」になるというものです。様々な飲食店などが参加するイベントで、美味しい料理やお酒を食べ歩きながら、音楽を楽しむこともできます。

f:id:plum_0417:20240313233920j:image

イベントではこちらのようなチケットを利用し、料理やお酒などをいただくことができます。当日券だけではなく、前売券も販売されるので、予め購入してスムーズに回り始めるというのが賢い楽しみ方でしょう。

2.昨年の様子

こちらでは昨年の様子をざっくりまとめていきます。昨年も5月の最後の土曜日に開催されました。ちなみに筆者は昨年が初参戦でした。

(1)クラフトビールの屋台も出現

港でチケットを入手してまず向かったのはクラフトビールの屋台です。この日は朝からすっきり晴れて気温も程よく上がったビール日和でした。こちらでいただいたのは駅前に蒸留所とビアパブを構える「マスターズブルーイング」さんのビール。松林と船にびゅうおという、なんとも沼津らしい風景を眺めながら、沼津で作られたビールをいただきました。沼津クラフトさんのキャッチコピーに「沼津を飲み干せ」というものがありますが、まさにその言葉の通りでした。

f:id:plum_0417:20240313234011j:image

港周辺では、ほかにも沼津のブルワリーがいくつか屋台を出していました。沼津のクラフトビールには、ただのお土産レベルのものではなく、クラフトマンシップをしっかりと感じられるビールが数多く揃っています。そのような街も、少なくとも日本ではさほど多くないのではないでしょう。

(2)おなじみのお店も参戦

f:id:plum_0417:20240313234057j:image
f:id:plum_0417:20240313234101j:image

馴染みのお店も港の街BARに参加していました。大手町の「松浦酒店」さんも、店先にテーブルを展開して「角打ち」を開催。天気の良い休日の午後にも、店内で販売している商品を店先のテーブルで飲むことができますが、この日は港の街BAR限定でクラフトビールを樽から提供するなど、普段とは違った楽しみ方ができました。

f:id:plum_0417:20240313234139j:image

同じく角打ちで参加していたのは、宮町の「大川酒店」さん。こちらは店内にテーブルが設置されており、天候や曜日を問わず角打ちを楽しめるお店です。キンキンに冷えたジョッキに注がれた生ビールは、青空の下を歩き回った体に沁みわたりました。

(3)「あの場所」が大変身!

さらに昨年は、沼津の街に多数所在するバーも港の街BARに参戦していました。イベントに合わせて作られたカクテルも提供され、大いに盛り上がりました。

一昨年11月に「Night Bar びゅうお」として初めて実施されたこの試みが、ぬまづ港の街BARに合わせて開催されました。当ブログでも度々話題にしている通り、沼津市内には古くから本格的なバーが多数所在しています。バーを目当てにして沼津を訪れる観光客だけではなく、地元の方々にも行きつけのバーに通うという人が少なくないようで、バーが街の文化として根付いているともいえるのが、沼津の街の特徴です。

plumroom-0417.hatenablog.com

plumroom-0417.hatenablog.com

f:id:plum_0417:20240313234443j:image

沼津の街に根付いたバーと、沼津港のランドマークであるびゅうおがコラボしたのが「Night Bar びゅうお」です。びゅうお駿河湾へ夕日が沈んでいく様子を眺めながら、イベントのために作られたカクテルをいただくというのは、それまでありそうでなかなかなかった体験でした。

f:id:plum_0417:20240313234231j:image

ぬまづ港の街BARに合わせたこの回では、3種類目となるイベント限定カクテルが登場しました。沼津がかつて桃がたくさんとれた土地であったことから桃のシロップを使い、空高く輝く太陽をイメージした黄色に仕上がったカクテルは、イベントで飲んだ人により名前が付けられるというものでした。筆者もそれに乗っかって「NUMAZU SUNSHINE」という名前で投票してみたところ、大変僭越ながら採用されるに至りました。

3.ラブライブ!だけじゃない沼津の楽しみ方

www.at-s.com

「沼津の観光は『ラブライブ!サンシャイン!!一本足打法」との社説が地元紙である静岡新聞に掲載されたことが、最近少し話題になりました*1。ここ10年ほどの期間に沼津に関連したもので大いに目立ったのは「ラブライブ!サンシャイン!!」であり、「『ラブライブ!』のおかげでで沼津の街に『オタク』が集うようになった」という見方もできなくなないというのも事実です。もっとも、当該社説の内容も、どこまで練ったものなのかは疑わしいと感じることも筆者の正直な感想で、17年度以降の沼津市全体の観光客数の推移が示されていなかったり、その代わりのように示されている三の浦総合案内所の来場者数も断片的だったり、その辺りは可能な限り詳細なデータを収集出来たらいいなと思っています。

先述の静岡新聞の社説では、「ここ数年、沼津の観光はアニメ人気に頼ってきたが、『アニメ一辺倒』の観光は需要の先細りが懸念される。」と指摘されていました。はたから見ている限りでは、沼津で目立つのはやはり「ラブライブ!サンシャイン!!」なのかもしれません。しかしながら、実際に沼津の街を頻繁に出入りしていると、果たして人々がこの街に引き寄せられる理由はそれだけかと、そうした指摘については少なからず疑問を感じずにはいられない次第です。休日の沼津港を観てみると、遠方から沼津を訪れるのは、何も「ラブライバー」だけではないように感じます。

例えば「ぬまづ港の街BAR」のほか、昨年をもって惜しまれつつも終了となった「THIS IS NUMAZU」など、沼津では料理やお酒などにフォーカスしたイベントがいくつか催されています。それらのイベントには数多くの方々が携わり、沼津の街を盛り上げようと尽力されています。そうしたイベントは必ずしもラブライブ!サンシャイン!!とがっちりコラボしていることはなく、ラブライブ!以前からある沼津の魅力を発信しようとするイベントであるはずです。

アニメの舞台やゆかりの地を巡ることも、沼津の楽しみ方の1つであることは確かです。好きなキャラクターとの関係が深い場所が好きというのも、「沼津が好き」であることの立派な理由たりうるでしょう。その上で、ラブライブ!サンシャイン!!に捕らわれない沼津の楽しみ方もあるということも、筆者として強調したい事実です。そうした沼津のまた別の面に触れてみるきっかけとして、5月の「第16回ぬまづ港の街BAR」を訪れてみてはいかがでしょうか。

*1:静岡新聞 「社説(2月26日)沼津の新観光戦略 人気アニメに依存せず」 

https://www.at-s.com/news/article/shizuoka/1419668.html

【沼津バー巡り・特別編】百寿の輝(ももじゅのかがやき) 「バーの街」の100周年記念カクテル

1.「バーの街」らしい百寿祝い

沼津市は2023年7月1日に市制施行100周年を迎えました。7月7日・8日には記念イベントが開催されるなど、市内各地で100周年を記念するイベントが開催されました。

plumroom-0417.hatenablog.com

100周年を記念したグッズなども多く登場しましたが、中でも沼津らしいものと言えるものが、100周年を記念したカクテル「百寿の輝(ももじゅのかがやき)」です。

f:id:plum_0417:20240306224836j:image

www.at-s.com
f:id:plum_0417:20240306225047j:image

百寿の輝が初めてお披露目となったのは、沼津市100周年イベントの前夜祭でした。沼津市内にてバーを営業している2人のバーテンダーの方による「フレアバーテンディング(カクテルを作る際に(シェイカーやボトルなどを投げたり回したりするパフォーマンスを披露するもの。))」によって作られ、その場で沼津市の頼重市長によって命名されました。その後の100周年イベントでは、会場内に設けられたバーカウンターにて販売され、さっそく多くの方が飲んでいました。

2.なぜ「ももじゅ」なのか

百寿の輝(ももじゅのかがやき)という名前が付いた理由には大きく2つあります。1つ目は沼津市が「百寿」の節目を迎えたこと。こちらはわかりやすい理由であると思いますが、もう一つの理由は「かつて沼津市内に桃の産地が存在した」ということです。

沼津の中心市街地から国道414号で南下した沼津御用邸記念公園付近の「島郷(とうごう)」地区周辺では、かつて桃が多く採れたといわれています。そのため、昔は地名の表記が「桃郷」であったそうです。時代が移り変わるにつれ、桃の生産は次第に減っていきましたが、今でもごく少数の農家の方によって栽培されているとのことで、数量こそごくわずかではありますが、桃の季節になると市内を中心に出回るそうです。

「百寿」と「桃」を掛けて、「百寿の輝」と名付けられたというわけです。「輝き」の部分については、太陽や海にちなんでいるとするのが自然なところでしょう。沼津の様々な特徴から名づけられた、まさに節目を祝うにふさわしいものと言えるカクテルです。

3.「バーの街」の看板カクテルとして

イベント終了後には、沼津駅周辺の複数のバーにて「百寿の輝」が提供されるようになりました。100周年を迎えた「”バーの街”沼津」の看板カクテルとして、多くの人に親しまれるようになりました。

city.numazu.shizuoka.jp

www.city.numazu.shizuoka.jp

「百寿の輝」があまりに好評であったことから、沼津市は2023年8月に市のホームページにてそのレシピを公開しました*1。100周年記念のものとはいえ、自治体のホームページにカクテルのレシピが掲載されることは、極めて異例のことではないでしょうか。レシピの使用については、個人で楽しむだけではなく、販売などの目的で使用することも可能であるとしています。カクテルシェイカーが家にあるという方はそこまで多くないかと思いますが、それを前提とした紹介の仕方というのも、なかなか面白いポイントであると言えるのでしょうか。

f:id:plum_0417:20240306225112j:image

ラブライブ!サンシャイン!!ではない沼津の楽しみ方として「バー巡り」を提唱しているところではありますが、それまでバーに行ったことがないという方にとっては、バーに行っても何を飲もうかという人も少なくないのかもしれません。アルコール度数もさほど高くなく、桃やクランベリーなどの甘さや酸味がちょうどいいカクテルであり、最初の1杯にもちょうどいいかもしれません。そこを手掛かりに、「次はこんな感じのカクテルが飲みたいです!」などとオーダーしてみるのも、バーの楽しみ方の一つであります。筆者にとっても好きなカクテルの一つで、迷ったときにはよく「百寿の輝」をオーダーしています。記念すべき年に生まれたカクテルとして、末永く飲み継がれることを願うばかりです。

*1:沼津市ホームページ 市政情報―報道記者発表資料―報道記者発表資料(令和5年8月分) 令和5年8月28日 沼津市制100周年記念カクテル大変好評につき、レシピを公開します! 

https://city.numazu.shizuoka.jp/shisei/pr/press/pdf/2023/20230828_2.pdf

 2024年3月6日閲覧

【月記】2024年2月

f:id:plum_0417:20240302153250j:image

1.あったこと/やったこと

3日:12日までの期間限定で展開されていたサントムーン柿田川のプレミアムショップを訪問したのち、実家に帰省。久しぶりにロマンスカーに乗車したところ、相模大野で江ノ島方面からの列車と連結する列車で、こんな列車も良いなと感じた次第です。帰省前に15日の閉店を控えた沼津駅南口の「SUN!SUN!サンシャインCafe」を訪問しようかと思ったものの、あまりの待ち時間に断念。同じく南口の「中華料理八福」さんにて「レバニラ炒め定食」をいただきました。昔ながらの街中華という趣で良いですね。

4日:実家から沼津に帰還。その前に西早稲田のラーメン店「ピコピコポン」さんを大学時代の後輩と訪問。冬ではありますが「冷やし中華」をいただきました。沼津から帰還した後は、宮町の大川酒店さんを訪問。営業日は毎日角打ちを実施している同店は、そのメニューも豊富。この日はホッピーをいただきましたが、珍しくキンキンに冷やされている上氷が入っていないジョッキに注がれて出てきました。もともとはビールの代替品だったことを考えれば、これが本来の姿であるはず。常連さんとの話も弾み、楽しい時間でした。

10日:「ラブライブ!サンシャイン!!松浦果南ちゃん/「幻日のヨハネ」カナンちゃんの誕生日。ずらし旅と称して、大混雑の淡島を回避して伊豆箱根鉄道駿豆線に乗車。その日の夜は松浦酒店さんの感謝祭に参加。5,500円の参加費以上の内容で、こちらが感謝せねばと感じた次第です。

11日:大阪から来た友人が沼津に来ていたため、松浦酒店さんとねこと白鳥さんにて会合。後者からは大学時代の後輩が参加。

16日:2024年になって初めてさわやかを訪問。げんこつハンバーグと赤ワインが合うという知見を得ました。

17日:寝坊からの起き抜けに松福さんのうまいラーメンを食すという実績を解除。サイクリングがてら車両基地や貨物駅の工事現場を観察。千本浜の防波堤の道が走りやすく、天気のいい日にサイクリングするのに良いなと思いました。夜は西条町のバー「noise(ノイズ)」さんを訪問。フレッシュフルーツを使ったカクテルがおいしいバーで、季節ごとに様々なお酒を楽しむことができます。

18日:沼津市総合体育館に併設されたトレーニング室に利用登録。当面は週に1回ペースで通うことにします。

24日:実家に帰省。松浦酒店さんで買ったイタリアワインの新酒をお土産としたところ、家族に大変好評でした。実家近所のブルワリーを初めて訪問し、ビールを1杯いただきましたが、なかなかおいしかったので、実家に帰ったタイミングでまた訪問したいなと思いました。

25日:沼津駅南口アントレ2階にて開催されていた「『ラブライブ!サンシャイン!!』富士山とAqours展」を鑑賞しました。強く意識したことはこれまでなかったものの、アニメにも富士山が少なからず登場していたことを改めて認識しました。沼津市原の酒蔵「高嶋酒造」さんの「白隠正宗」でこの時期にしか出てこない「富士山の日朝搾り」を301餃子沼津駅南口店さんにていただきました。白隠らしいしっかり感に甘さが加わった味わいでした。

2.投稿した記事

投稿した記事の数:5本

(1)【ラブライブ!サンシャイン!!】ここは沼津市か?!「サントムーン柿田川駿東郡清水町)」でコラボイベント開催中」(2024/2/12まで)

plumroom-0417.hatenablog.com

1月11日から2月12日までの期間限定で、清水町にある大型ショッピングモール「サントムーン柿田川」で開催されていた「ラブライブ!サンシャイン!!」とのコラボイベントの様子をまとめました。話題としては同時期に閉園が迫っていた「あわしまマリンパーク」に押され気味ではあったものの、初開催とは思えない充実ぶりだったという印象があります。

(2)【ラブライブ!サンシャイン!!×沼津】開店から7年3か月 沼津駅南口「SUN!SUN!サンシャインCafe」が2024年2月15日をもって現在の店舗での営業を終了

plumroom-0417.hatenablog.com

7年以上にわたり、沼津の玄関口の目の前で親しまれてきた、ラブライブ!サンシャイン!!のコラボカフェ「SUN!SUN!サンシャインCafe」が2月15日をもって閉店したとの話題です。店側は移転先を検討中としており、復活することを願わんばかりです。

(3)【ラブライブ!サンシャイン!!×いずっぱこ】まもなく7周年!伊豆箱根鉄道駿豆線HAPPY PARTY TRAIN"が果南ちゃんバースデー仕様に(2月23日まで)

plumroom-0417.hatenablog.com

伊豆箱根鉄道駿豆線のラッピング電車についてです。今年で運行開始から7周年となりますが、アニメとのコラボレーションでのラッピング電車がこれほど長期にわたって運行される例というのも、なかなか少ないのではないかと考えます。

(4)【沼津駅高架化】「沼津の玄関口」もようやく… 高架化後の沼津駅新駅舎の基本計画が2024年度から始動

plumroom-0417.hatenablog.com

昨年10月に貨物駅の工事が始まって以来、少しずつではありながらも着実に進みつつある沼津駅近鉄道高架事業ですが、沼津の街にとって最大の懸案となる新しい駅舎についての基本計画について、2024年度から検討が始まるようです。2026年度にはJR東海が主体となって新駅舎の本格的な設計が始まるとのことで、工期は2041年度末までとも言われていますが、確実に進みつつあります。

(5)《新シリーズ⑤》【沼津移住録】沼津での移住生活設計

plumroom-0417.hatenablog.com

移住から2月末で3か月となったため、移住にあたって検討したことやこれまでに感じたことなどをまとめました。今後も節目のタイミングなどで「沼津移住録」としてまとめていきたいと考えています。

3.前月の所感

(1)「2024年2月の漢字」は”閉”

2024年2月を漢字一文字で表すとすれば、「閉」になるのではないでしょうか。アニメの舞台やコラボカフェなど、長きにわたって親しまれてきた場所が、再開についても含みを持たせながらも、終わりを迎えるということが相次ぎました。特に前者については、地元の方々にも長年にわたって親しまれていた場所であり、その注目度の高さを報道などでうかがい知ることができました。

ラブライブ!サンシャイン!!」もプロジェクトのスタートから今年で9年が経過し、沼津の街もその間に大きく変わる、もしくは変化を迎えようとしているというのもおかしくない話であり、言ってしまえば都市や地域としてある意味で健全な姿なのではないかと感じています。繰り返しにはなりますが、どちらも何らかの形で存続させたいとの意思を示しているため、できる範囲の形で応援しつつ、その日をゆっくり待つということが、我々にできることなのではないでしょうか。

(2)ラブライブ!サンシャイン!!と沼津

あわしまマリンパークの閉園間際には、駐車場で夜を明かす「徹夜組」の存在が度々話題になりました。周辺道路はマリンパークに向かう車で大混雑し、沼津駅と内浦を結ぶ東海バスも、マリンパークへ向かう人で満員となり、地元の方が乗車できないという事態が多発したようです。スタッフへの罵倒行為や深夜の騒音など、一部の来場者のマナーの悪さ等を指摘するインターネット上の投稿もありました。過剰な観光客により地域住民の生活環境が悪化する「オーバーツーリズム」に関する話題が指摘されたほか、「ラブライバーのマナーの悪さ」という問題も浮上しました。

アニメなどを活用した街おこし、いわゆる「コンテンツツーリズム」というものが、全国各地で地域振興の切り札として使われることが増えており、沼津市はその成功例として語られることも少なくないようです。確かに、「ラブライブ!サンシャイン!!」をきっかけに沼津市を訪問した、あるいは沼津市に移住したという人も多くいるはずで、沼津市の地域振興にも少なからず繋がっているのもあながち間違いではないのかもしれません。

しかしながら、人口約19万人の沼津市において、必ずしもアニメなどに対して好意的な人たちばかりではないということも、訪れる人や移住する人は肝に銘じておくべきではないかと考えています。過去にあったマンホールへの悪戯などのトラブルのほか、街中でのコスプレ等について嫌悪感を持つ方も多く、それ故に「ラブライバーは嫌い」と明言する人がいることも事実です。

「オタクが経済を回している」等の趣旨の主張が語られることが近年各所で増えている中、沼津市についても同様の主張を喧伝する人が少なくないようです。しかしながら、そうした主張が必ずしも当たらず、そうでないところで沼津の街が回っていることにも考えを巡らせてみてはどうかと思うのが正直な感想です。「ラブライブ!がなければ沼津は何もない」というような趣旨の言説も、インターネットから地域のマスメディアまで、様々なところから聞かれますが、ラブライブ!以外の分野で街を盛り上げようと活動している人が多くいることも紛れもない事実です。「ラブライブ!のおかげで沼津は栄えている」とは、失礼極まりない事実誤認なのではないでしょうか。

4.前月の課題

Instagramを更新しなかった

2月こそは更新しようと思っていたInstagramを、結局ほとんど動かさずに2月が終わりました。3月こそは少しずつでも更新していきたく、今日からでも始めようと考えて居ます。

5.3月の予定・目標

(1)予定

2日:沼津中央公園にて隔月で開催される「週末の沼津」に参加

9日:5年ぶりに開催される高校のクラス会に参加するべく上京

16日:JR東海の「さわやかウォーキング」に参加

22日:5回目となるコロナウイルスのワクチン接種(予定)

30日:実家に帰省(翌31日に帰宅)

(2)目標

①自炊のレパートリーを増やす:「冷凍の干物をフライパンで焼く」「カレーや豚汁をまとめて作って2~3日かけて食べる」以外の料理のレパートリーを増やしていきたいです。作れる料理が増えれば、家飲みも楽しくなるのかなと考えています。

TOEICの勉強を本格的に始める:学生時代以来遠ざかっていた英語について、近いうちにTOEICを受検することを目標として勉強を再開したいと考えています。今後のキャリアアップにつながる「種まき」を今のうちから始めることで、やりたいことの選択肢を狭めない、むしろ広げていけるようにしたいです。

《新シリーズ⑤》【沼津移住録】沼津での移住生活設計

1.はじめに

昨年11月末に念願叶って静岡県沼津市に移住し、早くも3か月が経ちました。

plumroom-0417.hatenablog.com

まだ3か月ということもあり、良いところだけじゃなく悪いところもいっぱい見えてくるというフェーズには達していませんが、しかしながら毎日堅実に、そして休日はまったり楽しく生活できています。終電を気にせず飲みに行けるようになったという事実はかなり大きく、バー活がよりはかどってしまう今日この頃です。

日々Twitterのタイムラインを見ていると、沼津に移住してもいいかなという人が、ラブライブ!サンシャイン!!が始まってまもなく9年という今なお、少なからずいるように見受けられます。そんな方の一助となるべく、沼津での生活における経験などをまとめていきたく思い、「沼津移住録」として、今後不定期に更新していこうかと考えています。

2.移住に至った経緯

(1)ラブライブ!サンシャイン!!の舞台巡り→もはや沼津に住んだ方が安いのでは?

plumroom-0417.hatenablog.com

plumroom-0417.hatenablog.com

学生時代の友人の影響でラブライブ!サンシャイン!!が好きになった筆者は、2018年3月に初めて沼津市を訪問して以来、新型コロナウイルス感染症の拡大期などの一部の時期を除き、ほぼ月に1~2回ペースで沼津市を訪れていました。内浦・西浦地区だけではなく、沼津駅周辺のAqoursゆかりの地を幾度となく訪れており、ラブライブ!以外の沼津の良さも知りつつ、土地勘もなんとなくついてきました。

2021年春に大学を卒業後、社会人になって少し稼ぎが増えてくると、休日のちょっとしたお出かけに沼津までふらっと行くようになりました。予算にも余裕が出てきたので、駅周辺のビジネスホテルで安いプランがあるとそれを押さえ、1泊2日で滞在することも増えてきました。

そうなった際にふと考えたこととして、「もはや沼津に住んだ方が安いのでは?」というのがありました。移動交通費と宿泊費、現地での食費等を考えると、いっそ沼津に住んだ方がいいんじゃないかということです。とはいえ、大学卒業後に新卒で入った会社の職場は首都圏にあり、そこをやめるといったって転職が成功するとは思えず、どうしようかなと思っていたというのが実情でした。

(2)転職しようかな…?→いっそ沼津で生活することを前提に転職活動をしよう!

plumroom-0417.hatenablog.com

そんな中、昨年春に仕事の都合で静岡県内に転居することになりました。転居にあたっては良くも悪くも色んなことがあったのですが、とはいえ沼津にはそれまでよりも近くなったという出来事でもありました。

これでめでたしめでたしというところで、沼津移住を達成したとするのでもよかったのですが、ここらへんで一回キャリアチェンジを図ってみるのも一つの選択肢だろうと考え、転職活動を決意。巷では、新卒で就職から3年以内に転職ないし離職する20代が全体のおよそ3割にのぼるとも言われていますが、筆者もそのうちの1人となりました。

転職にあたっては、東京の実家に戻って東京の職場に通うということも検討しましたが、満員電車に毎朝押し込まれて通勤し、1日中働くというライフスタイルが、どうも自分のもろもろをすり減らすだけなのではないかと感じ、思い切って静岡県東部での転職活動を進めてみました。結果として、沼津市内ではないものの、沼津駅から電車で通える会社に行くこととなり、沼津への移住が実現したというわけです。

3.移住生活プランを考えよう!

(1)沼津で何がしたいか?

①あなたは「Aqoursと心中する」つもりで、沼津に移住できますか?

plumroom-0417.hatenablog.com

全国に地方都市と呼ばれるものが数多とある中、そこから沼津市を選ぶ理由として、「ラブライブ!サンシャイン!!/Aqours」の存在があるものと思われます。アニメの放送開始以来、そう少なくない方が「”Aqoursのふるさと”での生活」を求め、沼津市に移住しているそうです。こうした中、沼津市によるラブライブ!のファンを対象とした移住説明会が、松浦果南ちゃんの誕生日である2023年2月10日に初めて開催します。

www.at-s.com

かねてより市内の各商店などにおけるアニメとのタイアップ企画などが催され、「コンテンツツーリズムの成功例」とも言われることが多い沼津市ですが、約19万人の沼津市民の方々全員が必ずしもラブライブ!サンシャイン!!に好意的であるとも限りません。沼津市における各種施策へのパブリックコメントにおいて、ラブライブ!を活用した街おこしについて批判的な意見が寄せられていることも時折見受けられるなど、好ましく思っていない方がいることも決して少なくないことも事実です。

また、ラブライブ!サンシャイン!!自体が、今後も永遠に続くとは限らないということも事実です。いかなるコンテンツも、やがてはフェードアウトに向かったり、あるタイミングをもって活動を終えるということが往々にしてありえます。そうした日が来たときに、沼津にいても、あるいは沼津に居続けてもよいのかということも、深く考え抜いた方がよさそうです。

とはいえ、2024年1月時点において、沼津の街とラブライブ!サンシャイン!!のコラボは続いているほか、お隣清水町にある商業施設とのコラボ企画も始まりました。しばらくはAqoursを感じながらの沼津で生活できるのではないかと考えます。

②沼津や静岡をとことん楽しみぬけば、それが一番安いのでは…?

もっとも、沼津の魅力はラブライブ!だけではないということは、声を大にして主張したい事実であります。広く知られたものを挙げるとするならば、主に沼津港周辺の海鮮グルメでしょうか。ラブライブ!に関係なく、週末ともなれば、県内外から多くの方が訪れており、かなりの賑わいとなっています。沼津港周辺には飲食店だけではなく、沼津の名産品として広く知られている干物などを扱う海産品店もあり、観光できた方々にとってはお土産になり、そして沼津に住めば日常的に食べる食材となります。ほとんどの干物は冷凍保存が可能であり、冷凍のままフライパンで焼くこともできるため、保存が効く食材として有効に活用することができます。

水場や緑に恵まれた環境も、沼津の魅力であると言えるでしょう。富士山や愛鷹山、沼津アルプスといった山々に、富士市までまたがる広大な千本松原、街の中心部を流れ市民のオアシスにもなっている狩野川と、内浦や西浦では思わず見とれてしまうほどの透明さを誇る駿河湾など、街から少し行けば、東京から最短1時間台でついてしまう都市とは思えぬ風景が広がっています。夏は海水浴も楽しめたり、沼津アルプスや愛鷹山ではハイキングも楽しむことができたりします。

plumroom-0417.hatenablog.com

plumroom-0417.hatenablog.com

plumroom-0417.hatenablog.com

plumroom-0417.hatenablog.com

plumroom-0417.hatenablog.com

その他、このブログでも取り上げている通り、沼津には古くからバーが多い街として知られていたり、近年ではクラフトビールのお店が増えていたりします。そうかと思えば、街の酒屋さんの角打ちでサクッと気軽に飲めるなど、お酒が好きな人にとっては、その種類と質は東京にも劣らないのではないかと感じてしまうところがあります。それも観光客向けのものではなく、地元の人の行きつけのお店として存在している雰囲気があり、沼津という街の不思議な文化(ほめています)にはまってしまうと抜け出せない、いわば「沼津沼」ともいうべきものが広がっているとも言えます。

沼津に限らず、静岡県全体が魅力的な土地ということも言えるでしょう。富士山は言わずと知れた観光地であり、山だけではなく周辺の文化財等も含めてみるべき場所です。伊豆半島などには温泉が多数存在し、休みの日にゆっくり過ごすこともできます。富士宮焼きそばのようなご当地グルメも各地にあるため、それらを食べて楽しむということもできるでしょう。

個人的には、沼津市ないし静岡県は、日常生活からちょっとしたお出かけまで、ほとんどが県内で完結してしまう土地であるように感じてしまいます。静岡県内でも西部や山間部は日帰りではなく1泊した方が存分に楽しめそうな場所であり、沼津市内でも、安田屋旅館は移住した今なお泊まりに行きたいなと思う場所で、その先の戸田には、いくつかある民宿に泊まりつつゆっくり過ごしてみたいなとずっと思っている土地です。市内もしくは県内の近場で色んな過ごし方ができるゆえ、思い切ってその土地をとことん楽しむというのも、移住生活における選択肢であるのかもしれません。

③首都圏へのアクセスはかなり良い

沼津の交通事情においてよく言われる話として、「沼津には新幹線が停まらない」というものがあります。「沼津市民が反対したから三島に停まるようになった。それゆえ沼津が衰退した」などというある種の都市伝説もありますが、「沼津市西部から富士市東部にまたがる湿地帯を避けて建設することとしたため、沼津駅を通るルートだと急カーブができてしまうため、三島駅付近から山側に逸れるルートを採用した」というのが、事の真相だそうです。

とはいえ、沼津駅は新幹線停車駅の三島駅まで1駅。その恩恵を十分に受けることができます。静岡県下ゆえにのぞみは停まりませんが、一部のひかりとこだまは停車するため、1時間当たり2~3本ほどの列車を利用することができます。一番遅いこだまであっても、三島駅から東京駅までは約50分。乗り換え時間にもよりますが、沼津駅~東京駅間の所要時間は、ざっくり1時間程度というところでしょうか。

新幹線だけではなく、安価な高速バスも便利に使うことができます。沼津市内発着の高速バスは本数が限られますが、三島駅発着の三島エクスプレスなど、周辺の都市を発着する高速バスは本数が多く、気軽に乗ることができます。個人的には、御殿場駅に停まる高速バスもおすすめしたいところです。バスタ新宿から東名高速道路を通り、御殿場駅を経由して箱根に向かう路線で、そちらを使って東京都下にある実家に帰ったことがあるのですが、御殿場市内から東京都内に向かう足としても使われているようでした。沼津駅御殿場駅間は約30~40分ほど。御殿場駅前~バスタ新宿間は、道路事情により大きく変動しますが、2時間前後の所要時間となっています。新幹線に比べると遅いですが、御殿場駅前~バスタ新宿間の運賃は新幹線の三島駅~東京駅間の半額以下です*1

首都圏へのアクセスが充実しているため、何かと首都圏で開催されることが多いライブイベントにも、比較的参加しやすい環境と言えるはずです。ライブの終演から新幹線の最終列車の時間に間に合うかどうかはケースバイケースかもしれませんが、最終のこだま815号三島行きは東京駅22時48分発、品川駅22時55分発、新横浜駅23時7分発であり、ライブ会場を早々に離脱し、打ち上げなどもせずにそのまま新幹線の駅を目指して移動すれば、間に合うことがほとんどなのではないかと考えます。三島駅に着くのは23時39分、そこから東海道線普通列車に乗り換えて沼津駅に着くのが23時52分で、日付が変わる前には沼津駅までは帰ってくることができます。また、夕方までに会場につけば良いという場合、高速バスに乗るという選択肢だって使えるものかと思われます。

その他、東京駅からJR東日本の新幹線に乗れば、北陸や新潟、東北や北海道まで1本で移動できるほか、品川駅から京急線に乗り換えれば、羽田空港までもそこまで時間をかけずにたどり着けるはずです。ライブの遠征に限らず、蓮ノ空の舞台巡りで金沢まで行くときや、Saint Snowゆかりの地として函館まで遊びに行くときにも、お金がかかってしまうことは事実ですが、交通手段には困らないでしょう。人とお金が集まる分、首都圏の高速・長距離の交通機関の充実度は日本国内でも群を抜いているのではないかと思いますが、沼津で生活していても、その恩恵に与ることができます。

④「コロナ禍」を経て世に出てきたものを活かして、「推し活」も充実できるか?

また、コロナ禍を経た近年では、ライブに際して「有料生配信」が実施されることが定着しつつあります。自宅などでスマートフォンタブレット、パソコンなどからライブの映像を観ることができるというものです。それらの機器をテレビに接続すれば、大きな画面でライブ映像を観ることができます。配信用カメラによって見どころの映像が抜かれていることもあり、その点現地で見るよりも見どころを見逃すリスクが少ないという見方もできます。

とはいえ、新型コロナウイルスが猛威を振るっていた頃より、有料生配信には否定的な声があった他、コロナ禍が終息した今においては、以前実施されていた映画館などにおける「ライブビューイング」に置き換えられてもいいのではないかという考え方もできます。考え方は人ぞれぞれかもしれません。とはいえ、家で食べ物や飲み物、そして制限は特にないのでお酒も好きなように楽しみながら、ゆっくりとライブを見るというのも、それはそれで楽しみ方の1つなのではないかと思います。

⑤沼津で、静岡で、いったい何をしますか?

というところで辿り着くのがこの問いです。沼津に限らずどこでもそうと言えますが、ある土地に引っ越すことがすんなりとできてしまったとしても、そこで暮らし続けるこっとはなかなか難しいはずです。まずはざっくりと、「沼津でどうやって過ごそうかな?」ということを、数年先まで見通すことが大事なのではないかと考えます。

筆者自身、短期的な目標として①御殿場の蒸留所を見学、②アスルクラロ沼津の試合観戦、③静岡県内の私鉄乗りつぶしというものがあります。その先の目標では、富士山登頂を目標とした登山や県内のクラフトビールのブルワリー制覇などがあります。これらは移住前から考えていたことであり、馴染みのお店などに満足してしまっている節もなくはないのですが、今年から積極的に取り組んでいきたいと考えています。最終的な目標としては、沼津での移住生活の良いところも悪いところもしっかり伝え、沼津に移住したいという人が、楽しく充実した移住生活を送るのに貢献したいものもあります。そのためにも、ブログやSNSなどでのアウトプットに専念せず、街中のお店などのリアルワールドでのコミュニケーションも含めて、沼津市静岡県全体についてのインプットも大事にして、色んな楽しみを見つけていきたいと考えています。

引っ越し自体、相当な費用と労力を必要とするものであり、やはりその土地が合わなかったという場合には、それらが余計にかかってしまう事態になりかねません。仮に「沼津への移住」が目標であったとしても、それは移住が実現した瞬間に、「沼津での生活」のスタートラインになります。無為に過ごして後悔するのも、楽しく充実した生活を送るのも、その人の選択次第です。相当な負担をもって実行に移すのであれば、誰もが後者のような姿でありたいと思うはずです。

(2)沼津でどうやって生活するか?

①仕事はどうするか?→どうやって生活費や趣味に使うお金を稼ぐか?

念願かなって移住が実現したとしても、そこで暮らし続けることを考えると、「いかにして生活資金を稼ぐか」という問題が立ちはだかるものかと思います。最低限の日常生活を送るだけではなく、例えばライブに行ったり、オフ会のようなイベントに参加したりするには、それなりの資金が必要になるはずです。

現在東京や横浜などの首都圏にオフィスがある会社に勤めていて、その会社が新幹線通勤やテレワークを認めているのであれば、職場はそのままに住居だけ沼津に移すというのが正解なのかもしれません。コロナ禍でテレワークが浸透した近年、「テレワーク移住」をする人が増えていると聞きます。週に1回、あるいは月に数回新幹線を利用して出勤し、それ以外は家で仕事をするというライフスタイルです。転職活動をする必要がないため、移住に際してのハードルが一番低い選択肢であると言えます。

一方で、そうした「テレワーク移住」や新幹線通勤ができない場合、「沼津での転職活動」というものが必要になってくるものと思われます。静岡県東部における主要な都市の1つである沼津市には、業種を問わず様々な会社が存在します。しかしながら、その数は首都圏などの大都市圏にはやはり劣ってしまう上、待遇面でも少し厳しい会社が少なくありません。

個人的には、沼津市から在来線や一般道で問題なく通える範囲、目安としては通勤時間が1時間程度で収まるところであれば、そこも視野に入れて転職活動を行うのが良いのではないかと考えます。富士市裾野市三島市など、周辺の都市も選択肢に加えれば、条件面で納得のいく会社が見つかる可能性は多少なりとも上がるはずです。あくまで「沼津で生活すること」だけを目的とするのであれば、職場が沼津市内である必要はないかもしれず、選択肢は広く多く持っておくべきでしょう。

仕事探しの方法も、自治体や公的機関が運営するものに限らず、民間の転職サイトや転職エージェントなどを使うことも、前向きに検討するべきであると考えます。考え方は人それぞれかもしれませんが、沼津での生活を安定していてかつ充実したものにしたいのであれば、手段を選んでいる場合ではないと考えます。筆者自身、転職エージェントのサービスを利用し、静岡県東部でも沼津市ではないところにある会社にご縁があり、移住とともにそちらへ転職しました。通勤には往復で2時間くらいかかっていますが、長時間の残業はなく、土日も休みであり、今のところは沼津で比較的ゆっくりと生活できているように感じています。

学生の方であれば、静岡県東部の会社への就職を前提とした就職活動を行うほか、沼津市や周辺自治体の職員になることも視野に入れるのもいいかもしれません。「なぜ地元ではなく静岡県東部の会社(自治体)を選んだのか」ということを聞かれる可能性もありますが、有利に働くような志望動機を自分の中で練って伝えれば、相手にちゃんと伝わるのではないかと考えます。

②沼津の「どこ」というのが、めちゃくちゃ重要な検討事項

「沼津移住」と一言で言っても、沼津市はかなり広く、どこに住むかで生活の形は大きく変わってくるはずです。沼津駅の徒歩圏内の地域と、ラブライブ!サンシャイン!!の舞台の中心地である内浦・西浦地区では、地域の特性が大きく異なります。その他、片浜や原といった地域も存在し、それぞれ大きく違った土地であると言えます。

筆者の場合、車を所有していなかったため、仕事から買い物、その他休日等の外出において、徒歩や自転車、バスなどの公共交通機関で完結する地域であるというのが必須の要件になっていました。それゆえ、必然的に沼津駅の徒歩圏内で家を探すことになりました。

沼津で家を探すのに、留意すべき事項はいくつかありますが、筆頭に来るのは「災害」なのかもしれません。南海トラフ巨大地震における津波被害のほか、豪雨における狩野川等の河川の氾濫、富士山の噴火など、発生が懸念される災害はいくつかあります。

www.city.numazu.shizuoka.jp

www.city.numazu.shizuoka.jp

www.city.numazu.shizuoka.jp

www.city.numazu.shizuoka.jp

www.city.numazu.shizuoka.jp

これらの災害については、被害予想のハザードマップ等の情報が公開されており、各地域の被害状況を確認することができます。家を探す際には、これらの情報は言うまでもなく必ずチェックするべきではないかと考えます。筆者が住んでいる家については、もしかしたら津波で浸水してしまうような場所で、狩野川が大規模な氾濫を起こすと浸水する可能性があるところにありますが、鉄筋コンクリート造のマンションの4階の部屋に住んでいるということもあり、水が引くまでは身動きが取れないことが想定されるものの、家にいる限りは無事である可能性が高いのではないかと考えています。何事も物事はとらえようだと思いますが、予想される災害を正しく恐れることができるかということが大事なのではないでしょうか。

その他、注意すべきこととして挙げたいのは「ガスの種類」でしょうか。一般的にいかなる地域でも、プロパンガスは都市ガスよりもガス料金が高くなるとされており、沼津も例外ではありません。筆者の家は前者で、感覚的には都市ガスの物件に住んでいた頃の倍くらいの額になっています。家にいる日は毎日風呂を沸かして入り、ガスコンロを使って自炊をしていますが、1か月あたりおよそ9,000円のガス代がかかっています。

そこだけ考えると、プロパンガスの物件は回避した方が良いように思えますが、沼津で賃貸物件探しをした経験則からすると、沼津駅周辺にもプロパンガスの物件は多数あり、安い物件はほとんどがプロパンガスとなっています。今住んでいる部屋と同じような物件を沼津駅徒歩20分圏内でざっくりと探してみると、ガス代が高くつく分よりも家賃が高い物件が多くなってしまうようでした。生活スタイルにもよるとは思いますが、その点はしっかり比較検討した方がよさそうです。

筆者自身、これまでに物件探しをした経験は、片手でも余裕で数え切れる回数しかないため、「詳しいことは不動産屋さんに聞いてください」というのが、この話題に関する正直な感想かもしれません。沼津には地域密着型の地元の不動産屋さんもいくつかあり、そうしたお店は地域の情報にも明るいことが多いため、インターネット経由でもそうしたところに問い合わせてみるのも良いと思います。大事なことをもう一つ付け加えるのであれば、「内見には必ず行け!」というものがあるのでしょうか。

③楽しく暮らすにも、堅実な土台が必要

基本的なこととして、生活資金や住居など、生活の土台となるものをしっかり考えなければ、移住先での生活は、沼津ではない土地でも失敗するでしょう。それが原因で、大好きだった土地が嫌いになってしまうというのは、考えうる限り最悪の結果であると言えます。

www.city.numazu.shizuoka.jp

アニメの舞台巡りなどで沼津に幾度となく足を運んでいたとしても、沼津における生活設計は、念入りにやっておくべきでしょう。沼津市のほか、沼津に移住した人で作られた団体などが、移住希望者向けの相談会などを開催しているため、そちらに参加して、実際に生活している人の意見を聞くということが、一番有効な手立てではないかと考えます。良い話に限らず、判断材料となりうる様々な情報を収集することが肝心なのではないのでしょうか。

4.おわりに―沼津暮らしはいいぞ!

f:id:plum_0417:20240120123138j:image

沼津で暮らし始めて2ヶ月ほどという割には、だいぶ厳しいことを書いてしまったかのように思っていますが、沼津暮らしのリアルとは、概ねこの辺りに集約されるのではないかと考えています。筆者自身への戒めもふくめた箇所もいくつかあり、そうしたポイントを今後も忘れることなく、安定かつ充実した沼津暮らしを送り、アップデートを重ねていきたいと思う次第です。

ただ今の時点で一番言いたいのは、「沼津暮らしはいいぞ!」ということです。津波のリスクがかなり高い、県知事の言動がめちゃくちゃすぎて外に出たときに恥ずかしい等々、躊躇う要因を挙げ始めるとキリがないのかもしれません。筆者自身、津波が来たら怖いとは思っていますし、県知事はどうにかならんのかと日々感じている次第であり、それら以上に海からの風が予想以上に強すぎて日々困惑しているですが、それらを差し置いてでも、「沼津に住んでよかった!」と思える瞬間がいっぱいあるというのが正直なところです。干物やみかんなどの食べ物が美味い、温和な方が多い、適度に自然があって適度に都会、車を持っていなくても案外何とかなってしまうなど、良いと思える理由もいっぱい思いつきます。

じっくり考え、念入りに準備をすることが必要ということは、こちらの記事に書いた通りです。その上で、迷って仕方がないというのであれば、いっそ移住を決めるという方向に、思考や行動を向けるのが良いのではないのでしょうか。繰り返しにはなってしまいますが、筆者は沼津への移住を実行に移すという選択は、現時点では間違いではないと感じています。沼津市は多くの人にお勧めしたいと思える土地です。今後もその良いところを発掘したり、日常生活で様々なことを体験したりすることを通して、沼津での生活の様々なポイントを発信できればいいなと考えています。

*1:2024年1月時点

【沼津駅高架化】「沼津の玄関口」もようやく… 高架化後の沼津駅新駅舎の基本計画が2024年度から始動

1.概要

貨物駅や車両基地の予定地での工事が始まる中、駅本体も高架化に向けて事業が本格始動します。2月16日付の静岡新聞によると*1沼津市は、鉄道高架化後の沼津駅の新駅舎の基本計画の策定に2024年度から着手すると、沼津市議会沼津駅鉄道高架とまちづくり特別委員会などで報告しました。

www.at-s.com

沼津駅近鉄道高架化事業における沼津駅の整備は、JR東海沼津市の協業によって進められます。沼津市が担当するのは主に「駅舎のデザイン」「歩行者の動線です。駅周辺の人の流れや利用実態、市民のニーズなどを踏まえたうえで、駅舎のデザインや公共通路などの方向性を決めるようです。約2年かけて進めたのち、JR東海が2026年度から着手する、駅舎内の施設配置などを含めた新駅舎の詳細設計につなげます。

2.今の沼津駅

①南北の通り抜けができない

現在の沼津駅における一番の「不便なポイント」といえば、いわゆる「南北自由通路」というようなものが存在しないため、「駅の南北の通り抜けができない」という点でしょうか。今ここであえて挙げることでもないかもしれませんが、沼津駅が抱える構造的な欠点で一番大きなものといえば、通り抜け不可ということが挙げられるかと考えます。

今の沼津駅で、「駅の南北の通り抜けができない」というのも、厳密にいえば違うという見方もできなくはありません。南北いずれの駅舎で150円の入場券を買えば、駅の営業時間内かつ両方の改札が営業している時間であれば、沼津駅のこ線橋を通って、駅の南北を行き来することができます。駅の西側にある「あまねガード」を通らない近道として使えるほか、エレベーターもあるので車椅子やベビーカーなどを使う方にも使いやすいルートであると言えるかもしれません。

しかしながら、駅構内である以上、先述の通り150円の入場券が必要になってしまいます。街の中心部を線路をまたいで移動する際、その都度150円も払うというのは、大した額に見えないようでも、毎日払っても良いと思う人はめったにいないはずです。南北両方の駅舎から一番近いアンダーパスであるあまねガードも、歩道の幅が広いとは決して言えないうえ、そのアプローチ部は階段や坂道になっており、ベビーカーや車いすを使う方々にとっては「移動の障壁」と言える環境です。

②駅構内が狭く、古い構造のまま

沼津駅でもう一つ欠点を挙げるとすれば、「駅構内が狭く、古い構造のまま」というものがあるでしょう。1980年代末期には高架化の構想が浮上しながら、2020年代に突入するまで本格的な工事が始まらなかったため、大きな改修工事がなされないまま今日に至ると考えられるところですが、それでも使いづらいと感じることが少なくないというのが、日常的に利用する身としての正直な感想です。

沼津駅は3面6線、3つのホームと6本の線路の構造です。また、駅の北側にも線路があり、夜間に車両を留置するスペースとして使われています。これらを跨いで駅の南北にある駅舎を結んでいる跨線橋のほか、南口側から各ホームにつながる地下通路があります。これらがお世辞にも広いとはいえず、列車の発着のタイミングが重なると、列車から降りた人や乗り換える人で、通路が大変込み合います。沼津駅東海道線御殿場線の乗換駅であるほか、途中駅である東海道線にも沼津止まりの列車が運行されているため、違うホームから発車する乗り換え列車に乗り継いでいく人も少なくありません。そうしたタイミングになると、通路や階段が大変混みあうという状況になります。

また、跨線橋にはエレベーターがあり、バリアフリーの最低限の設備は一応整っていると言える状況ではありますが、2024年2月現在、エスカレーターは1か所もありません。観光や仕事で出入りする人が多いと考えられる沼津駅で、スーツケースなどの大きな荷物を持った人も少なくないとは思いますが、今の沼津駅はそういった人にとって使いやすい駅であるとは言い難いはずです。

3.未来の沼津駅

①南北自由通路が設けられる予定

前述の「駅の南北の通り抜けができない」という点については、高架化後の新駅舎には南北自由通路が設けられる計画になっており、構造上の一番大きな欠点については、解消される見込みになっています。

youtu.be

city.numazu.shizuoka.jp

6年前に沼津市が制作した高架化後の沼津駅周辺のイメージ動画では、冒頭部分で改札を出て右に曲がり、南口方面を目指すシーンが描かれています。改札を出たところが南北自由通路とみられ、駅の南北をダイレクトに結ぶ通路として機能していることが伺えます。また、2020年3月に制定された「沼津市中心市街地まちづくり戦略」でも、駅周辺を回遊する歩行者動線の一角として、駅コンコースを含めているなど、高架下に南北自由通路を設ける方針であることがわかります*2

沼津駅単体というよりも、沼津の街が長年抱え続けた構造上の課題が、高架化で駅が新しくなることにより、ようやく解決することが叶うようです。道路の拡幅・平面化で、渋滞や大雨による冠水に悩まされたガードが解消し、自動車交通が円滑になるだけでなく、駅の南北を高低差や迂回なしに行き来できるルートが生まれることにより、歩行者の移動も容易になることも見込まれます。体の不自由な方やベビーカーを押している方等はさることながら、それ以外の人にとっても、沼津の街が移動という面で使いやすい形にアップデートされるのではないかと考えます。

②駅構内の狭さなども、高架化で解消される…?

2つ目に挙げた「駅構内が狭く、古い構造のまま」という点がどうなるのかというについては、確実なことは明らかになっていません。ここで何をどう描いたところで、期待や想像の域を脱しないことは確かです。唯一確実に言えることとしては、駅構内の跨線橋と地下通路が無くなるということくらいでしょう。

現在は改修中として撤去されてしまっているのですが、プラサヴェルデの2階には、昨年まで高架化された沼津駅の完成予想模型が展示されていました。そちらの模型からは、先述した南北自由通路だけではなく、改札内に乗り換え通路が設けられる計画であるということも見て取れました。また、階段やエレベーターだけではなく、エスカレーターを設置することも考えているようでした。「駅構内が狭く、古い構造のまま」という点についても、何らかの形で改善が図られる見込みであると言えるでしょう。

③ホームの配置が変わり、改札口も1か所になる?

先ほど紹介した模型(撤去済)から見て取れる沼津駅の変化は、他にも2つほどあります。「ホームの配置が変わる」ことと、「改札口が1か所になる」ことです。

現在の沼津駅は、海側(南口側)から1番線、2番線と、一番山側(北口側)が6番線になっています。6つあるうち、1番線から4番線は主に東海道線の列車が、5番線と6番線は主に御殿場線の列車が使っています*3。こちらが高架化後は、東海道線のホームが御殿場線のホームを挟み込む形になります。駅の東側で御殿場線東海道線の上り線を越える構造をとると、高架の面積を最小限にできるため、事業費も最も安価にできるということから、先に述べたような配置とする案が採用されました。また、沼津駅での乗り換えの利便性が向上したり、線路の構造が見直されることで東海道線御殿場線の直通列車を増発できる等のメリットがあるとされています*4

また、現在3か所ある改札口(南口、北口、アントレ2階直結改札)も、高架化後は1か所に集約されるようです。確かに、南北自由通路に面した箇所に1つあれば十分であると考えられるほか、窓口も券売機も1か所に集約した方が、駅を運営するコストもある程度削減できるように思えます。

4.まだまだのように思えて、始まったら意外と早そう

沼津駅近鉄道高架事業の事業期間は2041(令和23)年度までとされており、完成まではあと20年近くもあります。事業認可は2006(平成18)年と20年近く前のことであり、事業の中断を余儀なくされるような事態さえなければ、事業はすでにかなり進んでいたのかもしれません。

f:id:plum_0417:20240221233627j:image

しかしながら、新貨物駅の着工した昨年以降、高架化に関係する話が一気に動き出しているようにも感じられます。駅舎のデザインなどの話についても、このタイミングで出てくるものとは思っていなかったというのが正直な感想です。貨物駅や車両基地の工事が進めば、駅本体にも手を付けられるところが出てくるはずで、1日も早い完成を目指すとするのであれば、このくらいのスピードで動くのもおかしくはないのかもしれませんが、話がかなり速いようにも感じています。

f:id:plum_0417:20240221233446j:image

街の姿が大きく変わる事業の行く末を追える限り追いかけつつ、願わくばその完成を現地で見届け、その上で今の沼津のすがたもしっかりと目に焼き付けておきたいと感じた話でした。まだ見ぬ新しい沼津駅が、使う人すべてに愛され、街に馴染む駅になることを願うばかりです。

*1:あなたの静岡新聞「高架化後の沼津駅舎 基本計画策定着手 24年度から」  https://www.at-s.com/news/article/shizuoka/1413838.html 2024年2月21日閲覧

*2:沼津市公式ホームページ ホーム―市政情報―各種計画―沼津市中心市街地まちづくり戦略―第4章 中心市街地まちづくりの4つの戦略 p.51 https://city.numazu.shizuoka.jp/shisei/keikaku/various/machisenryaku/pdf/4.pdf 2024年2月21日閲覧

*3:5・6番線以外発着の御殿場線の列車や5・6番線初の東海道線の列車も2024年2月現在存在します。

*4:静岡県公式ホームページ ホーム―まちづくり・県土づくり―各地区土木事務所―沼津土木事務所―沼津駅近鉄道高架事業―沼津駅近鉄道高架事業についての質問 Q.8.御殿場線東海道線上越しする計画としたのは? 

https://www.pref.shizuoka.jp/machizukuri/dobokujimusho/numazudoboku/1002167/1042591.html#group8 2024年2月21日閲覧

【月記】2024年1月

1.あったこと/やったこと

1日:元旦。「ラブライブ!サンシャイン!!黒澤ダイヤちゃん/「幻日のヨハネ」ダイヤちゃんの誕生日。沼津で年を越したのち、実家へ帰省しました。

4日:実家から沼津の自宅へ帰宅しました。301餃子沼津駅南口店さんとねこと白鳥さんに新年のご挨拶へ伺ったのち、この日にちょうど公開5周年を迎えた「劇場版ラブライブ!サンシャイン!! The School Idol Movie Over the Rainbow」をシネマサンシャイン沼津にて鑑賞しました。

5日:三嶋大社へお参りに向かいました。初詣自体は沼津市浅間町浅間神社にて済ませていたものの、昨年からの慣例として、新年の参拝へ。後厄も抜けたことを確認しました。おみくじは小吉で「何事も八分目のところで行えば無難」とのこと。帰り道で三嶋大社近くの蒸留所に立ち寄りました。数年後にはウイスキーが出荷されるらしく、今後が楽しみです。

8日:成人の日。2024年の仕事始めでした。

11日:「幻日のヨハネライラプスが誕生日をむかえました。

13日:大阪から学生時代からの友人が沼津へ遊びに来たので、19日本オープンのSENSPIさんのプレオープンのほか、沼津市宮町の大川酒店さん、大手町のSMOKEさんと西条町のnoiseさんを回りました。

21日:ららぽーと沼津にて開催されていた「貨物鉄道フェスティバル in ららぽーと沼津」と、マルサン書店仲見世店跡にて20日から開催されている「定住移住コンシェルジュセンター」を訪問しました。

22日:あわしまマリンパークが2024年2月12日(月・祝)をもって閉園することを発表しました。

26日:「沼津移住者コミュニティ”UMINECO”」のオフ会「うみねこ会」に参加しました。初対面の方なども含め、情報交換の機会に恵まれました。

27日:閉園が迫るあわしまマリンパークを訪問しました。開園1時間前到着で開園時間ちょうどごろに島へ入園することができました。園内では飲食店が1時間以上の待ち時間になるなど、いつも以上の混雑にはなっていたものの、島外周の遊歩道などはゆっくり歩ける状況でした。沼津駅南口の「SUN!SUN!サンシャインCafe」が2024年2月15日(木)をもって現在の店舗での営業を終了することを発表しました。

28日:「ラブライブ!サンシャイン!!/幻日のヨハネ」コラボイベント開催に際し、駿東郡清水町の「サントムーン柿田川」と「柿田川公園」を訪問しました。前者は初訪問ながら、通常の週末の買い物にも使えるモールであるという知見を得ました。

2.投稿した記事

投稿した記事の数:5本

(1)「2024年もよろしくお願いいたします!」(8日)

plumroom-0417.hatenablog.com

2024年にやりたいことを取り上げるなどした記事を投稿しました。記事中②「アスルクラロ沼津の試合を1回は見に行く」については、年内にご縁あって初観戦が叶いそうな状況です。④「スマホを買い替える」⑤「運動する習慣をつける」は、2024年の必達事項としたいです。

(2)【沼津バー巡り】Public Bar SMOKE(スモーク) カクテルやウイスキーだけじゃない!料理やビールも気軽に楽しめるカジュアルなバー(11日)

plumroom-0417.hatenablog.com

企画として継続して更新することにしている「沼津バー巡り」の第2弾を投稿しました。いつも懇意にさせていただいているお店ゆえ、その魅力を知る限り記すことを意識しました。殊にSMOKEさんは比較的誰でもふらっと立ち寄りやすいお店であると感じるため、バー初心者だとする方にもおすすめしたく、そうした方々への参考情報となれば幸いだと考えています。

(3)【沼津クラフトビール便り】2024年1月19日オープン予定!沼津クラフト発の新店舗 ビールとスピリッツが楽しめる”SENSPI(センスピ)”(18日)

plumroom-0417.hatenablog.com

プレオープンに伺っていたお店の様子を投稿しました。お酒の種類はこれからさらに増えていくようで、散歩がてら繰り返し訪問したいお店です。

(4)【ラブライブ!サンシャイン!!】ライブは?新曲は?2024年のAqoursはどうなるの?(26日)

plumroom-0417.hatenablog.com

「最近のラブライブ!サンシャイン!!Aqoursはライブなどの供給がない」などという意見がTwitter上にて散見されたため、近年の実績を踏まえて検証してみた記事です。データをグラフに起こすという初の試みも盛り込みました。SNSは内輪の話題や自分にとって都合の良い情報に偏る傾向にもあり、そうした環境に依存することは、いかなる分野でも好ましくないのではないかと感じた次第です。

(5)【沼津・内浦】あわしまマリンパークが2024年2月12日をもって「閉園」へ(2024/1/27の様子 他)

plumroom-0417.hatenablog.com

突然の閉園が発表されたあわしまマリンパークについて、現地の様子などをまとめました。本件については、いくら舞台となった地に移住し、近所にあってすぐ行ける場所だったとしても、日ごろから足を運ぶことの重要性を再認識させられました。

3.前月の所感

(1)週1ペースでブログを更新し続けてみても、意外にも話題が尽きない

せっかく沼津への移住を果たしたので、日々の生活が漫然としたものにならないように、今年からは、週に1度はブログを更新しようと考えています。まだ1ヶ月目ではありますが、意外と書くことがいっぱいあるように感じています。今年は落ち着いて過ごせそうな年になりそうなので、ライブへの参戦レポートも上げつつ、沼津での生活の所感などもつづっていきたいと考えています。

(2)確実な情報源を当たっていくことの重要性

憶測や伝聞だけによらず、確実な情報をもって物事を見ていくことを意識して、ブログやTwitterInstagram等の更新を進めていきたいと考えています。決して安くはない出費ではありますが、静岡新聞のweb版を購読することにしました。「ふるさとメディア」と称するだけあって、沼津の話題も様々な方面で取り上げられています。県内の諸問題に対する報道姿勢について一部で疑問を呈する動きもあるようですが、大半の話題において、ごく普通の内容が掲載されているように感じています。それ以外の報道記事等にも接しながら、情報の取り扱いには気を付けていきたいと考えている次第です。

4.前月の課題

(1)睡眠時間を削りがち

ブログの執筆で睡眠時間をいつの間にか削ってしまっていることが多々ありました。当然ながら翌日の仕事にも大いに響くことがよく分かったので、書きたいことはきっちり書くことはしっかり考えながらも、無理のない範囲で継続していきたいと考えています。「ライフワークバランス」とは、ライフだけじゃなくてワークだって大事にしないといけないものなのでしょう。

(2)Instagramをほぼ放置してしまっていた

plumroom-0417.hatenablog.com

このブログとTwitterのほか、Instagramのアカウントも運用しているのですが、たまにストーリーズを投稿する以外、ほぼ動かさずにいるというのが現状です。少しずつではあると思いますが、Instagramもこまめに更新していきたいと考えています。

5.2月の予定・目標

(1)予定

※すでに過ぎたものも含みます。

3日:東京の実家に帰省(翌4日に帰宅)

10日:ラブライブ!サンシャイン!!松浦果南ちゃん/「幻日のヨハネ」カナンちゃんの誕生日。魚河岸丸天さんで開催される松浦酒店さんのイベントに参加

17日:沼津市総合体育館のトレーニング室へ利用登録(日付未定)

24日:東京の実家に帰省(翌25日に帰宅)

(2)目標

①月曜~木曜は禁酒:酒量と出費の抑制のため、会社の飲み会等の事情がない限り、月曜から木曜は禁酒とします。金曜~日曜についても、お酒の量のほか、回る店の数を減らしていくこととします。

②ジムに通い始める:運動する習慣をつけるため、沼津市総合体育館にあるトレーニング室(ジム)を活用することを検討しています。2月中にも利用登録を行い、当面は毎週金曜夜に通おうと考えています。

f:id:plum_0417:20240219220722j:image

6.「月記」について

毎日もしくは毎週というは難しいので、毎月1回前月に何があったかを簡単に振り返る「月記」をつけていくことにしました。来月以降は月の前半には更新できるように心がけたいと考えています。